精神と心理 自己啓発

愛の告白や仕事にも使える!?人の心を動かす言葉の選び方。

2016年12月15日

突然ですが、クイズです。

あなたが好きな異性に自分の想いを伝え、お付き合いを始めたいと思ったとき、最も成功率の高い告白のセリフはどれでしょーか!?

①「私と付き合ってください!!」

②「あなたのことが大好きです!!」

③「…月が綺麗ですね」

 

こんな一言で告白なんかしねーよ!と思うかもしれないが、とにかく何が一番良いかを考えて欲しい。

とてつもなくシンプルなセリフの選択肢だけれど、この答えには”人の心を動かすエッセンス”が詰まっている。

その解答と共に、より良い人間関係を構築するための「人の心を動かす言葉の選び方」を考えてみたい。

告白、仕事の営業やプレゼン、頼み事などで成功率を上げる言葉とは?

まずは、先ほどのクイズの答えを。

正解は②の「あなたのことが大好きです!」だ。

その理由と、他の選択肢のダメダメなところを解説しよう。

③「月が綺麗ですね」

③の「…月が綺麗ですね」なんて解答は論外だ。

「月が綺麗ですね」という表現は、文豪の夏目漱石が「I LOVE YOU」を意訳したもの、なんて言われているけれど、ロマンチックすぎて意味が分からない。

似たような表現に、プロポーズの際に使用される「毎朝、味噌汁を作ってください」というセリフもあるが、これもダメ。

表現が曖昧だったり婉曲的だったりすると、言葉の力が弱くなってしまうし、自分の気持ちも正確に伝わりづらくなってしまう。

 

実際、高橋留美子の傑作漫画「めぞん一刻」で五代君が響子さんにプロポーズするときに「お、おれ…響子さんの作ったみそ汁…飲みたい」というセリフが伝わらずに大失敗している。

百歩譲って面と向かってのセリフならまだしも、メールやラインなどで想いを伝える場合は、絶対に曖昧な表現を使ってはいけない。

①「付き合ってください」

①の「付き合ってください」という言葉もダメ。

確かにダイレクトに目的を告げているし、良いように思うかもしれないが、そこには自分の”想い”が入っていない。ともすれば事務的とも思われてしまうだろう。

無意識にこのような言葉の使い方をしている人は思いのほか多い。(特に男性)

 

特に気にしたこともない人から突然「付き合ってください!」といわれたらどう思うだろうか?

ハッキリ言って「付き合ってください!」なんてセリフは「そこの醤油とってください」と一緒だ。

 

「”付き合ってください”なんて言われたら嬉しいでしょ!?とーぜん!!」と思うかもしれないが、嬉しいと思っちゃう人は無意識にこう考えている。

「付き合ってください→この人はきっと私のことが好きなんだろうな!→嬉しい」

或いは醤油でもこう思っちゃう。

「醤油とってください→私に頼むなんてきっと私のことが好きなんだろうな。好きじゃないにしても嫌いじゃないはず!→嬉しい」

嬉しいと感じる”心の動き”には”私のことを好きなんだろうな”という連想が必要になる。連想しなければ、それはただの”お願い”に過ぎない。

心を動かされるのは、その言葉の陰にあるであろうその人のキモチだ。

「付き合ってください」という”事実”や”依頼”に心を動かす力はほとんどない。

 

人の心を動かすのは、常に他の人の心の動きということになる。

 

映画で泣けるシーンも登場人物が強く心を揺り動かされたときだったりするしね。

だとしたら、相手の心を動かすには、自分の心の動き、相手への想い、感情を素直に伝えるのが一番ってことになるだろう。

②の「あなたのことが大好きです!!」

「あなたのことが大好きです!」

シンプルだけれど力強い言葉だ。

たしかにいきなり言われても「え?…付き合おうってこと?」と思うかもしれないが、そこには言われた方の心が動く何かがある。

告白される側を想像しても「月が綺麗ですね」とか「付き合ってください」なんていわれるよりも、素直に「好きです」といわれた方がよほど嬉しいのではないだろうか。

 

先ほども書いたが、自分の気持ちを伝えると相手の気持ちが動く。告白するなら、絶対に自分がどれだけ好きなのかをアピールしなければならない。

 

「月が綺麗ですね」

「そうですね」

告白失敗!!

 

「付き合ってください!」

「無理」

告白失敗!!

