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餅よりも危険かも!?死亡事故が多い食べ物ランキング・ベスト5!!

2017年1月5日

正月といえば餅。餅といえば、餅をのどに詰まらせてしまう窒息事故だ。

中には重症になり、死亡してしまう例もある。

だけど危険な食べ物は餅だけじゃない。餅以外にも、死亡事故に至るかもしれない危険な食品は身近に存在する。

消費者庁が東京消防庁と連携して作成した「窒息事故の詳細分析について」より、死亡事故が多い食品ランキング・ベスト5を紹介したい。

あわせて餅で窒息事故を起こさないための5つのコツも紹介しよう。

高齢者や小さなお子様のいるご家庭必見だ!!

死亡事故が多い食品ランキング・ベスト5!!

この死亡事故が多い食品ランキングは平成18年~20年にかけて発生した、全4137件の食品事故を元に作られている。

なんと平成18年(2006年)を境に、交通事故よりも食事による窒息事故の方が増えたという!!

 

はたして餅は何位にランキングしているのか??

 

では、さっそく危険な食べ物ランキングを紹介しよう。

第1位:もち 死亡事故19件

やはり不動の第1位は餅であった。

なんと、死亡事故が19件も発生している。

ネチョネチョしていて弾力があり、飲み込む力が弱っている高齢者やこどもは、誤って気管に入ってしまう可能性がある。

これによって窒息事故が発生するのだ。

餅で窒息事故を起こさないための7つの注意点

  1. のどに詰まらないようにひとくちを小さくして食べる
  2. 焦らずゆっくり食べる
  3. お茶などの水分を補給しながら食べる
  4. よく噛んで食べる
  5. 汁物にいれて柔らかくして食べる
  6. 弾力のある餅をさける
  7. 一人で餅を食べず、家族や友人と一緒に食べる

この7つが餅で窒息事故を起こさないためのコツだ。

餅の誤飲事故を防ぐために、最近では高齢者でも飲み込みやすい餅が販売されていたりする。

のどに詰まらせないように、お雑煮に小さくした餅を使うのも有効だ。

「餅で窒息?自分には関係ないね!」

なんて他人ごとに思わず、注意しよう。

 

そして万が一にも餅を詰まらせてしまったら、迅速に救急車を呼ぶのが大切。

餅をのどに詰まらせた場合の応急処置方法は2つ。

ひとつめは背部叩打法(はいぶこうだほう)。

その字面の通り、姿勢を低くさせて思いっきり背中を叩きまくる方法。

背中の真ん中、肩甲骨の間あたりを手の付け根で4~5回ほど叩く。

背中の表面だけをペチペチ叩くのではなく、衝撃を与えて押し出すイメージで”ドスドス”と叩こう。

 

もうひとつは腹部突き上げ法。

喉を詰まらせた人を立たせ、後ろに回る。

そうして両手を前に回して、みぞおちの下あたりをギュッ!!と圧迫して突き上げる。

その勢いで異物を吐き出させるわけだ。

くわしくは「日本医師会の気道異物除去の手順」を紹介したサイトで図解されているので、念のために確認しておこう。

気道異物除去の手順

 

最も人間を多く殺した動物は伝染病を媒介する「蚊」といわれているが…この結果を見ると、最も日本人を多く殺した食べ物は「餅」といえるのではないだろうか!?

第2位:ごはん 死亡事故14件

意外とモチモチしていて喉に詰まらせやすい「ごはん」が第2位にランクイン。

でも死亡事故が多い理由はそれだけではないだろう。

きっと食べる頻度が他の食品に比べて圧倒的に多い、という要因もあるのではないだろうか。

ともあれ、普段からよく噛んで飲み込むようにすれば、ごはんの誤飲死亡事故は防げるはずだ。

2019年4月に女性YouTuberが生配信中に「赤飯のおにぎりを一気食いする」という企画を行い、のどに詰まらせて死亡してしまった。

2016年には農産物PRイベントのおにぎり早食い競争で、20代男性がおむすびをのどに詰まらせて死亡している。

特におむすびは冷えていて固く、噛んだり飲み込んだりしづらい。おむすびの早食い、一気食いは特に危険なので絶対にやめよう!!

第3位:パン 死亡事故12件

ごはんに続きパンがランクイン。

やはり主食はのどに詰まらせやすい傾向があるのかもしれない。

パンはのどに詰まらせやすいなんてイメージが殆どないのではないだろうか?

実はパンはたとえ一切れであっても、口に含むと唾液を吸って大きくなってしまう。

嚥下機能の低下している高齢者は、これだけでも命とり!

小さくちぎって、ゆっくりとよく噛んで食べるのが大切だ。

 

パンは少量でも危険なのに「パンなんて大丈夫でしょ!」なんて油断してガツガツ食べていると、のどに詰まらせて死んでしまうかもしれない。

実際、アメリカのホットドック早食い競争では死者も出ている。

パンを侮ってはいけないのだ。

第4位:お寿司 死亡事故6件

第4位もごはん系のお寿司。

一口サイズで食べやすいためか、或いは美味しすぎて口いっぱいに頬張ってしまうせいか、死亡事故が6件も発生している。

お寿司を食べるときは、熱~いお茶を飲みながらゆっくりと味わおう!!

