生活の豆知識 精神と心理

「何もかもただ面倒くさい」「人間も地球も、もうこりごり」そんな無気力を吹っ飛ばす、やる気の湧き上がる方法!

2014年12月26日

久々に文章だけで声を出して笑ってしまった。

そして笑うとともに、痛いほど気持ちがわかる。

何もかもめんどくさい…読売新聞の人生相談コーナーに寄せられたその文を紹介したい。

ただ、ただ、何もかもただ面倒くさい

2014年2月17日付読売新聞「人生案内」より抜粋

人間・男・50代。ただ、ただ、毎日が面倒くさい。

口から出る言葉は、嫌だ、面倒くさい、疲れる。それでも腹は減る。食べてしまう。食べるのは、パンとバナナ、時々、納豆、豆腐。

昨年はひどい腹痛で救急で運ばれた。痛いことは嫌だ。苦しいことは、もうこりごりだ。

自分で死ぬのは苦しいだろう。それに、そうする力もなく、ただ、それすら、面倒くさい、と。

人間も地球も、もうこりごり。3000年眠りたい。3000年後の世界を見てみたいと考えた時もあったが、今は、ただ、ただ、毎日をやり過ごして、ただ食って眠るだけ。

地球に、自分の体に大隕石でも落ちて、すべてが終わりになればよいと、考えながら眠りに就く毎日。

何を相談しているのかもわからない。こんな人間。このハガキも投げやりの勢いで、ようやく出す。死ぬこともできず、ただ、ただ、やり過ごす毎日。(青森・A男)

この投げやりで無茶苦茶な人生相談に対する回答もまた、素晴らしい。

まるで一編の詩を読むような独特の美文にまず引かれました。ただ、その内容はかなり深刻です。きっと何かのひどい体験で深く傷つけられてしまったものと推察されますが、それが具体的に書いてない。

これはどう人生案内してよいものか、正直戸惑いました。

しかし、考えてみると人間なぜ面倒くさがりもせず生きているのか……。そちらの方が不思議な気もしないでもない。私の見るところでは、多くの人間はここをどうにかごまかして暮らしているように思えます。ある哲学者によれば、人間の生きる理由には「快楽」「倫理」「信仰」の3段階があるそうです。

つまり、「楽しいことを求めて」「世のため、人のために」「神様の救いを信じて」の3種の生きがいですね。まあこれをヒントにすれば、このどれか、自分のレベルに合った生きがいを開発すればよいように思えます。あなたは「そんな面倒なことできるか!」と言われるかもしれない。でも、ここに相談されたこと、私のややこしい文章をここまで読んでいただけたことだけを見ても、あなたの生活のエネルギーが完全に枯渇しているようには思えないのですが…。

野村総一郎(精神科医)

個人的に「人間も地球ももうこりごり」というフレーズが凄い。

いったい人間になにされたの!?地球に嫌がらせでも受けた!?

読んでいて思わず笑ってしまった。

 

そして「3000年眠りたい」「地球に、自分の体に大隕石でも落ちて、すべてが終わりになればよい」という秀逸なフレーズ。

 

野村先生も仰っておられるが、まさに「詩を読むような独特の美文」なのだ。

「ずっと眠っていたい」とか「もう隕石でも落ちてしまえ!」なんて実は自分も思ったことがあるが、こんなにも適切かつ素晴らしい文章で表現は出来なかった。

行間に溢れるけだるさ、なげやりさ、そしてとことん絶望しているようで、そこはかとなく生きることへの切望も感じられる。

 

なんとなく、文学作品の導入部を読むような錯覚すら覚える。

 

「何を相談しているのかもわからない。こんな人間」

この秀逸な自己ツッコミもまた最高だ。

 こんなにも面倒なのはなぜなのか?

