「ため息をつくと幸せが逃げる」
そんなことわざがある。
しかし最新の研究で、ため息にも様々なメリットがあることが分かった。
その結果から導き出される、幸せが逃げないため息とはどのようなものなのだろうか?
ため息の効果・効能とは?
「はぁ…」
こんなため息はネガティブな状況下で、自然と出てしまうもの。
「残念」「失望」「気苦労」「緊張からの解放」といった状況下で出る場合が多い。
では、なぜ自然とため息はついてしまうのか?
それはため息にちゃんとしたメリットがあるからだろう。
脳内では、ため息は神経活動を刺激し、行動の変化を伝え、呼吸の速さをリセットする役割がある。呼吸器系では、ため息は気道をきれいにし、肺が酸素を取り入れるのを助ける。ため息が多過ぎても少な過ぎても、神経疾患につながる場合がある、と科学者らは指摘する。
出展:ため息につながる脳の化学物質を特定―米研究チーム(ウォールストリートジャーナル)
ため息について、このような研究発表がなされた。
人間はストレス状態や緊張状態が続くと、無意識のうちに呼吸が浅くなってしまう。
呼吸が浅くなると、新鮮な空気が不足して、脳の機能が低下してしまうのだ。
その状態を改善するために、人間は自然とため息をつく。
ため息をつく前には通常の2倍ほども大きく息を吸わなければならないという。これにより、自然と浅くなっていた呼吸が改善され、脳に新鮮な酸素が届くのだ。
そんなため息の精神的効果をまとめよう。
- 副交感神経を優位にし、リラックス効果がある。
- 低下していた脳機能を正常に戻し、大脳皮質を活性化させる。
- ネガティブな感情を低下させ、前向きに気持ちを切り替える手助けをする。
ためしにため息をついてみるとわかるが、「はぁ~…」と息を吐く前に必ず通常よりも深く息を吸っている。
大きくジャンプするときにしゃがまなければいけないように、ため息をつくには深く息を吸わなければならない。そしてその深呼吸が、脳を活性化させて気持ちをリセットさせるのに効果的なのだ。
幸せを呼び込むため息、そのふたつのルール
「ため息をつくと幸せが逃げる」ということわざにも、確かに一理ある。
ため息をつくのは、落ち込んでいる時だったり、辛い時だったり、ストレスのかかっている状態。そんな状態のまま落ち込んだ気分が続いたら、確かに幸せが逃げてしまうだろう。
しかしストレスがかかっている時に自然とため息が出てしまうのは「気持ちをリセットして前に進むため」といっていい。
幸せをを呼び込むため息とは、ため息を”気持ちを切り替えるスイッチ”として使う事。ため息の後は、意識的にネガティブなことは忘れて、前向きに進まなければならないのだ。
ただ、ひとつ注意してほしいのがため息のつきすぎだ。
ため息をつきすぎると、交感神経や副交感神経を刺激しすぎて、逆にストレスになってしまう。何よりも周りの人間にとって不快だ。
「はぁ…あ~あ…」
「はぁぁ~~~…」
「はああ~~~!!!」
「はぁ!」
文章にするとカンフーの練習をしているように見えるが、全部れっきとしたため息だ。こんな風にため息をつきまくっている人間が周りにいたらどう思うだろうか?
「どうしたの?ため息なんかついてさ。なんかあったなら…相談に乗るよ!!」
なんていう奇特な人は恐らくいまい。
大多数の人間が、そのあからさまなため息の連続に「ウザっ!!!」と思うに違いない。
これはある意味で不快な感情を周りにまき散らしているのと同じ。
そうするとどうなるか?
まき散らした”不幸のオーラ”は必ず自分に返ってくる。そうして余計に自分が不幸になる。ネガティブな意味での”引き寄せの法則”が発動してしまうだろう。
まさに、ため息をついて幸せが逃げる状態だ。
そんな事にならないためにも、ため息で幸せを呼び込むための2つのルールを守って欲しい。
①ため息をスイッチにして気持ちを前向きに切り替える。
②ため息は自分一人だけのときにつく。
これらを徹底すれば、幸せを呼び込むため息をつくことが出来るだろう!