危機対策

地震を予測するという地震雲の信ぴょう性は?予測の科学的根拠とはなんなのだろうか。

2015年6月8日

地震雲とは何だろうか?

一般的には大地震の前兆とされ、地震の直前に空に浮かぶ不自然な形をした雲の事を指す。

しまも、地震発生の2週間前、1週間前、2~3日前、直前とそれぞれに雲の形状が違うようだ。

 

しかし地震雲とは本当にあるのだろうか?

その根拠や見解を調べてみた。

地震雲とは本当にあるの?

地震雲を語る前に、まず雲はなんなのか?そこからおさらいしてみよう。

辞書によると雲とは「空気中の水分が凝結して、微細な水滴や氷晶の群れとなり、空中に浮かんでいるもの」とされる。

つまり雲は水分で出来ているのだ。

 

そして地震雲とは、大地震が起こる前に空に浮かぶ奇妙な形の雲の事。

 

ツイッターやSNSの発展した現在、大きな地震が発生したら、誰かが「地震の前にへんな形の雲が浮かんでいた!あれは地震雲だ!」なんてコメントを発信しているだろう。

でもそれって、ただの雲なんじゃあありませんか?という気がしないでもない。

地震の前に地震雲が発生するメカニズム

地震雲は震源周辺から発生する電磁波が雲の生成に影響を与えることで生まれるという。

事実、東日本大震災の直前には、上空で電子量が異常に増えていることがわかっている。

東日本大震災発生の40分前、震源地上空の「電離層」の電子量に異常があったことが、北海道大学理学研究院の日置幸介教授(地球惑星物理学)の研究で分かった。スマトラ沖地震など、過去の大地震前にも同じ現象が確認され、地震予知に役立つ可能性が期待されている。

関連記事:大震災40分前から電子量が急増 地震予知実現にわずかな可能性(livedoor news)

では、なぜ電磁波が発生するのか?

詳しいメカニズムはわかっていないが、地震直前の地盤の動き、ひずみ、圧力、こういったエネルギーが関連しているようだ。

 

我々が立つ地面の中には花崗岩や石英などの物質が含まれている。

地震は地面の中の岩盤がプレートの圧力で押されてズレることで発生したり、プレートそのものの”ひずみ”が解放されることで発生する。

その際には、地下ですっごい圧力パワーが発生する。

花崗岩や石英がその驚異的な圧力で破壊されることによって、電磁波が放出される…らしい。

この放出された強力な電磁波が、地震雲をつくり出すとかださないとか。

 

この地震の前兆として起きる電磁波が、動物の異常行動の原因にもなっている。

地震の前に、いつもおとなしいペットが騒ぎ出したとか、海岸にクジラが打ち上げられたとか、繁華街のねずみが逃げたとか。

本当かどうかはわからないけれど、人間でも地震前に頭痛を感じたりする人もいるようだ。

地震雲の形状の特徴とは?

普通の雲は風の向くまま気の向くままに流されている(そんな風に生きたい!)

しかし地震雲は普通の雲と違い、同じ場所に長時間留まるという特徴を持つようだ。

 

地震の前兆現象として地表から電磁波が放出されると言われているわけだが、この現象は地震発生の3週間ほど前から現れるという。

その期間を4つに分けで、それぞれの地震雲の特徴を解説しよう。

2~3週間前の地震雲

帯状・筋状の雲。

空に着物の帯をスッと流したように、細なが~い雲が横切るような形をとる。

1週間前の地震雲

波上・放射状の雲。

空全体を広範囲にわたって、筋状の雲が通り抜ける。

空・雲・空・雲と順番に、あたかも上空にストライプ柄が入ったような形の雲が現れる。

1~3日前の地震雲

直立・竜巻型の雲。

最もポピュラーな地震雲の形かもしれない。雲は通常横に流れていくものだが、この雲は縦にす~っと伸びた形状をしている。

その周りは通常の雲でも、この地震雲だけが煙突からの煙の様に、或いは天に上る竜の様に伸びる様は異質だ。

直前の地震雲

カタマリ状の雲。

中にラピュタがありそうな積乱雲ではなく、もっと小ぶりで重々しい雲の塊が、不自然に空に浮かんでいる。

地震の直前が最も地表からの電磁波が強くなる。

そんな震源地付近に現れるといいう。

 

さて、そんな地震雲なのだが、気象庁はどの様に考えているのだろうか?

