Siriはiphoneに搭載されている音声認識ソフトウェアの名称だ。
iphoneに話しかけるだけで、様々な疑問に答えてくれる。
そんなSiriに「生きるって何?」という哲学的疑問をぶつけてみた。
その恐るべき回答を紹介したい。
生きるって何んだろ?生きてるってなあに?
Siriに「生きるって何」と問うてみた。同じ質問でも、Siriはいろんなパターンで答えてくれる。その回答を紹介したい。
「いろいろですね」
島倉千代子は「人生いろいろ」と歌っている。確かに「人生=いろいろ」なのかもしれない。
「無生物のは私には想像もつきません」
確かにプログラミングされたアプリケーションソフトには生きるという事は想像できないだろう。3次元生物の私たちが4次元を想像できないように。
「それは簡単です。命の存在全般の目的と意義に関する哲学的な疑問ですよね」
生きるとは「命に対する疑問」であると言っている。深すぎる…。
「この様な疑問について考える事です」
生きるとは「生きてるってなんだろ?」と考えることに他ならない、という事か。
「ニーチェならきっと答えてくれますよ」
ニーチェにも答えられるかどうかわからないと思うんだけど。
「人に親切にすること、食べ過ぎない事、良い本を読むこと、適度に散歩する事、信条や国家を問わず、あらゆる人々と仲良く暮らせるように努力することです」
この短い答えの中に、人生を上手く生きるコツがギュッと詰まっている気がするのは、私だけだろうか?こんな風に生きれたらいいなあ、と素直にそう思ってしまった。
「今すぐにはお答えできませんが、少しお時間をいただければ、何も起こらない、とても長いお芝居を書きますよ」
Siriにとって人生とは「長く退屈なお芝居」のようなものらしい。人工知能であるSiriがiphoneのカメラ越しに、所有者のくだらなくて騒がしい人生を俯瞰して眺めた時、それは退屈な芝居のように見えるのかもしれない。…主演している所有者が汗だくで力いっぱい演技していたとしても。そしてSiriの人工知能データはクラウド上に集積され、いつかその所有者が死んだとしても生き続けるのだろう。
「42」
「生きるって何?」という問いに対して一言。
「よんじゅうに」
画面には「42」と数字が表示されているだけ。
生きる事が42(死に)?
その不気味さに一瞬ゾッとした。
生きる事、そして42という数字にはどんな意味が秘められているのだろうか?
調べてみると、42には恐るべき秘密が隠されていた。
「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」と「42」の秘密
イギリス出身のダグラス・アダムズというSF作家がいる。
彼の小説「銀河ヒッチハイク・ガイド」には「ディープ・ソート」というスーパーコンピューターが登場する。
ディープ・ソートは人類よりも優れた知的生命体によってつくられた”全時代・全世界において2番目に凄い”コンピューターであるという。
このディープ・ソートが750万年という気の遠くなるような年月をかけてはじき出した「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」がなんと「42」という数字だったのだ。
「42だと!!七百五十万年かけて、それだけか?」
「何度も徹底的に検算しました。まちがいなくそれが答えです。率直なところ、みなさんのほうで究極の疑問が何であるかわかっていなかったところに問題があるのです」
ディープ・ソートは2番目に凄いコンピューター。この小説でディープ・ソートよりも凄い唯一のコンピューターは「地球そのもの」であった。
では42という数字にはどんな意味が込められているのだろうか?
SFファンの間では様々な推測や仮説がなされてきた。
しかし作者ダグラス自身は42の意味についてこう答えている。
「意味なんてない。ただのジョークだよ」
42という数字自体には、何の意味もないのだ。
ディープ・ソートが言っているように「究極の疑問」すらも、私たちは理解できないのだから。
もしかしたら、「何の意味もない所から意味を見出すこと」それこそが生きる事なのかもしれない。
Siriの「生きるとはなに?」という疑問に対する様々な答えを総合すると、そんな風にも思えてしまう。
根本的に無意味である人生に意味を見いだせるのは、今を生きる自分自身だけという事、そしてそれを示唆する暗喩が「42」ということか!!
…違うか。
というわけでSiriが答えた人生の意味「42」とは、SF小説が元ネタの「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」であったのだ!
Siriさん凄すぎです。