UFOマニアなら一度は見たことがある超有名な動画が「宇宙人解剖フィルム」だ。
墜落したUFOから回収された奇妙な宇宙人。
その死体を白衣を着た医師が解剖しているという、グロくて奇妙なフィルム。
はたしてこの宇宙人はホンモノなのだろうか?
その真相や、このフィルムを撮影した人物、撮影の経緯を詳しく紹介しよう。
宇宙人解剖フィルム・サクセスストーリー!!
1947年7月にニューメキシコ州ロズウェルにUFOが墜落するという驚くべき事件が発生!
落下地点には米軍が出動し、非常線が張られ、UFOの残骸や宇宙人の死体は軍が回収された。
その後「落下したのは気球型の気象観測装置であり、UFOではない」と公式に発表する。
この超有名な「ロズウェルUFO墜落事件」が宇宙人解剖フィルム・ストーリーの始まりとなる。
UFOが墜落したのと時を同じくして、ジャック・バーネットというプロのカメラマンに奇妙な仕事が舞い込む。
なんとバーネットはアメリカ軍から墜落したUFOの撮影を依頼されたのだ。
彼は現場に急行し、そこで宇宙人の死体を撮影する。
そして撮影後も米軍の施設に滞在して撮影を続けた。
その流れの中で、テキサス州ダラスのフォートワース基地内で行われた宇宙人の死体解剖を撮影することとなる。
これが後に「宇宙人解剖フィルム」となり、世界を震撼させることになるわけだ。
宇宙人解剖フィルムでは中央の手術台のようなところに、宇宙人の死体が寝かされているシーンから始まる。
まず全身を丁寧に撮影するカメラマンのバーネット。
宇宙人は完全に死んでいて、右足に大きなけがをしているようだ。
しばらくすると、白衣を着た2人の医師が解剖を始める。
宇宙人の眼球には黒いフィルムの様なものがあり、それをめくると中から不気味な眼球があらわれた!!
切り裂かれた内臓。
微妙にピンボケしていて画質も悪く、なんだか作り物のように見えるが、恐らく気のせいだろう。
最終的に宇宙人は頭蓋を開かれ、脳みそっぽいものまで取り出されてしまう。
解剖室の隣にはもうひとつ、解剖を観察するオペレーション・ルームのような部屋が。
ガラスで区切られたいて、そこにも白衣の人物がおり、解剖を観察している。
…とにかく気持ち悪いッ!!
撮影された驚くべき映像の一部はバーネットによって米軍へと送られた。
が、その一部はバーネットの手元に残ることとなった。
もちろん、これらの撮影フィルムはトップシークレットのはずだ。
だが軍はどれだけ待ってもそのフィルムを取りに来なかったし、ワシントンの軍関係者にコンタクトをとっても何のアクションもなかったという。
そうしていわゆる「宇宙人解剖フィルム」は、バーネットという軍とは関係のないカメラマンの元に保管され、長い年月が過ぎた…。
この宇宙人解剖フィルムが日の目を見るのは、45年経過した1992年のこと。
イギリスの映像プロデューサーであるサンティリという人物が、ロックンロールの創始者のひとりであるエルビス・プレスリーの映像を探しにアメリカに渡った。
そこでサンティリがコンタクトをとったエルビスの貴重なフィルムを所有していた老人、それが82歳になったジャック・バーネットその人であったのだ!!
