オカルト

SNSを利用した悪徳霊感商法の次世代の集客方法とは!?

2017年5月9日

オカルト誌ムーで矢口真里さんのインタビュー記事が掲載されていた。矢口真理さんが実際に経験した不思議な出来事についてだ。

”マスコミには絶対に出てこない有名な霊能者の女性”と知り合ったという矢口真理さん。彼女はその霊能者の女性と連絡先を交換したものの、それ以来連絡を取ることはなかったという。

しかし、ある日突然、その女性から連絡がかかってきた…。

ある日、地方で仕事中に、突然、彼女から電話がかかってきたんです。そして開口一番、こういわれました。

「今、ホテルにいるでしょう?」

実際、仕事が終わってホテルの自分の部屋に入った直後でした。言い当てられて驚いていると、「3人いるから、これから除霊するね。電話は切らないで、そのまま繋いでおいて」と。

いきなりそんなことをいわれても…ひゃあ~!!本気で泣きそうでした。

参照元:ムー3月号より

「うわあ、霊能者すげえ!!ホンモノじゃん!!幽霊が3人もいるのかよ!?こえええ~っ!!」

と思うだろうか?

これが悪徳霊媒師の””にしか思えないのは、私だけではないだろう。

 

芸能人は仕事上、ホテルを使うことが多い。もし芸能人の友人がいたとして、夜に当てずっぽうで電話をかけて場所を尋ねたら「ホテルいるよ」と答える人も多いはずだ。

もしくは、事前に芸能人のスケジュールを調べたうえで、夜に電話を掛けたとしたら?電話口の様子が静かなら、十中八九はホテルってことになる。

「今、ホテルいるでしょう?」という言葉は、自分の霊感で見破ったわけではない。だれでも調べれば簡単にわかることなのだ。

それにもし万が一「ホテルではない」といわれたとしても問題ない。詐欺師は、「今いる場所に霊がいる」「これから帰る部屋に霊がいる」という風に言葉巧みに話をすり替え、自分が間違ったことをいっていないと印象付ける話術を持っている。

さらに「3人いるから、これから除霊するね」という言葉。そんな言葉を聞いた相手は、かなりの恐怖を感じ、相手を信じてしまうかもしれない。人間はどんなに自分はしっかりしていると思っていても、強い不安を感じている状況では無意識に”安心”を求めてしまう。この普遍的で本能的な心理に付け込んで、信頼を得ることも可能だろう。霊がいるかなんて、だれにもわからないし。

この矢口真理さんに電話をかけてきた女性霊能者は、本物の能力者かもしれないけれど、インチキ詐欺師である可能性の方が高いのではないだろうか?

 

インチキ霊能力者や悪徳霊媒師や怪しげな宗教団体は、人の弱みに付け込んで近づいてくる。

このインタビューでは、女性霊能者が電話をかけてきた時期が明言されていなかったが、ひょっとしたら矢口真理が芸能界を干されていた時期か、復帰して間もない悩み多き時期だったのかもしれない。

 

…これは、芸能人だけの問題なのだろうか?

もしかしたら、私たち一般人も対岸の火事ではないかもしれない。失恋したり、大切な家族と死別したり、リストラにあったりと、精神的にツライ時期に突然、玄関のチャイムが鳴り、「悩み事ありませんか?」と怪しげな人物が訪ねてくる可能性は十分にある。

悪徳霊感商法の次世代の集客方法を考えてみたい。

詐欺師は心の弱みにつけこんでくる

詐欺師や強欲な宗教団体は、人の心が弱っているときに、巧みに近づいてくる。

テレビで明石家さんまさんが言っていた。

離婚会見をした翌日に、自宅に「何か困ったことはありませんか?」と宗教団体の勧誘が来たというのだ。

「そんなん、困ってるわ!!」

離婚して会見まで開いたんだから、困ってるのは日本全国の人々が知っている。

その宗教団体は追い返したのだけれど、それから何日も、代わる代わる違う宗教団体の人が自宅に訪れて「何か困ったことはありませんか?」と聞いてきたという。

まるで「さんまの家に今日は誰が行く?」と打ち合わせしているようだったと、明石家さんま氏は笑い話として語った。

 