 

「あなたのことが大好きです」

「え…」(なんとなく嬉しい)

付き合えるかどうかはわからないけれど、確実に相手の心は動くはず。

もし付き合えなかったとしても、大好きな相手がちょっとでも自己肯定感を得られて、ちょっとでも嬉しいと感じるなら、それはそれでいいのではないだろうか。

相手の感情を動かすには、感情を言葉にして伝えるのが大事

例えばお金に厳しい嫁さんに新しい自動車を買って欲しいと頼むとき。

「いまセール中で凄く安いんだ!」という事実を伝えるよりも、「車があったら嬉しい」とか「ドライブに行ったら楽しいよ」などの感情を伝えた方が良い。

 

例えば近所のじいさんの大切な盆栽を割ってしまったとき。

「今回の事件の原因は、近所で不用意に草野球をしていたためです。今後は野球をやらないようにしましょう。その盆栽はおいくらですか?すべて責任をもって弁償します」と言ったらどうだろう?

今後の予防策や明確な解決策を提示しているのに、思い出の盆栽を破壊されたジジイの怒りは収まらない。

それは言葉に感情が籠っていないからだ。

「大切な盆栽を割ってしまい申し訳ない」「大変なことをしてしまったと思っている」「自分も本当につらく、責任を感じている」といった感情を伝えた方が、相手の怒りが収まる可能性も高まるだろう。

 

この例からわかるように、感情を言葉にして伝えると、良くも悪くも相手の気持ちを動かすことが出来る。

では、最初の質問にもどり、もっとも成功率が高くなる告白のセリフを改めて考えてみたい。

もっとも成功率が高くなる告白のセリフ(応用編)

「大好きです!」と素直に伝えるのが一番良いといったものの、これだけじゃあ実際には使えない。

だったら選択肢を3つともミックスして、こう言えばいいじゃないか、「あなたのことが大好きです、付き合ってください。君の瞳に乾杯!!」と。

そうすれば、好きという”感情的な言葉”も入っているし、”付き合ってください”という目的も明確に伝わる。

 

たしかに「好きです」と伝えるだけよりはいいかもしれないけれど、どうせならもっと!もっと!もっと!”心を動かす言葉”を、つまり自分の感情を表現した言葉を使っていったほうがいい。

告白をするのなら、どれだけ相手のことが好きなのか、相手のどんなところが好きなのか、自分が相手と話しているだけでどれだけ幸せなのか、たくさんの感情を伝えることがポイントとなる。

好きな性格、嬉しかった出来事、自分の気持ち、などなど…。

もちろん、やり過ぎたらただの”不気味なストーカー”になってしまう世知辛い世の中だけれど、それでも気持ちを伝えることはとても大切だ。

 

そう考えてみると、「もっとも成功率が高くなる告白のセリフ」というのは、世界中で自分だけしか表現できない、自分の相手への想いを精一杯伝えるセリフということになる。

 

「あなたのことが好きです。結婚を前提にお付き合いしませんか?夜明けのモーニングコーヒーを一緒に楽しみましょう」

この気持ち悪い告白のセリフは、A君が言っても、B君が言っても、C君が言っても、ほぼ同じ意味合いを持つ。

告白のセリフを考えてみて、このセリフを他の誰かが言っても成立するような内容であれば、それはダメな内容ってことになる。

 

自分だけしか言えない言葉こそが、最高の言葉なのだ。

ラーメンが美味いと叫べば、絆が深まる

これはなにも、告白に限ったことではない。

私たちがより良い人間関係を作り上げるためには、”感情を表す言葉”を積極的使っていく必要がある。

「このラーメン、めっちゃ美味いなぁ~!!!!!」

「そうだね、特にこのチャーシュー最高」

「おれはイマイチだなぁ」

これだけだって、十分だ。

逆に自分の気持ちを表現するのが下手な人間は、周りから”つまらないヤツ”なんて思われているかもしれない。

 

また、仕事や学校で人間関係を楽しく続けるには、大なり小なり”人の心を動かす技術”というのは必要になってくるし、それには感情を表す言葉が必須だ。

自分の希望だけをただ並べ立てるだけのわがままなヤツじゃあ、だれも友達になってくれない。

仕事のノルマだけをただ強要するだけの上司じゃあ、部下の信頼を得ることはできない。

だけど、そこに少し自分の感情を添えるだけで、ずいぶんと印象は変わってくる。

自分が嬉しいという感情、怒っていること、楽しいと感じていること、そういった感情を恥ずかしがらずにみんなと共有することが、人間関係を円滑にするコツなのだ。

 

愛の告白もそうだし、商品の営業から遅刻の言い訳まで、”自分の感情を表す言葉”を使うだけで印象が随分と変わってくる。

恋人がほしい、友人が欲しい、そんな時は、日常会話のなかで”自分の感情を表す言葉”をちょっと多めにすると絆が深まるだろう。

 

人の心を動かす言葉とは、自分が思う自分の感情の言葉。

それが相手に伝わった時、その人は感情を揺り動かされるのではないだろうか!?

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