「なあ、あんた。ロックンロールもいいけど、宇宙人に興味はないかね?」
そこで老バーネットが重々しく取り出したのが、例の宇宙人解剖フィルム。
”絶対に提供者を明かさない”という条件のもと、宇宙人解剖フィルムはバーネットからサンティリの手元に移ったわけだ。(口の軽いサンティリはジャック・バーネットという名前を言っちゃうんだけど)
この「宇宙人解剖フィルム」が世の中に知れ渡るのは、それからさらに3年後になる。
それは1995年のこと。
イギリスのとあるテレビ番組に、レグ・プレスリーというミュージシャンが出演していた。
彼はオカルトやUFOが大好きなミュージシャン。いわばイギリス版大槻ケンヂといっていいだろう。
その番組にもオカルト系の怪しげな話をするために呼ばれていた。
レグが番組の中で「宇宙人が解剖されているグロい映像を観たことがあるんだ!」なんて軽い気持ちでコメントすると…
それが話題を呼び、宇宙人解剖フィルムが世に出るきっかけになったのだ。
レグ・プレウィナー氏。残念ながら2013年に71歳で死去している。
フィルムの持ち主であるプロデューサーのサンティリは、この話題に乗じて一儲けしようと画策。
1995年の5月5日にロンドン博物館で宇宙人解剖フィルム・プレミア試写会が行われた。
なんというプレミアな試写会なのだろうか…。
この試写会にはテレビ番組のプロデューサーやら雑誌の記者やら、UFOの研究者やら、そんな人たちが大勢集められた。(が、ほとんどのUFO研究者はこのフィルムをニセモノだと判断したという)
そしてプレミア試写会で販売されたフィルムは、1995年8月28日に全世界に同時公開されることとなる。
日本ではフジテレビがフィルムを購入し、公開から半年後の1996年2月2日に「宇宙人は本当に解剖されていた!」という番組で放送された。
その後も、この宇宙人解剖フィルムにスポットを当てた特番が何本か放送されている。
こうして1947年に撮影された宇宙人解剖フィルムは、世界で、そして日本でも広く知れ渡るようになったわけだ。
宇宙人解剖フィルムが本物である根拠
宇宙人解剖フィルムはホンモノである根拠を紹介しよう。
撮影にかかる費用が莫大
まず、見ればわかる通り、とても宇宙人解剖フィルムはとてもリアルな画像だ。CG技術のない時代にこれほど精巧な特撮動画をつくるとなると1億円以上はかかるという。
労力をかけてこんな動画を撮影して、はたしてそれ以上儲かると考えるだろうか?
それとも趣味で撮影したとでもいうのか?
費用とリターンを考えると、フェイク映像だとしたらあまりに無意味。だからこそ、これはリアルガチな本物なのではないだろうか。
解剖医の施術がリアル
テレビ番組ではあまりにもグロすぎるので、解剖の一部始終が放送されたわけではない。
しかしその画像のすべてを見た医学の専門家によれば、その解剖の手順や作法が、”もし謎の生命体を解剖することになったら”と仮定した場合にとても合理的で理にかなっていたという。
もしフィルムに登場する解剖医が俳優か何かだったとしたら、かなり綿密に計算された演技ということになる。
フィルムの鑑定で本物と断定されている
宇宙人解剖フィルムは最初に紹介したように、1947年に撮影されている。
今のように画像データをハードディスクに保存しているわけではなく、この宇宙人解剖フィルムはコダック社製のフィルムで撮影されている。
コダック社がこのフィルムを鑑定したところ、1947年に撮影されたフィルムであることが判明したのだ。
…とまあ、代表的な”本物である根拠”はこんなところ。
では次に、「宇宙人解剖フィルムなんて作り物だ!!」という意見の根拠を紹介しよう。
宇宙人解剖フィルムが嘘の作り物である根拠
製作費1億円の嘘
この精巧な宇宙人フィルムを作成するには、もろもろあわせて1億円はかかる!!
そんな話がどこから湧いてきたのかはわからないが、それはちょっと言いすぎ。
1995年の撮影技術であれば、1億円なんてかからずにこのくらいのレベルの動画は撮影できる。
特撮の専門家が見積もったところ、このフィルムは材料費で5~60万円。人件費やフィルム代などを含めても、せいぜい5~600万円程度で作成できるという結果になったという。
解剖医の挙動に隠された嘘
宇宙人解剖フィルムでは解剖医が、ハサミの輪に”親指”と”人差し指”を入れて使っている。
が、本物の医者であれば親指と中指を入れ、人差し指は刃の部分を固定させるために使う。
プロがこんなハサミの使い方をするのはあり得ない。
「解剖の手順がリアル」なんてのは完全に嘘であり、この解剖医はニセモノの可能性が高い。
コダック社鑑定の嘘
「このフィルムは1947年に撮影されており、コダック社がフィルムを鑑定していて、1947年に撮影したものであると断定された」
…ということになっているが、実際はコダック社でフィルム鑑定は行われていなかった。
フィルム所有者のサンティリは「宇宙人が写っているフィルム部分は高価なので鑑定には出せない」と、違う部分のフィルムを鑑定に出したという。
それだけでも信用が低くなるってのに、鑑定そのものがしっかり行われたのかも怪しい。
このフィルムが1947年に撮影されたという可能性はかなり低いといっていいだろう。
さらに言えば、白黒フィルムが使われていたことも不自然。
確かに1947年当時は、米軍でもまだ記録用に白黒フィルムが使われていた。
しかし同時にカラーフィルムも使われていたし、重要な記録案件なら必ずカラーフィルムを使ったことだろう。
それが極秘プロジェクトであり、しかも宇宙人の解剖なんて内容なら、なおのことカラーフィルムを使ったはずだ。
こんな白黒フィルムだったら、この宇宙人は緑色のなのかグレイなのかもわからないじゃないか!