…笑える。笑えるけど怖い。

人が本当に傷ついて、落ち込んで、ストレスに潰されそうになっているときに、悪い人は良い人の顔をしてやってくる。恐らくさんまさんの財産を目的として。

 

また、歌手の辺見マリさんは「しくじり先生」で、自身が”拝み屋”という怪しげな人物にマインドコントロールされ、5億円も貢がされた過去を語った。

辺見マリさんは2度の離婚経験があり、仕事もうまくいかず、心が弱くなっていた時期があったという。そこを付け込まれたのだ。

 

悪質な霊感商法や詐欺的な宗教は、人の心の弱みに付け込んでくる。

「オレは騙されない!」

「私は大丈夫!」

そう思っていても、心が弱っているとき、余裕がないときには絶対に付け込まれるスキはできるのだ。

悪徳霊感商法の次世代の集客方法

私たちはフェイスブックやツイッターで、日常的に日々の出来事や思いを公開している。

これらを分析することで、その人本人の現在の精神状態がわかるかもしれない。

例えばフェイスブックは、AI(人工知能)が投稿を分析することで、自殺予備軍を事前に特定するという試みを始めている。

ここ数年のフェイスブックは、機械学習やディープ・ニューラルネットワークのような人工知能(AI)分野に投資することで、中核事業のさらなる構築を進めてきた。そして世界中のどこよりも売上を伸ばしてきた。

(中略)

そんななか、同社は2016年3月、これらのAIツールの一部を人々が自ら命を絶つことを防止するという、より崇高な目的のために使うことを決めた。確かにこれは完全に利他的な判断というわけではない。ユーザーが「Facebook Live」を使って自殺を中継するのは、ブランドにとっていいことではない。

フェイスブックはすでに、自傷行為を示唆する投稿を見つけたユーザーが報告できるシステムをもっている。これらの報告を利用することで、フェイスブックは類似の投稿を認識するためのアルゴリズムをつくり、現在は米国でテストが行われている。マーク・ザッカーバーグは個人の投稿で、ライヴヴィデオストリーム中に誰かに助けを求めることができる仕組みなど、フェイスブックが自殺予防のために手がけているパイロット版のサーヴィスについて説明している。

次のステップは、AIを使用してヴィデオ、オーディオ、およびテキストコメントを同時に分析することだろう。

参照元:人工知能が誰かの自殺を予測し、防ぐ日は近い──Facebookも注目するアルゴリズム(WIRD)

この技術を応用すれば、投稿者が今どのような精神状態なのかを、投稿者自身が理解する前に分析することが可能になる。

自分の写真や個人情報と、投稿内容、動画、音声、すべてが紐づけられたとしたら…?それはもう、個人情報以上の”本当の自分”が赤裸々になることと言っていい。

 

もちろん、こんな最先端技術を使わなくても、「彼氏にフラれた」「肉親が亡くなった」「飼い猫が行方不明」「仕事で大失敗した」そんな書き込みをみるだけで、投稿者の精神状態を容易に推測できる。

そうしてSNSで精神的に参っているのを確認し、コンタクトを取ってくる。それはSNSのメッセージや書き込みかもしれないし、メールかもしれないし、チラシかもしれないし、手紙かもしれない。

もしある日突然、自宅に怪しげな宗教団体の人がやってきたら、自分のツイッターやフェイスブックの内容を確認してみよう。失恋、離婚、仕事の失敗、家族の不幸…そんなネガティブな発言をしていたのなら、その怪しげな宗教団体はあなたのSNSをチェックしてやってきたのかもしれない。

優しい悪魔がやってくる

マウスをたった1度クリックするだけで、優秀なAIが何百万人といるSNS利用者の中から、最も詐欺に引っかかりやすそうな精神状態の人たちをピックアップすることができる時代になっているとしたら?

少なくとも自分の本名が晒されているSNSや、簡単に身分がバレるようなブログでは、ネガティブな書き込みは止めておいた方がよさそうだ。

余りにもネガティブな感情を書き散らしていると…本当に”優しい悪魔”がやってくるかもしれない!!

「なにか困っていること、ありませんか?」

ってね。

-オカルト