人間の健康に重要な役割を果たす「腸内フローラ」であるが、その形成に人間関係や社会性活が深く関連している可能性がある。
なぜ人間関係と腸内細菌に関係があるのか?
アメリカはデューク大学の最新の研究を紹介しよう。
スポンサーリンク
人間関係と腸内フローラとの関係
健康に大きな影響を及ぼすとされる腸内フローラ。その多様性を生み出すのに、食生活はもちろん集団や仲間との交流が深く関係しているとする研究結果が示された。
集団内での交流は、健康によいとされる腸内細菌の多様化を促す作用があることが、米デューク大学によるチンパンジーの研究により発表されたのだ。
参照元:人付き合いは「腸内フローラの多様化」を促す研究結果(WIRED)
チンパンジーの研究であるものの、集団での交流と腸内フローラに関係があるという研究結果がわかった。
腸内フローラというのは、腸の中に生息する細菌ワールドのこと。
この地球に白人・黒人・黄色人種が生息するように、人間の腸にはそれぞれに違った腸内細菌ワールドが広がっている。
ある人の腸内フローラにはビフィズス菌が多い人口構成になっているかもしれないし、ある人の腸内フローラは悪玉菌が支配している独裁国家かもしれない。
最新の研究によると、この腸内フローラの構成が、便秘や肥満ばかりか、パーキンソン病や糖尿病にも関係してくるのではないかといわれている。
腸内フローラを良くするってことは、健康で長生きできるってことに他ならないのだ。
そんな腸内フローラを決定づけるのは、ほとんどの場合、その食生活であると考えられてきた。
しかし今回の米デューク大学によるチンパンジーの研究によると、社会性活も腸内フローラに影響を与えることがわかったのだ。
社会性活が腸内細菌に影響を与える理由
ではなぜチンパンジー同士の盛んな交流が、その腸内フローラに影響を及ぼすのか?
デューク大学の研究によると、チンパンジーの集団内での交流が増えれば増えるほど、グルーミングや生殖行為が多くなったり、ほかのチンパンジーの排泄物に触れる機会が増加するため、そこから体内に細菌を取り込んでいるのではないかという。
もちろん、食べるものが最も影響力が強いだろうが、こういった集団生活で発生する要因も、腸内フローラを決定づけるのに重要な役割を担っている可能性があるってわけだ。
しかし、あくまでもこれはチンパンジーの実験。それがそのまま人間に当てはまるかどうかはまだまだわからないと研究者は語る。
チンパンジーの腸内細菌と人間の腸内細菌には共通点が多いので、人間社会においてもたくさんの人たちと触れ合う活発な交流は、雑多な腸内細菌を得る絶好の機会になる可能性はあるだろう。
活発な交流で腸内細菌をゲットしよう!
現代文明の中で生活していると、どこもかしこも除菌・殺菌ばかりで他人の腸内細菌と触れ合える機会なんてないと思えてしまうかもしれない。
特に日本人は盛んにグルーミングをしないし、生殖行為の回数も世界的に見て少ない部類だ。他人の排泄物に触れる機会もまったくない。
しかし、安心して欲しい。私たちは、思いのほか腸内細菌を交換し合っているかもしれない。
トイレで排泄した後には誰でも水で流すだろう。この時、トイレの蓋を開けたままで流すと、水流で大便に付着していた細菌が大気にまき散らされる。(これでノロウイルスが二次感染することもある)
もし駅のトイレで個室に長い行列ができていたとしたら、その全員が多かれ少なかれ腸内細菌を交換し合っているということになるだろう。
さらに手洗い場の横に設置してあるハンドドライヤーも大いに活躍する。手を乾かすのにはほとんど役に立たないが、自分の腸内細菌を周りの人たちにおすそ分けするのには十分に効果的だ。
また、消費者庁の調査によると、家庭内でトイレの後に手を洗わない人は全体の15.4%もいるという。外出先のトイレだと、さらに手を洗う率は下がると思われる。みんなが手を洗わなければ、普通にコミュニケーションしているだけでも十分に腸内細菌を交換できるだろう。
もちろん、たとえトイレで手を洗っても完ぺきに手の細菌を除菌できるわけはないので、その後に誰かと握手したり、触れあったりすれば、それでも腸内細菌の交換ができるはずだ。
ハンバーガーやポテトを手づかみで食べるとき、その前に触ったドアの取っ手、誰かの服、テレビのリモコンなど、様々なモノから付着した細菌もいっしょに食べていることになる。
わたしたちは、思いのほか多様な細菌に触れあえる機会に恵まれていると言えるだろう。
健康的な腸内フローラを作り上げるために
わたしたちは普段の生活の中で多様な細菌に触れあえるとはいえ、ひと昔前よりは確実に腸内細菌を交換できる機会は減っている。
そこで多種多様な腸内細菌を獲得するためにオススメの方法を紹介しよう。
①積極的にいろんな人と親交を深める。(いきなりハグしたり「お会いできて光栄です」と手の甲にキスするのもいい!)
②街中で公衆トイレを見かけたら、とりあえず中に入って深呼吸する。(いろんな公衆便所でレア細菌をゲットしよう!)
③誰かと握手したら、その後隠れてその手のひらを舐める。(憧れのアイドルとの握手なんて最高だ!)
デューク大学のチンパンジーの研究を人間に応用するとしたら、こういった行為が有効ということになるだろう。
…行う場合は自己責任でお願いしたい!
細菌は汚くない
最近は家具や文房具など、触れるもの全部に抗菌コートをしてある場合が多い。
赤ちゃんの頃にある程度、雑多な細菌と触れ合わないと、身体の抵抗をうまく獲得できずに、細菌や感染症に弱くなってしまうという話を聞いたことがある。たぶん、綺麗な腸内フローラを獲得できないといった理由もあるのかもしれない。
なんでもかんでも除菌!除菌!…そんな生活こそが、むしろ不健康に思えてしまう。
細菌と触れ合うという生活が、人間にとってとても自然なことなのではないだろうか。
人間と触れ合うことは、つまり細菌と触れ合うことなのだ。そしてそれが、健全な腸内フローラを形成する最高の手段なのかもしれない。
まあ、私は人との交流が苦手なので、誰かと握手した後の手を舐めるよりも、部屋で孤独にヨーグルトでも食べることを選ぶが…。
関連記事:オリゴ糖の便秘改善効果がスゴイ!30年以上続いた便秘が治った話。