第5位:カップ入りゼリー 死亡事故3件

カップ入りゼリーは柔らかいけれど一口サイズ。

それをそのまま飲み込んでしまうと、そのままスッポリと喉に詰まって窒息してしまう可能性がある。

しかも、ゼリーは冷たい状態だとよけいに硬くなってしまうので注意が必要だ。

もちろん、普通のゼリーよりも硬くて弾力のあるこんにゃく入りゼリーはもっと注意が必要。

普通によく噛んで食べれば、のどに詰まらせることもないだろう。

*ちなみにこの死亡事故3件の中に、こんにゃく入りゼリーの事故は含まれていない。

 

もち・ごはん・お寿司がお米系の食べ物で同じジャンル。

これらの食べ物は柔らかいけれど、のどに詰まらせやすくて危険みたいだ。

発生件数ランキングの内容は?

では次に、死亡事故ではなく”事故件数”のランキングを紹介しよう。

死亡事故とは違ったランキング内容になっていて、とても参考になる。

順位食品名事故件数重症以上の割合死亡事故件数
1もち40654.7%19
2ごはん26029.6%14
32561.2%0
4パン23833.2%12
5寿司7644.7%6
6おかゆ5728.1%1
7リンゴ575.3%1
8みたらし団子5545.5%2
9バナナ4032.5%1
10カップ入りゼリー3132.3%3

参照元:窒息事故の詳細分析について

 

死亡事故は発生していないものの、飴もかなり危険な食べ物であることがわかる。

意外なところでは、バナナやリンゴなどのやわらかい果物でも事故が発生していることがわかる。

いかにものどに詰まらせやすい危険な食べものは、よく噛んで食べるので逆に事故が発生しづらい。

それよりも、普段からよく食べる柔らかい食べ物のほうが油断している分、危険なのかもしれない。

プリンでも命の危険が!!?

「窒息事故の詳細分析について」のなかでも注目すべき、恐るべきデータがあった。

プリンだ。

4137件の事故の内、プリンが引き起こした事故は7件もある。

7件の内、軽症が2件、中等症が5件、重症は0件、重篤が1件!!

プリンの誤飲によって、生きるか死ぬかの重篤な事故が1件発生しているのが驚きだ。

この重篤事故は70歳以上の高齢者で発生している。

高齢者とはいえプリンくらい柔らかい食べ物であれば、のどに詰まらすとは考えにくい。

恐らくプリンが誤って気管の方に入ってしまい、それが原因で発生する誤嚥性肺炎で重篤な状態になるのかもしれない。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は食べ物と一緒に細菌が気道に入ってしまうことで発症する肺炎で、高齢者にとっては命の危険すらある危険な疾患だ。

実は危険!タピオカをのどに詰まらせる死亡事故

今、巷で大人気のタピオカドリンク。

タピオカのムニュムニュした食感がたまらなくクセになる!

だけどこのタピオカ、ひと粒ひと粒は小さいが、誤飲の危険がある食品のひとつ。

 

中国では19歳の少女がタピオカミルクティーに入っていたタピオカを吸い込んだ際、3つのタピオカが器官に詰まり死んでしまうという事故が発生した。

また、国内でも小さな子どもがタピオカを気管に詰まらせてしまうという事故が発生している。

 

タピオカドリンクを飲んでいると、たまに吸い込んだ拍子に喉奥までタピオカが入ってしまい、そのまま噛まずに飲み込んでしまうことがある。

思いっきり吸い込んだら喉の奥にタピオカが体当たりしてきて、「ゴハッ!!」となることだってある。

タピオカドリンクを飲んだことがあるのなら、一度や二度は経験しているだろう。

 

あの拍子にもし、タピオカが気管に入ったら…?

想像するだけで、かなり危険だ!

 

誰だって、タピオカごときで死にたくはないだろう。

タピオカドリンクはゆっくりと吸い込み、タピオカはしっかりと噛んでから飲み込んだ方がよさそうだね。

食べ物の事故を防ぐために大切なこと

というわけで、やっぱりダントツに危険なのは餅であることが判明した。

それ以外にも、ごはんやパン、お寿司などが死亡事故が多い危険な食べ物。

胃ではなく気管の方に入ってしまうと、肺がダメージを受けて肺炎になってしまう。

特にこどもや高齢者は気を付ける必要があるだろう。

 

食べ物での事故を防ぐには、食べ方が大事。

大切なことなので、餅による窒息死を防ぐポイントをもう一度紹介したい。

  • のどに詰まらないようにひとくちを小さくして食べる
  • 焦らずゆっくり食べる
  • お茶などの水分を補給しながら食べる
  • よく噛んで食べる
  • 汁物にいれて柔らかくして食べる
  • 弾力のある餅を避ける
  • 一人で餅を食べず、家族や友人と一緒に食べる

餅はもちろん、それ以外の危険な食べ物でも、このような注意点を守れば誤飲や窒息事故をかなりの確率で防ぐことが出来るだろう。

もし万が一、食べ物をのどに詰まらせてしまったら、とにかく救急車を呼ぶことが大事。

応急処置として、前かがみの姿勢で口を下に向けて、背中の肩甲骨の間をを思いっきり叩く!!

こどもだから、高齢者だから、そう思い、背中を叩く力を弱めてはいけない。

腹部突き上げ法でみぞおちをギュッと圧迫するのも、もちろん有効だ。(ただし妊婦や乳幼児にはしてはいけない)

 

餅の場合、口の中をのぞいて餅が見えるようなら、手を突っ込んでむりやり餅を取り除くことも可能。

掃除機に装着して使う「口の中の異物を吸い込むため専用のノズル」も販売されているので、それを使うのもいい。(ただし口の中を傷つけてしまう可能性があるので注意)

 

大好きなプリンを食べて死ぬのなら、それはそれで良い死に様かもしれないが…プリンに殺されるなんて死んでも死にきれない。

大切なのは「ゆっくりと楽しんで食事をする」ってこと。

そうすれば誤飲事故をしっかりと防げるだろう!

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