めんどくさいよね、なにもかも。

ああ~めんどくさい。

 

なんとなくこのA男さんにアドバイスするという行為自体、おこがましい気がしてならない。

太宰治「人間失格」の主人公に「がんばれよ!」って笑顔で言っているような…。

筋肉ムキムキのマッスルメンにプロテインの大切さを説くような…。

だから、A男さんとは関係なく、一般論的に、面倒くさい時にやる気を出す方法を考えてみよう。

 

全てが面倒くさいのに「睡眠」と「食事」だけは出来る理由、それはこのふたつが「快楽」だからに他ならない。

人間を突き動かす原動力は「快楽」と「苦痛」の2種類だけだなのだ。

 

そしてそれには脳内物質の「ドーパミン」と「セロトニン」がかかわってくる。

すごく簡単に説明すると、宝くじに当たったとか、日常生活で嬉しいことがあると、脳内ではドーパミンが放出される。

ドーパミンは快楽を得ることだ出来る物質だけど、同時に危険な劇物でもある。

だからたくさん放出されると体に悪いので、それを落ち着かせるセロトニンという物質がドーパミンの次に放出されて興奮が落ち着く、そんなシステムになってる。

 

例えば麻薬なんかをやると、ドーパミンが脳内神経間にすごい溢れちゃって、セロトニンじゃ追いつかないくらいになっちゃう。

だから通常では得られないくらいの快楽を得るし、依存症になってしまう。

 

依存症になりやすいタイプの人はセロトニンの放出がもともと平均より少ないという。

セロトニン不足でドーパミンが抑えられないのだ。

その結果ちょっとしたドーパミンでの快楽体験をセロトニンで抑えられずに病的に繰り返してしまう。つまり快感や欲望に弱い人間になってしまう。

 

さて、青森県在住のA男さんだが、この人は逆にドーパミンが少なくセロトニンが多く分泌される人なのだろう。

ゲームやってもギャンブルで大当たりしてもテレビ見ても、ドーパミンが少なければ面白く感じないわけだ。

 

ドーパミンは快楽以外にも「やる気」「記憶」「行動」などいろんなものにかかわってくる。実はドーパミンと「やる気」ってのは密接なかかわりがあることがわかってきた。

ドーパミンがたくさん出れば行動的になってやる気にもなるというもの。

やる気を出すにはどうすればいいのだろう?

自分の人生を振り返ってみて、やる気が起きた時ってどんな時だろう?

「やる気」って「なんらかのアクションに自分を駆り立てる力」だよね。

ちょっと思い出してみる

  • 褒められた時
  • 努力が報われた時
  • 誰かに認めてもらいたい時
  • 給料をたくさんもらった時
  • 誰かを笑顔に出来た時
  • 温泉でゆっくり仕事の疲れを癒せた時

いろいろあると思う。

いろいろあるけれど、やる気が出る時の共通点がひとつだけある。

 

それは報酬

 

行動の結果としての報酬があるから、人は頑張れるしやる気にもなるのだ。

褒められることも、お金も、休憩も、認められる事も、全部自分にとっての報酬。

 

ではやる気が出ないのは?

頑張っても報酬が出ない、頑張りに報酬が見合っていない、頑張っても報酬が変わらないから。

芸が成功したらエサもらえる犬のしつけみたいだね。でも行動原理は犬も人間も一緒。

勉強しない受験生をやる気にさせるためには?

例えば高校受験でやる気が出ないお子さん。やる気を起こすにはどうすればいいか?

やる気にさせる「報酬」を考えてみよう。

①高校受験を成功させた時の報酬を与える。大学合格したら海外旅行行くぞ!100万やるぞ!とか。

②成績上がったらすごく褒める、そして親がめっちゃ喜ぶ。褒めること、そして親が喜ぶというのも報酬。

③自分が得られるメリットをしっかりイメージする。

④目標を小さくする

高校受験でやる気を出すには、その後の人生に置いて勉強した場合の成功イメージを明確化する必要がある。

目先のことしか考えられない人間にはやる気を出すのは難しい。受験生にやる気を出させるには、将来の明確なイメージを作ってもらう事が有効だろう。

目的意識、報酬の明確化だ。

「自分の夢を実現させるには大学行った方がいいよね」と説得力をもって自分が感じればやる気が湧く。

 

