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フィンランドのベーシックインカム導入に見るメリットとデメリット。ベーシックインカムは人類を幸せにするのか!?

2015年12月13日

ベーシックインカムとは、全国民に無条件で一定の金額を支給するという、自堕落な人間にとっては夢のような制度だ。

私も一刻も早く導入して欲しいと切に願っている。

そんなベーシックインカムであるが、フィンランドがその導入への最終調整に入ったという。もし導入されれば、フィンランド国民すべてに無条件で月800ユーロ(約11万円)が支給される。

しかし、ベーシックインカムの財源とはどこからやってくるのだろうか?

ベーシックインカムのメリットとデメリットを考えてみたい。

ベーシックインカムのメリットとデメリット

ベーシックインカムはすべての国民に、生活に必要な最低限の金額を支給するという制度の事。

フィンランドでは、ベーシックインカムの導入と同時にすべての社会保障も停止するという。ベーシックインカムの肝はここにある。ベーシックインカムを導入すると、社会のシステムがシンプルになり、凄まじい経費削減になる。その削減された経費が、ベーシックインカムの財源にもなるのだ。

社会保障をすべてなくすという事は健康保険も年金も生活保護もなくなるということ。(実際にフィンランドがそうなるかはようわからん)

 

健康保険が無くなると、健康保険に関わる全ての手続きが無くなる。全国民を管理する必要もないし、未納者に督促状を送る必要もなくなる。莫大な維持費のかかるシステムもお払い箱だ。それに、病院も保険料の不正請求が出来なくなるだろう。不正を監視する組織もなくなり、人件費が浮く。

年金が無くなるという事は、年金に関わる全ての事務も消滅することを意味する。年金の未払いや世代間の不平不満もなくなるだろう。年金の資金を管理・運用する必要もなくなるし、それらの莫大な資金がベーシックインカムの財源になりえるだろう。

生活保護が無くなれば、生活保護の不正受給問題も一気に解決する。市役所にある生活保護の受付もなくなるし、需給に伴うすべての事務も消滅する。

 

この様に、ベーシックインカムを導入すれば、いろんな社会保障システムがなくなり、それと共に凄まじいコストカットが出来る。しかし、それに伴いかなりの公務員人員削減が行われるだろう。それほど人を雇う必要もなくなるからだ。今まででは考えられないくらい豪快にリストラされるはずだ。だって、首になってもベーシックインカムで食うのには困らないんだから。

 

また、ベーシックインカムは少子化対策にもなり得る。こどもがひとり増えれば、それだけ家庭の収入が増えるからだ。

経済事情でこどもを持つことが出来なかった家庭も、いままでよりもこどもが生みやすい環境になるだろう。

その他にも考えうるベーシックインカムの影響を見てみよう。

  • ベーシックインカムがあるので、劣悪な労働環境のブラック企業が駆逐される。
  • ベーシックインカムを利用した詐欺が横行する可能性がある。
  • 労働意欲が下がる(労働意欲に影響はないという説もある)
  • 最低賃金より生活保護の方が高いという不公平が無くなる
  • 低賃金労働の担い手がいなくなり、経済が崩壊する。
  • ハングリー精神や危機感がなくなり、ふぬけた人材しか育たなくなる。
  • ベーシックインカム給付対象で差別が生まれる。
  • 引きこもりはますます引きこもりになっちゃう。
  • 実際のところ、財源はどうするのかが不透明

ベーシックインカムは良くも悪くも、問題が山積みのようだ。

ベーシックインカムで自己責任が問われる

日本にもしベーシックインカムが導入されたら、いくらくらい貰えるのだろうか?

生活に必要な最低限の金額、という事であればフィンランドと同様に11万円くらいかもしれない。ここから健康保険や年金、税金が引かれないのならギリギリ暮らしていけるだろう。

しかし、健康保険や年金などの社会保障がすべてなくなったとしたら…?はたしてベーシックインカムで夢のような世界が訪れるとは限らないのではないだろうか。

もし貯金がなくベーシックインカムだけを頼りに生活しているのに、突然事故や病気になってしまったらかなりヤバい事になるだろう。

ベーシックインカムは弱者にやさしい制度ってわけじゃない。ますます「自己責任」が問われる、個人主義的な世の中になるかもしれないのだ。

 

フィンランドのベーシックインカムも正式決定したわけではないが、もし導入されたとしたら、その後にフィンランドがどうなるのかとても気になるところだ。

しかし、もしその試みが大成功したら?それがきっかけで日本にもベーシックインカムが導入されたりして。

 

ベーシックインカムは人類を幸せになれるのだろうか?

古代ローマで哲学が発展したのは何故か?

それは古代ローマの哲学者たちには、全員奴隷がいたから。身の回りのことは全部奴隷にお任せ、そうして出来た暇な時間で哲学の基礎を作り上げたのだ。

ベーシックインカムはそういった思考の余暇を人類に与えるかもしれない。ベーシックインカムを導入することで、哲学が発展するかもしれないし、学問の発展を後押しする可能性もある。

また、「衣食足りて礼節を知る」という言葉があるように、最低限の衣食は幸せの必要最低条件だ。これらが無条件に満たされることで、より高次元である「自己実現」という幸せを感じるために、様々な文化が発展したり、経済が発展するかもしれない。

 

ともあれ、もし人類にベーシックインカムの精度が浸透したとしたら、2種類の人間に分かれるだろう。

バリバリ活動する人間。

思考にふける人間。

…どちらが不幸になるのかは明白。

もしベーシックインカムが導入されたとして、我々は幸せになれるのだろうか?

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