超巨大な台風19号が接近している。
中心気圧が915hPaということは、とんでもないレベルの暴風雨が想定される。
その台風の進路を見ると、福島県の原子力発電あたりをガッツリ通過するじゃあないか!
先日の台風では千葉県で大規模な停電や建物の倒壊が発生したばかり。
それよりも強力な台風が福島原発を通って大丈夫なのだろうか?
「台風 福島原発」
なんてGoogle検索しても有益な情報はほとんど出てこない。
テレビのニュースでもめっきり福島原子力発電所のトピックは取り上げられなくなってしまった。不自然なほどに。
いろいろと調べた結果、唯一、台風と原発について言及されている資料が見つかったので紹介したい。
それは東京電力の「福島第一原子力発電所 特定原子力施設に係る実施計画」の中にあった。
まず結論を簡潔にまとめると、以下の2点になる。
①台風で原子力発電の建屋、機能が喪失することはない。
②放射能汚染水の水位上昇はあるが、系外に流出することはない。
1.4.1 台風・豪雨について
高レベルの放射性汚染水を滞留・貯留している原子炉建屋,タービン建屋,廃棄物処理建屋,コントロール建屋,プロセス主建屋(除染装置を同建屋内に設置),サイトバンカ(第三セシウム吸着装置を同建屋内に設置),高温焼却炉建屋(第二セシウム吸着装置を同建屋内に設置),焼却工作建屋(セシウム吸着装置を同建屋内に設置),運用補助共用施設共用プール棟(非常用ディーゼル発電機を同建屋内に設置)等の既設の諸建屋は,過去の観測記録を保守的に設定している建築基準法の暴風時の荷重を考慮している。
以上より,台風・豪雨により建屋,機器の機能が喪失することはないが,地下階に滞留している高レベルの放射性汚染水(滞留水)については,滞留水の水位の上昇が懸念される。
気象庁 HP,気象庁観測データ(図 1.4-1参照)より,降水量 3000mm/年(平年値)を超える地域は,東海地方,紀伊半島,四国,九州及び北陸地方等となっており,国内の最大降水量は,852mm/日(高知県魚梁瀬,2011.7.19),2452mm/月(三重県宮川,2011.9)である。
一方,福島第一原子力発電所の周辺の観測データとしては,降水量の平年値は 2000mm 以下であり,最大降水量も285mm/日(福島県浪江,1996.9.22),634mm/月(福島県浪江,2006.10)となっている。
そこで,保守的に 1 日に 1000mm の降雨を想定した1~4号機建屋水位の評価を行ったところ(降雨による影響を評価するため,降雨による建屋水位上昇の寄与率を過去の実績から算定),保安規定に定める水位レベル(T.P.2,064mm)を超えるものの,系外流出リスクの水位レベル(T.P.2,564mm)以下の T.P.2,311mm に留まると予測される(図 1.4-2参照)。
以上より,保守的な豪雨を想定しても,滞留水を系外に流出することはないと考える。
つまり東京電力の見解的には「福島の原子力発電所はは台風が来ても安全ですよ~」といっている。
これは過去の観測記録を保守的に設定している結果だとか。
まあ、常識的に考えて「ヤバいかもしれませんが、たぶん大丈夫」なんて口が裂けてもいえないだろうけど。
普通の台風なら大丈夫かもしれないけど、超大規模の台風でも大丈夫なのだろうか??
心配。
大型で猛烈な台風19号が12~13日に西日本から東日本に上陸し、暴風や大雨、高波、高潮の恐れが出ているのを受け、廃炉が進む東電福島第1原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の作業現場では、資機材をブルーシートで覆って縛り飛散防止を図るなど、暴風対策に乗り出した。
大型のクレーンはアームを折りたたむとしている。海水中に含まれる放射性物質を監視する、海水のサンプリング作業などについては「台風の進路を見定めたうえで対応を決めたい」(福島広報部)と、警戒感を強めている。
参照元:東電福島第1原発でも警戒強める 台風19号接近(産経新聞)
調べてみると、産経新聞が台風と原発についてちょっと記事にしていた。
ブルーシートをかけたりや重機をしまう、そんな対策を必死に行っているという。
日刊ゲンダイでは東京電力の広報担当の言葉が紹介されていた。
「汚染水をためるタンクは台風の強い風でも転倒の恐れがないことを確認しています。
敷地内のケーブルやホースなどは飛散防止策を取り、コンテナなどについても(しっかりと)固定されているかどうかを再確認しています。
クレーンは(風の影響を避けるために)たたみ、雨水が建屋に流入しないようパトロールなどを行う予定です」(東電広報担当者)
東京電力のやり方が間違っているのか、正しいのかはわからない。
だけど、福島原発で廃炉作業を頑張っている人たちに対する感謝を忘れないためにも、もっといろんなメディアが原発について取り上げるべきだと思う。
東京電力・廃炉ブログをAmebaブログでやったり、
東京電力・廃炉Twitterで日々、作業経過や作業員のコメントなどを情報発信したり、
東京電力・廃炉インスタグラムで、インスタ映えする廃炉作業の画像をアップしたり、
そんな風にして、東京電力側も積極的に情報発信して欲しいですね。