しかし、もっとも現実的で効果的なのが「目標を小さくする」ってこと。

これは例えば目標とする高校や大学のレベルを下げるってことではなく、目先の勉強の目標をしっかり設定するってこと。

「大学に合格する」

そんな壮大であいまいな目標ではやる気なんかでない。

それよりも、「この参考書のこのページまでをしっかりと身に付ける」といった具体的で、わりと簡単に達成できる”小さな目的”を設定するのが大切。

たとえ目標は小さくても、それを達成した時はささやかな満足感が得られる。

 

受験生の勉強法で55段階評価?みたいなのをCMで見たことがある。

ちょっとづつ目標を定めて、それを達成する。

これは脳科学的にも理にかなっていて、どんなに小さくても目標達成=ドーパミン放出でやる気UPに繋がる。

 

先ほど「将来の明確なイメージ」と言ったが、これはその正反対かもしれない。

すぐに達成できるような事。

目先の細かい目的達成もやる気には非常に重要なのだ。

やる気を出す方法まとめ

やる気を出すにはドーパミンを分泌させるのが大事。そしてそれには「報酬」が必要。

長期的な目標と小さな目標を設定し、報酬を与えることでドーパミンが分泌されてやる気がアップする。

この方法は自己管理にも使えるし、子育てや部下の管理なんかにも応用できるだろう。

 

頑張った自分に、ご褒美プリン!

実はすごく大事なことなのだ(下戸で甘党なんですよね…)

やる気のないA男さんをやる気にさせるには?

さて、最後に無粋だがA男さんについて考えてみよう。

彼の場合は重症だ。

生半可な報酬では動かないだろうし、A男さんが動いたからと言って報酬を与えてくれる人がいるかも定かではない。

人間に、そして地球にコテンパンにやられて学習された無力感。

もう50代だし、なにをやっても、ど~せいつか死ぬし無駄無駄、っていう達観。

 

例えば50代の男が部屋を掃除したからって、「えらいね~」なんて褒めてくれる奇特な人間は存在しないだろう。

人間も、地球も、そんなにやさしくない。そしてそれをA男さんは痛いほどわかってる。

 

この無気力にどう立ち向かうのか?

方法は4つある。

①トコトンまで堕ちる「底つき体験」→やる気を出さざるを得ない。

②周りの理解と協力→世の中には自分だけじゃどうにもならないことがある。他人が認めてくれる、そして自分自身を認められるという報酬

③通院→投薬で脳内物質を強制改善

④松岡修造の名言を読む→無条件にドーパミンが溢れる!!

そう、とことんまでやる気を出す最終兵器。超大人気の「松岡修造カレンダー」だッ!!

毎日毎日、松岡修造氏の熱い言葉が胸に突き刺さる。

「熱くなれよ!!」

カレンダー壁に掲げれば、漏れなく燃えざるを得ない。

魂の震えを、些末な表層意識が抑えることなど不可能!

日めくりカレンダーなので年度に関わらず毎年使える。1年間毎日ずーーーっとやる気満々で過ごせる、世界に類を見ない最高のカレンダー。

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さらに松岡修造の熱い著書も熟読すれば、目から鱗がボロボロと落ちまくり、その日から人生が変わるだろう。

  • よーし、絶対勝つ。勝ったらケーキだ!
  • 君が次に叩く1回で、壁は打ち破れるかもしれないんだ!
  • 性格は変えられない、だけど心は変えられる
  • 今日からおまえは富士山だ!
  • 何かができない理由は、年齢じゃない
  • 味わってますか?人間味

松岡修造の人生を強く生きる83の言葉より参照

少しだけ松岡修造氏の名言を紹介したけど、もうこれだけで胸が熱くなってくる!!

くじけそうになったとき、いつでもそばに松岡修造がいてくれる。

そう思うだけで、少しだけ強く生きれるんだ。

 

A男さん、これしかないのではないだろうか?
  

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