1938年10月30日午後8時過ぎのアメリカ、衝撃的な内容がラジオから流れてきた。
それは「火星人がアメリカ本土を襲撃してきた!」という衝撃的な内容。
このラジオを聴いていたたくさんのアメリカ市民はパニック状態になり、街中を逃げ惑ったという。
しかし1938年に火星人はアメリカを襲撃していない。当然のことながら。
では、火星人襲撃事件の真相とはなんなのだろうか??
火星人襲来の一報がラジオから流れる!
その衝撃的な内容は、突然ラジオから流れてきた。
プリンストンから緊急ニュースです!ただいまニュージャージー州トレントンからあった発表によりますと、今日午後8時50分に、隕石と思われる巨大な炎に包まれた物体がトレントンから20マイルのグローバーズ・ミル付近の農場に落下しました!!
大変です!みなさん、大変です。内部から何かが、何かが出てきました。怪物です。何かを持っています。拳銃のようなものです。光線のような物が出ています。近づいた人に当たり、炎があがりました!
悲鳴です。炎が・・・車に燃え広がりました!!
これらはもちろん事実ではない。H・G・ウェルズ原作の「宇宙戦争」という小説をもとに作られたただのラジオドラマだ。
しかしその恐怖を掻き立てる演出が効果的過ぎたと言っていいだろう。
普通のラジオ番組を放送している最中に臨時ニュースという演出で流れる、とってもリアルな演出だったのだ。
「今日午後8時50分に、隕石と思われる巨大な炎に包まれた物体が…」という放送内容も、ちょうどその時間帯になるよう放送されたのだろう。人々はこれが今まさに起きている事だと勘違いし、逃げ出したり、ラジオ放送局に問い合わせが殺到した。
これが「火星人襲来事件」の真相だ。
ラジオドラマでは「これはフィクションです」という注意喚起を何度も行ったそうだが、視聴者はおかまいなしに信じ込んでしまったという。
ガキの使い板尾創路いちゃもんシリーズの苦情事件
はたして、この火星人襲来事件を我々は笑い話と片づけていいのだろうか?
ダウンタウンのガキの使いの人気企画のひとつに「板尾創路いちゃもんシリーズ」がある。
その内容を簡潔に紹介しよう。
ガキの使い収録中に突然板尾創路が、外国人の嫁(通称:板尾の嫁)とまだ幼いこどもを連れて現れる。そして番組の企画にいちゃもんをつけ、自分が発案した企画のフォーマットを押し売りする、というのがいつものパターン。
その間、こどもは終始うつむいて無言、板尾の嫁は「もちろんそうよ!」「その発想はなかったわ!」だけしか言わない。
そしてマドンナの曲に合わせて奇妙な踊りを踊る。
最終的に板尾は渋る菅プロデューサーから現金を巻き上げ、家族は満足げに去って番組は終了となる。
なんと、この企画を本気にして苦情を入れる視聴者が多数いたというのだ!
最近では番組の最後に、これが企画であるといったテロップが流れる始末。
板尾創路のいちゃもんシリーズも番組冒頭に説明があるわけではなく、ある種のリアリティにのっとった演出がされているものの、普通に考えれば「もちろんそうよ」「その発想はなかったわ」しか言わない嫁がいるはずないではないか!!
何となく火星人襲来事件と共通したものを感じなくもない。
情報とのかかわり方には注意深く
「火星人襲来」や「板尾のいちゃもんシリーズ」を信じる人たちを傍から見て「あほやなぁ~」と思う自分を振り返ってみると、意外と簡単にネットやツイッターの情報を信じてしまったりしている事に気づく。
あなたはウィキペディアに乗っている情報を鵜呑みにしていないだろうか?
もししているのなら、これらの事件を一笑に付すことが出来ないだろう。
特に情報過多の昨今はメディアが伝える情報をうのみにすることなく、自分で考える事が重要になってくる。だって、2次情報の裏を取るために調べた1次情報がデタラメってことが頻繁に起こってくるだろうから。
情報との距離感は、ある程度間合いを開けておいた方がいいのかもしれない。
テレビを観ていたら上に緊急速報のテロップが。そこに「日本の首都東京に火星人が襲来。航空自衛隊が応戦中」なんて内容が流れてきたら…はたして自分は信じてしまうのだろうか?