地震調査研究推進本部地震調査委員会が2016年度版の全国地震動予測地図(地震ハザードマップ)を公開した。
2014年に公開されたものが最新であったが、今回の2016年度版では地震活動の予測にどういった変化が会ったのだろうか?
わかりやすく解説したい。
最新地震ハザードマップは何が変わったのか?
2014年に地震調査研究推進本部地震調査委員会は「全国地震動予測地図2014年版」の発表をした。これは2011年の東北地方太平洋沖地震をうけて、巨大地震の予測研究をまとめたもの。
そのハザードマップが2年後の2016年、数々の新しい事実や研究を踏まえてグレードアップすることになった。
全国地震動予測地図2016年版は、2014年度版と比べて何が違っているのだろうか?
2014年版と2016年版との変更点
まずは、2016年と2014年のハザードマップの違いについて説明しよう。
- 長野県中部におけるハザードの増大とその周辺部におけるハザードの減少
- 神奈川県西部におけるハザードの減少
- 埼玉県・栃木県・群馬県の県境付近におけるハザードの増大
- 九州の北部および中部におけるハザードの減少
- 北海道、青森県および静岡県以西の太平洋側地域におけるハザードの増大
地震研究の結果、地域によって地震リスクが上がったり下がったりしている。
その変化をマップで表現するとこうなる。

参照元:全国地震動予測地図2016年版(地震調査研究推進本部地震調査委員会)
青い地域が2014年に比べてリスクが下降したところ。
赤い地域が2014年に比べてリスクが上昇したところ。
さらにズームイン!!

長野県や神奈川県が青くなっていて、地震リスクが下降している。画像ではわかりずらいけれども、熊本地方もちょっと青みがかっていてリスクが下がっている。
そして太平洋に面する南海トラフ巨大地震の被害想定地域は、軒並み上昇しているという結果になった。
これを踏まえたうえで、全体の地震ハザードマップを見てみよう。

参照元:全国地震動予測地図2016年版(地震調査研究推進本部地震調査委員会)
これが今後 30 年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を表したマップ。
真っ赤な地域はおよそ80%以上の確率で、震度6弱の地震が起こる可能性がある。
太平洋沿岸は危険で、日本海側のほうは比較的安全という感じだ。
全国地震動予測地図2016年版から学ぶべきこととは?
この専門機関が発表しているハザードマップが、国民の防災意識を高めることに一役買ったのだろうか?
2016年4月に発生した熊本地震は、最大震度7を記録した。その前後、震度6強や震度6弱の大きな地震も複数回発生している。
全国地震動予測地図2014年版で示されていた、熊本地方の地震発生リスクを見てみよう。
今後30年で震度6弱の地震が発生する確率4.0%
今後30年で震度6強の地震が発生する確率0.6%
見ればわかる通り、とんでもなく低い確率だったのだ。
2014年の時点で30年以内の震度6強の地震発生確率が0.6%だったのに、それを上回る地震がわずか2年後に発生している。地震予測の不確かさがよくわかるだろう。
地震のリスクがほとんどないといわれていた熊本地方では、地震への備えをあまりやっていなかったという。もしかしたら、この地震ハザードマップが「地震なんて起こらないよ、熊本じゃ!」なんて思わせてしまい、熊本の防災意識にとって悪影響を与えた可能性すらある。
- 「確率が低いから安全」とは限らないこと。
- 地震動予測地図には「不確実さ」が含まれていること。
このふたつは、地震調査研究推進本部地震調査委員会も注意点としてあげている。マップ上で安全だと思われる地域も、地震に対する備えを怠ってはいけないのだ。
では、あんまり当てにならない「全国地震動予測地図2016年版」から我々が学ぶべきこととはなんだろう?ふたつ考えてみた。
①日本のどこにいても大地震は起きる可能性があるし、その備えを怠ってはいけない。
②地震の予知・予測は血税を使って運営されている専門機関でも難しい。なのでいわゆる”地震専門家”や”予知能力者”の言ってることも、まったく信じる必要はない。
「地震が起きる可能性が高いから地震に対する備えをする」ではなく、常に最善の地震対策をしておく。そうすれば、わけのわからない大地震の予知や予言に不安な気分にさせられることもないはずだ。
この全国地震動予測地図2016年版はあまりにも不確実すぎるが、自身への防災意識を改めて確認するきっかけになればそれでいいのではないだろうか。
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