精神と心理 自己啓発

記憶のゴールデンタイムはいつ?記憶力が高まる時間帯がマウスの実験で判明!

2016年10月15日

勉強する時間帯によって、長期記憶の定着しやすさが変化する。

今までもそんな風に考えられてきたが、実際のことろどんなメカニズムで時間帯による記憶力の変化があらわれるのかはわかっていなかった。

しかし東京大学の研究室が行ったマウスの実験で、そのメカニズムの一端がわかった。

脳の海馬にある体内時計と、SCOPというタンパク質の量が関係しているという。その実験によって、時間帯によって記憶力が変化することもわかった。

では、人間の記憶力が最も高まる時間帯とはいつなのだろうか?

記憶力が高くなる時間帯はいつなのか!?

まずは、短期記憶と長期記憶について簡単に説明しよう。

短期記憶は短い時間しか保持できない記憶のことで、一般的には一度に7個程度の数や文字くらいしか覚えていることができない。

長期記憶は長い時間保持できる記憶のことで、短期記憶とは違ってたくさんの情報を覚えていることができる。

 

マウスによる実験によると、短期記憶の記憶力については日中を通して一定であった。

それに比べて長期記憶の記憶力は、1日のうちの時刻によってかなりの変動があった。

 

長期記憶の記憶力が最も高まる時間帯は、活動期の前半、人間にとっての午前中だ。

つまり暗記したり勉強したりするには、午前中がベストってことになるようだ。

 

東京大学の発表したレポートを少し紹介しよう。

これまで、一日のうちの時刻によって記憶のしやすさに違いがあるのではないかと考えられていたが、それが体内時計によって制御されているのか、また、どのような仕組みで記憶しやすさが変化するのか、わかっていなかった。本研究グループは、マウスを用いて一日のさまざまな時刻に新奇物体認識テストをおこない、学習から24時間後のテストで長期記憶を測定した。その結果、学習する時刻によって記憶のしやすさが大きく異なり、マウスの活動期の前半記憶のしやすさが最高に達することを見つけた。

参照元:長期記憶しやすい時刻の発見とその脳内の仕組み(東京大学)

活動期の前半に記憶のしやすさが最高に達する。夜行性であるマウスの「活動期の前半」は夜であり、マウスの記憶力が最も高まるのは夜となる。

対して昼行性の人間にとっての「活動期の前半」は午前中。人間の記憶力が最も高くなるのは午前中なのだ。

 

記憶力には海馬の中にあるSCOPというタンパク質が重量な役割を果たしている。

SCOPが海馬の中にたくさんあれば、それだけ記憶力が高まる。そして海馬内のSCOP量は体内時計のリズムによって増減するのだ。

活動期の前半には海馬ERKが活性化して長期記憶の定着率が高まり、活動期の後半は長期記憶の定着率が悪くなる。

…といっても難しい話はよく分からないので、詳しく知りたい方は先ほど紹介した東大のレポートを読んでみよう。

 

とにかく、人間の記憶力がもっとも高まるのが午前中というのは確かなようだ。

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夜型人間に記憶力が高まる「記憶のゴールデンタイム」はあるのか?

午前中に記憶力が高まるのはわかった。

では、午前中はず~っと寝ている夜型人間はいつ記憶力が良くなるのだろうか?

それとも記憶力が高まる時間帯は寝て過ごしているため、ずっと記憶力が低いままなのだろうか?

 

実は人間の体内時計には、明確な個人差があることが分かっている。

原因はまだまだ解明されていないようだけど、DNAレベルの体質で「夜型人間」と「昼型人間」がいるようなのだ。

例えば「睡眠のゴールデンタイム」と呼ばれる午後10時~午前2時の間に寝ると、睡眠中に成長ホルモンがたくさん分泌されて健康に良いとされている。美肌になるし、がん予防にもなる。

しかしこの午後10時~午前2時のゴールデンタイムは誰にでも当てはまるものではないという。この時間帯は、平均的な朝型人間を基準に割り出されたもの。夜型人間にとっての睡眠のゴールデンタイムは、もっと深夜にズレるのだ。

これと同様のことが「記憶のゴールデンタイム」にもいえる。

もし毎日午前4時に寝て、お昼の12時に起床している人がいたとしたら、その人にとっての記憶のゴールデンタイム(活動期の前半)は、お昼12時から夕方の6時くらいまでなのではないだろうか。

勉強や仕事は午前中に済ませるのがオススメ!!

人間の記憶力は午前中に高まる。大切な勉強や仕事は、午前中にサッサと済ませておくのが正解なようだ。

しかし…そんなことが本当に可能なのだろうか?

 

10年以上前の受験生の頃、「朝早く起きて勉強すると能率アップ!」という話を聞き、実践してみたことがあった。

夜に眠くなると「明日は早く起きて勉強しよ~」と、早めに寝てしまう。

だけど、もちろん朝早く起きることはできず、ギリギリまで寝てしまう。

「しまった!また10時間寝てしまった!!!」

なんてことがよくあった。

少し眠くなると「早起きして勉強しよう!」と寝てしまうので、むしろ睡眠時間が増える始末だ。勉強はまったくダメだったけど、健康的ではあった。

それでいて、たま~に早く起きることができたとしても、頭がぼ~っとして勉強に身が入らないんだから始末に負えない。

 

…なんというか、精神力や忍耐力がなく、自分に甘い性格だったのだ。(今でもだけど)

そんなダメ人間とは違い、早朝にスパッと起きることができて、熱いコーヒーを淹れながら歯磨きして顔を洗って、湯気立つコーヒーを片手に机に座ってスッと勉強できるようなヤツは、そりゃあ頭良いだろうさ!

うう…なんか、記憶力と時間帯に関係のない話になってしまった…。

 

とにかく、午前中に記憶力が高まるからといって、無理に早起きする必要はない。

たとえば午前5時に起きたら、起床から6時間くらいが記憶のゴールデンタイムなのだろうし、午前7時に起きたとしたら6時間後の午後の1時くらいまでが記憶力が高まる時間帯なのだろう。

午前中は勉強の効率が上がるということを盲信して、私と同じ過ちを犯すのはやめよう!

記憶のゴールデンタイムまとめ

というわけで、人間の記憶力は午前中が一番高くなる。それはまさに「記憶ゴールデンタイム」といっていいだろう。

もし自分の勉強や仕事内容にある程度の裁量があるのなら、1日のスケジュールの中の「記憶力が大切になる作業」を午前中にもってくれば、全体の効率がよくなるかもしれない!!

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