宇宙の法則

ハインリッヒの法則を活用して仕事や人間関係に役立てよう!重大事故の裏側にある必然性。

2018年7月23日

ハインリッヒの法則は、損害保険会社に勤めていたハインリッヒさんのリスクについての論文が元となっている。

人生には何度か、取り返しのつかない重大な事件や最悪な事故が発生するもの。

だけどこのハインリッヒの法則を知っておけば、そんな最悪な事態を回避する役に立つかもしれない。

ハインリッヒの法則とは何なのだろうか?

生活面でどのように活用することが出来るのだろうか?

ハインリッヒの法則とは?

ハインリッヒの法則は「1:29:300」という数値で表される。

 

保険屋は災害の発生確率とリスク分散でメシを食っているプロだ。

1:29:300の数値は、その保険屋であるハインリッヒが、工場で発生した労働災害のサンプルを統計学的に徹底的に調べた結果である。

 

このハインリッヒの法則は何を物語るのか?

簡単に言えば、1つの重大事故の背後には、29の中規模の事故があり、その背後には300の些細なミスがある、という事だ。

この重大事故と些細なヒヤリハットをつなぐ割合は、あらゆるところで応用が効くという。

 

1件の交通事故の背後には、29件の軽い接触事故があり、その背後には300件のちょっとした不注意がある。

1件の離婚問題には、それに至るまで29件のガチギレがあり、その背景には300件のちょっとしたイライラがある。

1件の超絶モンスタークレームの背後には、29件の普通のクレームがあり、その背後には300件の声に出さないお客さんの不満がある。

1件の毒キノコによる中毒死の背後には、29件の下痢があり、その背景には300件の「このきのこマズっ!ペッ!!」がある。

 

ハインリッヒの法則に照らし合わせて考えると、あたかも不注意や偶然で発生したようにみえる重大な事故にも、そこに至るまでの必然性があるってわけだ。

取り返しのつかない重大な事故を防ぐACPDサイクルとは?

取り返しのつかない、もう人生が終わってしまうような、重大事故を防ぐためにこのハインリッヒの法則をどのように活用したらいいのだろうか?

それは重大事故に至る前の中規模の事故で止める、ということに尽きるのではないだろうか。

中規模の事故が起きた場合には、その背後にちょっとしたミスがある。それを検証し、二度と起こらないように改善する。それを繰り返すのだ。

そのちょっとしたミスを見過ごしてそのままにしておくと、また中規模の事故が起こり、それが29ポイント溜まるととんでもない事故が起こってしまうだろう。

 

大事なことなのでもう一度言うが、重大な事故というのは「あ~運が悪かった!」とか「ちょっとぼ~っとしてた」とか「たまたま偶然が重なって」とかではなく、ある程度の必然性をもって起きるという事を、このハインリッヒの法則は示唆している。

 

この重大事故を防ぐためには、ACPDサイクルを繰り返し行うことが大切

ACADサイクルはあの有名ななPDCAサイクルをパクッて考えだした、重大事故を防ぐためのサイクルだ。

PDCAサイクルは目標を達成するために「Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)」を繰り返すこと手法のこと。

このサイクルを繰り返すことで、目標へ至るための”手段”は洗練され、より効率的に目標を達成できる。

ただし、どれかひとつでも欠けると、目標への道筋は遠のいてしまうだろう。

 

では重大事故を防ぐためのACPDサイクルとは?

ACPDサイクル

①Accident(事故):まずハインリッヒの法則における29件の中規模事故が発生する。

②Check(評価):その中規模事故をチェックして発生した原因を特定する

③Plan(計画):事故評価を踏まえたうえで、事故が再び発生しないように改善策を作成する

④Do(実行):改善策を適切に実行する

事故が発生したらACPDサイクルを回し、再び事故が起こらなおいようにする。そのうえで、もし再び事故が発生したら、その原因を検証し、もう一度ACPDサイクルを回す。

これを繰り返せば、致命的な重大事故を発生前に食い止めることができるだろう。

 

キノコ狩りで食べたキノコでお腹を壊したら、そのキノコがなんであるのかを図鑑で調べてもう食べないようにする。

この当たり前のことをしっかりとやれば、毒キノコを食べて死ぬ確率は下がる。

これは交通事故でも離婚問題でもクレーム対応でも、同じことがいえる。

 

ちょっとした事故や中規模な事故を無視せずに、適切に対処することで、致命的な重大事故は防ぐことができる

ハインリッヒの法則はそれを私たちに教えてくれるわけだ。

重大事故はポイント制です

例えば同僚で案件の担当者のAさんが急病で休んでるタイミングで肝心の取引先が不渡りをだして、しかも電車の遅延と株価の大暴落とぎっくり腰が重なって仕事上の重大ミスを犯したとしよう。

それで大失敗!

「おまえ、何してんだ!!」とめちゃくちゃ怒られちゃう。

 

(電車の遅延や取引先の不渡りが、自分のしでかしたちょっとしたミス?納得できん!!)

 

そう思うかもしれない。しかしそれもまた、ただの偶然ではなくちょっとしたミスの積み重なった重大事故であるといえる。

かつて経験したちょっとしたトラブルの中に「電車の遅延でひどい目に合った」とか、「取引先の不渡りでヤバかった」なんてのがあれば、それを想定して行動する必要があったともいえる。

 

一見まったくの偶然の重なりで起きたと思われる事故も、その背後には改善の余地のあるイージーミスが積み重なった結果であると考えられるのだ。

 

これは男女の関係にもそのまま当てはまる。

異性にいきなりブチ切れられて「ほえ~…なんでいきなりそんなに怒ってるの?」と思った事はないだろうか?

その背景には積み重なった「怒りポイント」があるのだ。ささやかな怒りポイントが積み重なって、めでたく300ポイントゲットしたら…その次の1ポイント加算でいきなりの重大事故発生。致命的な大爆発である。

 

…想像するだけで冷汗が止まらない程に恐ろしい。

 

その前に何かしらの手を打っておかなければ、取り返しのつかないことになるだろう。

 

大事件の種は、いつもの日常、普通の生活の中潜んでいる。そしてその積み重ねがいつかとんでもない事件となる。

「これくらいのミスは別に気にしないよ~ん。ポジティブシンキング!!」

そんなアホ丸出しの気のゆるみはないだろうか?

 

その気にならない程のミス、ポイント溜まってますよ!!!

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