「自分事化」という単語を使うやつは圧倒的に気持ち悪い。
なぜか?
「自分事化」とはビジネスシーンで使われる意識高い系のワードで、その意味をシンプルに表すなら「当事者位置を持つ」ってこと。
専門用語や難しい単語を使わないと自分の考えを相手に伝えられない人間は馬鹿である、そう昔から言われている。
「自分事化」という単語を使うだけで、否応なく自分の知能の低さ、バカさ加減が相手に伝わってしまうだろう。
にもかかわらず「自分はスマートで出来る人間です」といったすまし顔で言うのだから、そりゃあ気持ち悪い。
実力や実績がある会社の社長が部下に対して言うのならまだわかる。(もちろん頭の回る社長なら”自分事化”なんて使わないだろう)
しかし何の実力もない人間が口先だけで「自分事化」なんて言葉を使っても空回りしちゃう。
自分事化なんて言葉がふさわしいのは胡散臭いコンサルだけだ。
というわけで、自分事化という言葉の中には頭の悪さ、高いプライド、虚栄心、そんなものが見え隠れし、相手を気持ち悪がらせてしまうわけだ。
「自分事化」を連呼する相手と仕事の打ち合わせをしたら…
ある日、妻がオンラインで初対面の相手と仕事の打ち合わせをすることになった。
その相手はまだ若く、恐らくこういった打ち合わせははじめてではないかと思っちゃうくらいたどたどしい口調だったという。
説明もイマイチ要領を得ないし、不要な確認事項も多い。
そんな彼が何度も言っていたのが「自分事化」という言葉。
「自分事化って…」
と妻は笑っていた。
とにかく会話に無駄なことが多く、まったく要領を得なかったという。用意していた資料も、日本語的におかしな部分が多数。
「新入社員なのかな、しょうがないけど」
結局、何の実りもないままに打ち合わせは終了。
後日上司であろう人がとてもわかりやすく実務的なメールをくれ、あっという間に仕事の打ち合わせは終わった。
それから少しだけ私たちの中で「自分事化」というワードが流行した。
「それってちゃんと自分事化したの?」
「自分事化して考えると、やっぱ眠いから寝るわ」
「尿意を自分事化したから、トイレ行ってくる」
「ちゃんと自分事化して食べたいものを選びなよ」(ファミレスのメニューを見ている相手に対して)
なんてことだ!
生活の様々なシーンで「自分事化」が会話に潤いを与えてくれる!!
使い方、間違ってるかな。
まあ、いいけど。
自分事化、けっこう使える言葉かもしれない。