危機対策 生き物

最期まで戦え!!山で熊に遭遇した時に生存率を劇的に上げる最終手段とは?

2017年8月2日

熊対策

登山やハイキングなどで山に行ったとき、突然に熊に出くわした場合、どうすればいいのだろうか?

まず、言っておきたいのは死んだふりはダメってこと。

実際、死んだふりに失敗してクマに襲われた事件も発生している。

米アラスカ州のデナリ国立公園でグループでハイキングをしていた28歳の女性がハイイログマ(グリズリー)に襲われてけがをしたことが4日までに分かった。国立公園局はクマを見付け、処分するとしている。

当局の発表によれば、グループは1日夜、ハイキング中に2~5歳のクマに襲われた。グループはその前にもクマを目撃していて、これを避けようとしていたものの、最終的にクマが襲ってきた。当局者によれば、グループは死んだふりをしたが、その後、クマに襲われた。

参照元:女性がクマに襲われ負傷、「死んだふり」失敗 米国立公園

確かに熊は人間を恐れる動物だし、ジッとして静かにしていれば去っていくこともある。子連れの母熊は人間が攻撃の意思を示さなければ、攻撃を止めるという記録もある。

しかし人間に慣れて都市部にも出現するような熊や、食べ物がなくてお腹を空かせた熊には当てはまらないだろう。

たとて死んだふりをしていても襲われてしまうかもしれない。

 

熊と出会い、死んだふりもできない…そんな時の最善策は?

国立環境研究所の農学博士五箇先生が、「林修の今でしょ!講座」に出演し、恐るべき熊の撃退方法を紹介していた。

その方法が衝撃的だったので紹介したい。

都市型に進化した熊を撃退するには!?

最近の熊は、都市型に進化していて、平気で人間の住む場所にも姿を現すようになってきた。

本来、熊は臆病な動物で、人間を怖がる傾向にあったのに、それが近年では通用しなくなってきているのだ。

人間を恐れない熊に死んだふりは効果的とは言えない。熊は死肉を食べる場合もあるし、お腹が空いていたら食べられてしまうかも!

クマ避けの鈴も、人間に慣れた熊にとっては無意味である可能性がある。実際、鈴をつけていたとしても襲われるケースもあるという。

 

クマに襲われないために一番大事なのは、熊に出会わないこと。

そのためには、山林では単独行動をしないことが大切。常に集団行動を心がければ、熊を含めたいろんなリスクに対処できる。

集団でいることで熊に襲われる可能性も低くなるだろう。

 

さらに万が一、集団で歩いていて熊に出会ったときも、全員一緒になって逃げるのが大事。

パニックになって全員ばらばらにに逃げ出すと、”数の優位性”が崩れて熊に取って好都合な状況になってしまう。

いちばん足の遅い人間や、もたもたしている人間が、最初に襲われてしまう。

 

集団で行動し、それでも熊と出会ってしまったとしたら、熊の目を見ながらゆっくりと後ずさりして逃げるのが基本。

熊には縄張りがあり、そこを踏み荒らすと威嚇行動とみなされ、襲ってくる場合がある。

熊を見かけたら、縄張りに侵入しないように、細心の注意を払いながら静かに立ち去ろう。

逃げるときは熊の目を見ながらってのが大事。

動物同士で目と目が合うってのは敵対のしるし。

そして先に目をそらした方が負けだ。これは都市部に生息するヤンキーにも言えること。

 

目をそらして後ろを向いて走って逃げるなんて、絶対にやってはいけない。

 

熊は逃げる人間を弱いやつだと判断し、襲い掛かってくる。

山道をいくらダッシュしたとしても、木に登ったとしても、熊はあっという間に追いついてしまうだろう。

 

集団行動をして熊に出会わないようにする。

万が一、熊に出会ったとしたら、集団を崩さずに後ずさりしながらゆっくりと逃げる。

 

それでも、突然、目の前に熊が現れて襲い掛かってきたとしたら?

私たちになす術はあるのだろうか?

熊への最終手段…命を懸けて戦え!!

熊と遭遇した際の常識的な対処法を紹介したわけだけど、それでもなお、熊に襲われることはある。

そんなときはどうすればいいのか?

 

「これまでも、クマに襲われて助かった人のケースってのは、最後まで抵抗した人たち。だからもう、なにがなんでも、命をかけて戦うしかない!

五箇先生は、熊への最終手段として、戦うしかないとおっしゃっている。

 

両手で首を守り、チャンスがあれば神経が集中している鼻先にパンチを喰らわす!!

ただ背中を見せて逃げるよりも、遥かに生存率は上昇する

 

たしかに、た~まに熊に襲われて生存した人のインタビューを聞くと、傷口にグルグルと包帯が巻かれた状態で、興奮しながら「熊と戦って勝った!」と語っていることが多い気がする。

「一本背負いをした!!」

「空手で撃退した!!」

そんなニュースを観て「そんなバカな…」と思っていたけれど、五箇先生の話を聞いて納得した。

熊だって死ぬ気で反撃してくる人間を襲いたくはないだろう。最期に生死を分かつのは、生きるための意思ということなのだ。

 

もちろん、戦うというのは最悪のケースであり、そうならないようにするのが一番大事なんだけど。

「山を燃やすことにしたんだ」男は平然と語った

今回紹介した「林修の今でしょ!講座」が放送された前日、「世界丸見えテレビ特捜部」では山で遭難したカップルが紹介されていた。

そのカップルは観光に来た山で遭難して戻れなくなってしまうのだけれど、山を歩き回っていると偶然にも登山者のテントを発見する。

助かった!と思いそのテントを調べると、それは1年前にそこで遭難した登山者のものだった…。

近くの河原には登山者の遺体が横たわっていたという。

絶体絶命のピンチ。「絶対に死にたくない!!」その死体を見て思った男性は、思いもよらぬ行動をとった。

 

「山を燃やすことにしたんだ」

 

男はテレビのインタビューに平然と答えた。

テントに残されたマッチで、人為的に山火事を発生させ、助かろうという試み。

そのチャレンジは成功し、カップルは無事に生還することができたのだ。

 

山を燃やすなんて、なんとも自己中心的で斬新な解決方法。

その山林の被害はどうなったのかとか、生活していた動物たちはどうなったのかとか、莫大な弁済が必要だったんじゃないかとか、そんな疑問はあるけれども、とにかく死なずに生還したのだからスゴイ。(個人的には動物たちの生活圏を破壊するくらいなら、そのまま肉食動物のエサになっちまえ!!と思ったけど)

 

やっぱり一番大切なのは、諦めずに戦い続ける気持ちなのではないだろうか。

例えば、サメに襲われた場合は痛みに弱い”目”や”エラ”部分を攻撃する。

そんなの無駄だっていう専門家もいるかもしれないけれど、諦めるよりは遥かにマシだろう。

 

猛獣との戦いにしろ、人生での困難にしろ、最期まで諦めずに戦い続ければ、活路が見いだせるかもしれない。

もちろん、ダメな場合もあるだろうけれど、少なくともすんなりと諦めてしまうよりははるかに成功率は高くなる。

あっさりと諦めるのは美徳ではない。

 

たとえ熊に左手を食いちぎられようとしていても、右手で鼻先にパンチをお見舞いする。

生き残るには、なにがなんでも、命をかけて戦うしかないのだ!!

-危機対策, 生き物