健康とダイエット

ベージュ脂肪細胞・褐色脂肪細胞・白色脂肪細胞の違いと太りにくい体質になる方法

2017年2月13日

食べ過ぎて消費カロリー以上のカロリーを摂取してしまうと、身体に脂肪がついてしまい、体重が増加する。

これがいわゆる「肥満」と呼ばれる現象だ。

だけど脂肪には、実は3種類ある。

  • 白色脂肪細胞
  • 褐色脂肪細胞
  • ベージュ脂肪細胞

ダイエットをする上でもとても大切な、この3つの脂肪細胞の違いと、”太りにくい体質”になる方法を紹介したい。

ダイエットするなら知っておきたい3種類の細胞の違いと特徴

白色脂肪細胞とは?

いわゆる”脂肪”といわれて思い浮かぶのが白色脂肪細胞のこと。

エネルギーを貯蔵することで体重増加の原因になる脂肪細胞だ。その特徴をまとめるとこうなる。

  • 血液中の脂肪や糖をエネルギーとして蓄える。
  • 飢餓状態のときに分解され、エネルギー元となる。
  • 断熱作用があり、寒さを感じにくくする。
  • 内臓の位置を正常に保つ
  • 女性ホルモンの分泌を増やす

白色脂肪細胞が増えすぎると血中の脂肪も増えるし、高血圧・動脈硬化・糖尿病発症リスクの上昇などの悪影響がある。

皮下脂肪も内臓脂肪も、どちらも白色脂肪細胞だけれど、特に内蔵脂肪の増加が悪影響を及ぼすといわれている。

 

白色脂肪細胞は成長に伴い増えていき、特に思春期あたりに増加する。

「身体の脂肪細胞の数はこどもの頃に増えるけれど、大人になったら数は変わらない。こどもの頃に痩せていたら脂肪細胞数が少ないので痩せにくい体質。こどもの頃に太っていたら脂肪細胞の数自体が多いので太りやすい体質になる」

今まではこのように考えられてきたが、最新の研究によると、白色脂肪細胞は大人になってからも増加することがわかっている。食べ過ぎて過剰なカロリーを摂取すると、白色脂肪細胞は数を増やしてエネルギーを貯め込むのだ。

こどもの頃に痩せていたからといって、大人になってから食べ過ぎたら、しっかりと太る体質になってしまうので気をつけ欲しい!!

褐色脂肪細胞とは?

褐色脂肪細胞は白色脂肪細胞とは逆に、エネルギーを消費する機能を持っている。文字通り褐色をしている細胞で、その色は細胞内のミトコンドリアによるもの。

白色脂肪細胞が体中に広く存在しているのに比べて、褐色脂肪細胞は身体の中でも首の周りや肩甲骨の間、脇の下や心臓・腎臓の周りだけに分布している。

「筋肉をつけると基礎代謝が上昇してダイエットになる」といわれているけれども、褐色脂肪細胞のエネルギー消費量は筋肉の何十倍もあるといわれている。しかし褐色脂肪細胞は加齢とともに減少していき、特に40代以降はその減少が顕著になる。いわゆる”中年太り”ってやつは、褐色脂肪細胞が減少して、基礎代謝が低下してしまうのが一因であるという。

ベージュ脂肪細胞とは?

白色脂肪細胞でも褐色脂肪細胞でもない、第3の脂肪細胞としてベージュ脂肪細胞が注目されている。

ベージュ脂肪細胞は白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞のような働きをもつように”変化”した細胞のこと。

脂肪細胞の色も白から褐色に変化し、エネルギーの燃焼機能をも獲得する。細胞の色自体は白と褐色の中間色となる。

褐色細胞とベージュ細胞は似ているけれど、まったく別の細胞。白色脂肪細胞の中にベージュ脂肪細胞が散在する、という形をとる。

褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞を増やす方法

つまり、カロリー消費効果のある褐色脂肪細胞やベージュ細胞を増やすことが出来れば、太りにくい体質になることができ、結果としてダイエットにもなる。

褐色脂肪細胞を活性化させると体脂肪が減少することは、多くの動物実験でも検証されている。メタボリックシンドロームなどの成人病予防にも効果を発揮すると考えられていて、現在進行形で研究が進んでいる。

しかしながら、褐色脂肪細胞やベージュ細胞についてはまだまだわからないことが多い。

現段階でわかっている、褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞を増やす方法を紹介したい。

褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞は寒いと増える!!

寒冷地にする民族は、褐色脂肪細胞が多いことが知られている。

これは寒さにより交感神経が活性化し、その影響で放出されたノルアドレナリンによって褐色脂肪細胞が増えるからだという。

しかも増えるのは褐色脂肪細胞だけではない。

寒いと褐色脂肪細胞が活性化して増えるけれど、同時に白色脂肪細胞もベージュ脂肪細胞に変化するのだ!!

これにより、身体のエネルギーを熱に変換させやくなり、寒さから身を守っているのかもしれない。

ベージュ脂肪細胞や褐色脂肪細胞を増やすふたつの食べ物!

褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞を増やす食べ物をふたつ紹介しよう。

ひとつは唐辛子のカプサイシン

唐辛子はダイエット効果があると有名だ。

「唐辛子をかじる→辛くて熱くなる→汗をかく→ダイエット!!」

と勘違いしているかもしれないけれど、辛みのないカプサイシンと似た物質である「カプシノイド」でも同様のダイエット効果がある。

辛いからダイエットになるってわけじゃなく、カプサイシンが交感神経を刺激することで褐色脂肪細胞が増え、その結果として消費熱量も増加してダイエット効果があるというわけだ。

マウスの実験でもカプシノイドには褐色脂肪細胞を増加させ、肥満予防効果があることが確認されている。(ただし、ベージュ細胞の増加は認められなかった)

 

カプサイシンと同じように、褐色脂肪細胞を増やす効果があるといわれるのが魚油のDHA・EPAだ。

京都大学の研究によると、魚油を摂取すると交感神経がゆるやかに刺激され、細胞内でノルアドレナリンが放出される。その影響により、褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞が増加することがわかった。

魚油といえばオメガ3脂肪酸として有名だし、とても健康に良いとされるオイル。それが、さらにダイエット効果まであるわけだからスゴイ。

参照元:魚油摂取は交感神経を介して、「脂肪燃焼細胞」を増やすー「魚油」の効果で体脂肪燃焼を促す新メカニズムを解明(京都大学)

褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞を増やしてダイエットする方法まとめ

では、まとめてみよう。

褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞を増やすには、交感神経を刺激してノルアドレナリンを放出させる必要がある。

もっともオススメなのが、「寒さ」と「食事」によって、ゆるやかに交感神経を刺激する方法。

食べるのは唐辛子(カプサイシン)と脂ののった魚(DHA・EPA)だ。

 

つまり…池に張った氷に穴をあけてワカサギを釣って食べるのが最高ってことになるだろう。

寒い氷の上で、氷の穴に釣り糸を垂らして待つ…。そうして釣り上げた脂ののったワカサギをサッと揚げ、七味唐辛子をふりかけてそのままパクリ!!

褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞が増えて、寒さに強くなるし、ダイエットにもなる。

ダイエットには氷の上でワカサギ釣り!!

是非とも試して欲しい。

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