気象庁の地震雲についての見解

地震雲はあるのですか?という問いに気象庁はこう答えている。

雲は大気の現象であり、地震は大地の現象で、両者は全く別の現象です。

雲のたなびく向きは、上空の気流によって支配されています。気流が地形の影響を受けることはありますが、地震の影響を受ける科学的なメカニズムは説明できていません。「地震雲」が無いと言いきるのは難しいですが、仮に「地震雲」があるとしても、「地震雲」とはどのような雲で、地震とどのような関係であらわれるのかが科学的な説明がなされていない状態です。

日本における震度1以上を観測した地震(以下、有感地震)数は、概ね年間2,000個程度あり、平均すれば日本のいずれかの場所で一日あたり5個程度の有感地震が発生していることとなります。震度4以上を観測した地震についても、平成16年で105個、平成17年で49個、平成18年で28個、平成19年で57個発生しています。このように地震はいつもどこかで発生している現象です。雲は上空の気流や太陽光などにより珍しい形や色に見える場合がありますし、夜間は正確な形状を確認することができません。

形の変わった雲と地震の発生は、ある程度の頻度で発生する全く関連のないふたつの現象が偶然見かけ上、そのように結びつけられることがあるという状況であり、現時点では、科学的な扱いは出来ていません。

参照元:気象庁/地震予知について

さすがは気象庁。地震雲について至極まっとうな意見。

地震大国日本では、大きいモノから小さいモノまで、毎日たくさんの地震が起きてる。そして雲だって毎日た~くさん流れていってるし、数分ごとに形を変えている。はっきりいって、ただの偶然である方が納得がいく。

しかし、「地震雲はないと言い切るのは難しい」という発言もしている。

少なくとも、地震雲に科学的な根拠が確立されていない事だけは確かなようだ。

大きな台風が地震を誘発するという研究結果が!!?

地震雲なんて科学的根拠がないただの迷信!!

…ということだけど、風がさらに強力になった”台風”ともなると話が違うようだ。

アメリカの研究者が「台風が地震を引き起こす」という面白い研究を発表している。

 米マイアミ大学(University of Miami)のシモン・ウドウィンスキ(Shimon Wdowinski)准教授(海洋地質学・地球物理学)とフロリダ国際大学(Florida International University)の研究チームは、過去50年間に台湾とハイチで発生したマグニチュード(M)6.0以上の大地震についてデータを分析。地震発生前の4年以内に被災地が激しい豪雨を伴う大型熱帯低気圧に見舞われていることを確認した。

関連記事:大地震は台風の後にやってくる、米大研究

研究者によると、「活断層を上から抑えていた地表の地盤が、豪雨や土砂崩れで押し流され、重みが取り除かれたために地震が誘発されるたのではないか」とのこと。

 

地震発生の4年以内に激しい豪雨を伴う台風が来ていた…。

 

 

日本なんて毎年台風来てるし、どこかで激しい豪雨も起こっているじゃないか!!!

まったく参考にならない研究だ。

ちなみに研究者は日本やフィリピンについても、台風と地震が関係あるのかを調査する予定だとか。

台風が多すぎて、まったく関係性が見つからないと思うけど…。

地震雲のまとめ

地震雲は地震発生の前兆現象である「地表からの電磁波放出」の影響で発生すると考えられている。

電磁波が発生するのは、地表の中の花崗岩や石英に圧力が加えられるから。

そして地震雲は科学的に立証されているわけではない、という事になる。

 

もしプレートによる地盤への圧力が地震の発生理由となるなら、地震雲の発生は大陸プレートの境界線に発生するのではないだろうか?

世の中にはたくさんの地震雲目撃証言があるが、その発生源全ての下に電磁波を誘発する地盤の圧力があるとはとても思えない。

中には本物の地震雲もあるかもしれないけれど、その90%以上はただの偶然…ってところなのではないだろうか。

 

でも、本当に偶然で片づけていいのだろうか?

地震雲には、その地震までの期間によって、大きく4種類に分けられる。

もし4種類の地震雲が順番に現われたとしたら…そのカウントダウンの最後に、ほんとに地震が起こるかもしれない。

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