重要なシーンでピンボケする
宇宙人の解剖でなぜ動画を撮影するのか?
それはもちろん、映像として正確に記録するため。
そしてそれを今後の研究に生かすためだ。
だけどこの宇宙人解剖フィルムでは、肝心なシーンになるとピンボケしちゃう。
宇宙人の身体が切開され、内蔵があらわになる瞬間。
宇宙人の頭が切り開かれ脳みその様なものが取り出される瞬間。
こういった決定的瞬間に、宇宙人解剖フィルムでは必ずピンボケする。
「これ以上近づいてクリアに撮影したらニセモノってばれちゃうよ!」
そんな声が聞こえてきそうだ。
これが正真正銘、本物のプロカメラマンの手によるものなら、そのカメラマンはプロ失格といっていいだろう。
解剖医がカメラマンを無視している
先ほど申し上げた通り、この宇宙人解剖フィルムは「貴重な資料」として撮影されている。
だとしたら、解剖医は逐一カメラマンに指示を出し「ここ撮っておいてね」と記録に残しておく必要があるだろう。
だけどこのフィルムでは解剖医はただ黙々と解剖を進めており、カメラマンはその周りをウロウロとうろつきながら撮影しているだけ。
カメラマンもプロ失格だが、これでは解剖医の方もプロ失格といっていいだろう。
そもそも従軍カメラマンが撮影していないという嘘
最初に申し上げた通り、この宇宙人解剖フィルムはジャック・バーネットというプロ・カメラマンが撮影たとされている。
しかし本来であれば、米軍のどの基地にでも専属の従軍カメラマンがいる。
軍事施設で宇宙人の解剖が行われるとなったら、必ず従軍カメラマンが撮影をするだろう。
民間のカメラマンが撮影をするなんてあり得ない。
それが軍の極秘プロジェクトならなおのことだ。
さらに不自然なのが、ジャック・バーネットが撮影した宇宙人解剖フィルムを米軍がそのまま放置していたということ。
もしそれが本物なら、絶対にすべてのフィルムをバーネットから奪っただろうし、そもそもバーネットの手にフィルムが渡ることもなかったであろう。
- 宇宙人解剖の記録を民間のカメラマンに任せた。
- 撮影後のフィルムをそのまま放置していた。
この2点はあまりにも不自然すぎる!!
しかもジャック・バーネットという人物の存在そのものすらもアヤシイ。
バーネットには映像プロデューサーのサンティリしか会ったことがない。
さらに調べてみると、確かにジャック・バーネットというカメラマンは実在したが、1995年にはすでに亡くなっていたという。
ジャック・バーネットにまつわるストーリー、宇宙人解剖フィルムの内容、そのすべてがサンティリが仕組んだことなのではないだろうか。
宇宙人解剖フィルムの嘘まとめ
宇宙人解剖フィルムの胡散臭い個所はたくさんあって、とてもじゃないが書ききれない。
なので今回は、代表的な疑惑だけを厳選して紹介した。
結論を言ってしまえば、宇宙人解剖フィルムはフェイク映像である可能性が極めて高い!!
…しかし、冷静になってもう一度考えてみよう。
紹介した数々の疑惑はあくまでも”可能性”であって、宇宙人解剖フィルムがニセモノである決定的な証拠にはなっていない。
「宇宙人解剖フィルムを撮影した!」なんて名乗り出ている人物もいるが、それだって嘘かもしれない。
フラットで公正な目でもう一度、宇宙人解剖フィルムの宇宙人のご尊顔を確認して欲しい。
本物だ!!
リアルガチのエイリアンじゃないか!!
こ、こわいよ~~!!!