日本が誇る偉大なコメディアン志村けん氏が、新型コロナウイルスによって2020年3月29日に亡くなった。
志村けんという存在が日本に与えた影響は計り知れず、たとえば「最初はグー!!」の掛け声も志村けんが始めたのだとか。
「最初はグー、またまたグー、いかりやチョースケ、頭がパー、正義は勝つ、ジャンケンポンッ!!」
子どもの頃にこんな掛け声でジャンケンをした記憶があるが、確かに「いかりや長介」なんてでてくるし志村けんが考えたってのも納得。
そんな志村けんの偉大な功績のひとつに「死者の額につける三角のやつを衰退させた」ことがあるという。
これは志村けん追悼番組で紹介されていたのだけれど。
この三角の布は正式には天冠(てんかん)と呼ぶ、死者の死装束のひとつ。
なぜ天冠をつけるかというと…
- 魔よけのため
- 閻魔大王に会うのに失礼にならないようにする正装
- 亡くなった人の顔にかける白い布が変化した
- 身分の高い人であることを表現したもの
いろんな説があるものの、実のところはわかっていないみたい。
基本は仏教の概念で、神道ではつけないようだ。
この天冠は、いまではまったく使われていない。
その理由が志村けんなんだとか。
というもの、かつて志村けんが幽霊のコントで天冠を使いまくったのだ。
額に天冠をつけた志村けんがおばけに扮して爆笑のコント!!
…すると、いつのまにか天冠にコミカルなイメージが定着してしまったという。
老衰で大往生した、厳しくて怖かった祖父。
その厳粛な葬式で、棺桶の扉をパカッっと開けると…
三角の布を額に巻いた青白い祖父の顔が!!
…たしかに、笑ってしまうかもしれない。
人生で最初のトラウマは志村けんだった話
わたしが物心ついてから初めてのトラウマ的恐怖体験は、志村けんだった。
まあ、よく憶えてはいないのだけれど。
「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ」のホラー仕立てのコントで「無数の人形が襲ってくる」というシーンがあった。
子ども心にそりゃあもう恐ろしくて!!
それ以来、なんとなく人形ってものに言い知れぬ不気味さを抱えて生きている。
子どもに一生残るようなトラウマを与え、「天冠」というひとつの文化を衰退させるほどの影響力を持っていた志村けん。
未だに亡くなったことが信じられない。
ご冥福をお祈りいたします。