2050年に人類は滅亡する!!
…と聞いたらどう思うだろうか?
「ああ、またわけのわからない予言か。当たるわけないよ。まったくお騒がせだぜ!」
と思うに違いない。
しかし、2050年に人類に訪れる危機は、そんなわけのわからない予言の類ではない。
オーストラリアのシンクタンク(超頭のいい人たち集団)が予測した、実現確率の高い未来のシナリオだ。
原因は気候変動による地球環境の悪化。
人類が滅亡するとまではいかなくても、2050年頃には人類が生存するのに相当厳しい状態になっていそうだ。
「いやいや、そんなことないでしょ!?」
と思うかもしれないが、最近もその証拠となるような異常事態が次々と発生している。
フランスでは観測史上最高の気温45.1度が観測され、ヨーロッパ全体が異常な気温になっている。
参照記事:フランスで45.1度を記録、観測史上最高 欧州の熱波続く(CNN)
インドでは猛烈な暑さのため、100人以上の人たちが死亡した。
参照記事:インド、熱波の死者100人超す 温暖化進めば生存の限界に到達も(CNN)
カリフォルニア沿岸部であまりにも暑すぎる気候の影響からか、岩場のムール貝が加熱調理後の状態になってしまったという。
参照記事:ムール貝、異常な熱波で自然調理されてしまう(ニューズウィーク)
2019年でこの状態なら、さらに温暖化が進んでいるであろう2050年にはいったい何が起こっているのか…。
フランスの気温が50度を超え、インドでは数万人が熱波で死亡し、カリフォルニアの海岸には茹で上がった魚たちが何万匹も打ち上げられてるかもしれない。
…現在の地球の環境を見ると。そんなバカげた想像をしてしまうくらいの状況になっている。
では、オーストラリアのシンクタンクは、2050年の地球をどう見ているのだろうか?
オーストラリアのシンクタンクが発表した最悪のシナリオ
報告書のシナリオによると、人為的な温室効果ガスの排出量が2030年まで増え続け、2030年までに気温が1.6度上昇する。
温室効果ガスの排出量は2030年をピークに減少するものの、炭素循環フィードバックやアイス・アルベド・フィードバックなど、気候プロセス上の要因も加わり、2050年までに気温が3度上昇する。1.5度の気温上昇で西南極氷床が融解し、2度の気温上昇でグリーンランド氷床が融解する。
気温が2.5度上昇すると、永久凍土が広範囲にわたって消失し、アマゾン熱帯雨林は干ばつに見舞われて立ち枯れる。ジェット気流が不安定となることで、アジアや西アフリカの季節風にも影響が及び、北米は熱波や干ばつ、森林火災など、異常気象の被害を受ける。陸地面積の30%以上で乾燥化がすすみ、南アフリカ、地中海南岸、西アジア、中東、米国南西部、豪州内陸部で砂漠化が深刻となる。
参照元:2050年人類滅亡!? 豪シンクタンクの衝撃的な未来予測(ニューズウィーク)
人為的な温室効果ガスの排出により地球全体が温暖化。その影響で氷が解けたり、気候が大幅に変動したりしちゃう。
その影響に対して他人事と言える人は、少なくともこの地球上に一人もいないだろう。
現状のままだと、2050年には地球全体の気温が約3度上昇するという。
そうなるとどうなるか?
- 永久凍土が消失し、海面が急激に上昇する
- 海面上昇の結果、沿岸部の大都市が水没し、数億人が影響を受ける。日本では東京の東部や大阪沿岸部の大部分が水没。
- 熱帯雨林が干ばつに見舞われる
- 陸地面積の30%以上で砂漠化が深刻になる
- 人間が住めない環境が広がり、10億人以上が移住を余儀なくされる
- 20億人以上が水不足に見舞われる
- 亜熱帯地方での農業が崩壊し、世界中が食糧不足になる
A high-end 2050 scenario finds a world in social breakdown and outright chaos.
この2050年のハイエンドなシナリオによって、人間社会の崩壊、完全なるカオス(混乱)の訪れ、そんな未来が示唆された。
シンクタンクの研究者はそうコメントしている。
これはノストラダムスの大予言みたいな信ぴょう性のまったくない予言ではない。
リアルな話、今のままでは2050年に人類が滅ぶ可能性がある。
ぜんぜん悲観的な予測ではない現実的な予測であり、研究者は政府の未来予測は楽観的過ぎると警鐘を鳴らしている。
人類滅亡までいかなくても、とんでもなく過酷な世界が訪れそうだ。
清潔な飲み水が、全世界的に不足する。
自然界の魚や動物、植物が激減する。
食べ物も慢性的に不足し、昆虫食がメインになる。
気温が上昇し続け、夏に屋外にいることは死を意味する。
社会制度が崩壊する。もちろん年金なんてもらえないし、警察も十分な機能を果たせない。
過酷な環境、犯罪、暴力、飢餓、貧困…
2050年にはリアル北斗の拳の世界が訪れるわけだ。
そんな世界には住みたくない!!
研究者は今すぐにでも産業廃棄物をださないような産業システムを構築しなくては、この最悪の未来は回避できないとしている。
とはいえ、地球環境を守るために、私たち個人でもできることはあるはずだ。
温暖化対策で個人でもできること
では、私たちが普段の生活の中でできる「地球環境を守る活動」を紹介しよう。
- 自動車の利用を減らし、バスや電車を利用する
- 家電製品を省エネ効果の高いモノにする
- エアコンは冷やしすぎ、暖めすぎないようにする
- 家電製品の電源はこまめに切る
- 長時間使わない電化製品はコンセントを抜く
- 旬のものを食べる(季節外れの食材は収穫に余分なエネルギーを必要とする)
- 肉食を減らす(家畜を育てるにはたくさんの植物や水が必要)
- 節水を心がける
- スーパーにはエコバッグを持っていく
- ゴミの分別はしっかりとする
- 景気が良くなれば環境破壊は問題じゃない!というトランプ大統領のような政治家を選ばない
- 科学者になり地球環境を守る研究を行う
私たちにできることといったらこれくらい。
「地球温暖化の原因は二酸化炭素ではない。だから省エネなんて無意味!むしろ省エネをやることで余分なエネルギーが消費される!!」
なんて主張する研究者もいる。
もし本当に個人の省エネ活動ごときが地球全体にとってほぼ意味がなかったとしても…
それでも地球に住む人たち全員が環境に優しい生活を送ることができれば、地球環境も変わるはずだ。
あなたは2050年に何歳になっているだろうか?
そのとき、どんな世界に住んでいたいだろうか??
無駄だと諦めずに、まずは自分にできることから始めてみるのがいいんじゃないだろうか。