「親からの相続でまとまったお金が入ってきたし、資産運用?よくわかんないけど、株とか買ってみようかな~」
と思っている方には是非とも知っておいて欲しい事実がある。
それは、株式投資の初心者は絶対に大手の証券会社を使ってはいけないってこと。
具体的な名前は上げられないけど、バンバンCMを流しているような証券会社や、街角に大きな支店を構えているような証券会社はすべて、初心者にはオススメできない。
証券会社に働いている人は絶対に言えない、その理由をお伝えしよう。
証券会社は顧客に回転売買を強いて利益を上げている!!
証券会社が株売買の委託手数料を稼ぐため顧客に株を短期間で買い替えさせる「回転売買」が横行し、証券取引等監視委員会が警戒を強めている。
顧客は外国株の取引で損失を出す高齢者が目立ち、監視委は昨年10月に準大手証券会社に業務の改善を要請した。
今後、証券各社への立ち入り検査を強化する。
参照元:株「回転売買」横行…手数料総額6400万円も(読売オンライン)
すべての証券会社というわけではないけれど、一部の証券会社は何も知らない顧客に頻繁な株取引を迫り、莫大な手数料を稼いでいるという。
その主なターゲットになるのは、投資の事やネットの知識があまりない老人たち。
上記の記事では、74歳の女性が証券会社の社員から株取引の勧誘を受け、短期間でたっくさんの売買を行った。その結果、総額6400万円もの手数料を支払った挙句、利益はほぼ出ていなかったという。
これじゃあ、悪質な詐欺集団と一緒だ!!
しかも厄介なのは、この証券会社の悪質な勧誘は、しっかりと法令の範囲内で行われているところにある。
リスクのある金融商品を顧客に買わせるとき、証券会社の社員は小さな文字がいっぱい書かれた約款や規約などの重要書類を渡して「これを確認してください」という。
だれもそんなの隅から隅まで読むわけがない。
もちろんパンフレットを見ながら投資商品の説明もするし、リスクがあるってこともサラッと言う。
だけどそのリスクがどれほどのものか、手数料はどれくらいで、利益が上がる見込みがあるのかはほとんど説明しない。
電話での勧誘や取引を行う場合も、確かに法令違反にならないようにちゃんと事務的な説明する。だけど株取引きの初心者も、高齢者も、それをしっかりと理解することは難しい。
それであとで文句を言えば電話の通話録音を聞かせて「ちゃんと説明していますし、しっかりとあなた自身が了承しているじゃあないですか」とくるわけだ。
証券会社はちゃんと法律を守りながら、その範囲内でお金を持っていて知識のない客の資産をかすめ取っている!!
…もちろん、すべての証券会社がそうであるわけではないし、中には真っ当に顧客の資産を運用しているところもあるのだろうけれどね。
大手証券会社で資産運用しても利益が上がらない理由
大手証券会社を使って株や投資信託などを運用しても、利益を上げるのはとても難しいだろう。
もちろん、可能性はゼロではないけれど、確率はだいぶ低くなる。
その理由は割高な手数料にある。
大手の証券会社は株式の売買手数料が平気で1%以上かかる。
例えば100万円の株を購入したら、別途手数料が1万円かかるってこと。
「1%って、それほど高くないんじゃ?」
そう思うかもしれないが、実際にはまったく違う。
売りと買いのそれぞれに1万円かかるので、100万円の株が102万円に値上がりしたタイミングで売っても、売却にも約1万円の手数料がかかるので利益があがらない。
株が103万円になって、やっと1万円の利益が上がる計算になる。
株式が2%以上値上がりしないと利益にならないなんて、そんな条件で投資して資産を増やすのは無理ゲーに近い。
投資の世界は年間で資産が2%増えれば御の字の世界だからだ。
もちろん、長期投資で保有すれば利益を上げることもできるかもしれない。だけどその確率が下がるのは確かだ。
安全に資産運用を始める方法
では、どうすれば比較的安全に資産運用できるのか?
方法を紹介しよう。
①手数料が割安な証券会社を使う
安全に株取引を始めるには、手数料が割安なネットの証券会社を使うのがオススメ。
ネット証券であれば、100万円の取引で手数料が1,000円以下のところだってある。
手数料が安ければ安いほど、売買で利益を上げやすい。
ネット証券会社は支店もないし、すべての取引をネットで行う必要がある。
取引を始めるには、ある程度は投資の勉強をしたり、パソコンの知識が必要になるだろう。
だけどその分、土地代や人件費がかからないので、取引手数料も格安になる。担当からの強引な勧誘もない。
「ネット証券」で検索すればいろいろでてくるので、気に入った証券会社に口座開設して始めてみよう。
②投資の勉強をする
株や債券、投資信託の勉強をして、自分の判断で投資をするのも大切。
しっかりと知識を身に付ければ、大手証券会社がどれだけ横暴なことをやっているのか、どれだけめちゃくちゃな投資信託を売りつけているのかも理解できる。
資産を自分の判断で運用するのはもちろん、他人にお任せする場合でも、ある程度は投資の勉強をしておく必要があるだろう。
③他人に勧められる株や金融商品は絶対に買わない
証券会社が勧めてくる株や新しい投資信託は、絶対に買ってはいけない。
証券会社の社員がそれを勧めてくるのは、ノルマがあるからであり、証券会社の利益に繋がるからだ。
しっかりとリスクの説明をしていれば、買った後に資産が増えようが減ろうが、証券会社側に責任はない。証券会社の主な目的は取引手数料なのを知っておく必要がある。
絶対に儲かる投資なんてあるわけないし、もしそんなものがこの世に存在するのなら、証券会社は自分の資産のすべてをそこにぶっこむだろう。
「大手証券会社に口座開設して資産運用するのはいいとしても、そこの社員が勧めてくるものには絶対に手を出してはいけない」
これをおぼえておくだけでも、ずいぶんと資産を守れるはずだ。
④投資をしない
個人的には、「投資をしない」というのも資産を守るための有効な選択肢だと思っている。
投資にはリスクがつきものだし、そのリスクを理解するには、しっかりと知識を身に着けなければならない。
しかもどれだけ勉強したとしても利益を上げられるわけではないし、むしろ資産が減ってしまう可能性だってある。
世の中は「貯金は投資しろ!」という風潮になっているけど、資産運用に興味がなかったり、勉強が面倒であるのなら「投資せずに貯金した方が絶対に良い!!」のではないだろうか。
(「投資をしない」=「円に投資している」ってことになるわけだけど、それだってわけのわからない株や外貨建て債券や投資信託を買うよりはるかにマシだ)
大手証券会社で損をしないための注意点
大手証券会社は初心者にはオススメできない。
手数料が割高で資産は増えないし、投資知識ないために営業の社員に高額の金融商品を買わされてしまう可能性もある。
でも、だからといって中級者にもオススメできないし、投資の上級者であれば大手証券会社なんてわざわざ選ぶ必要もないだろう。
恐らく、金融資産が最低でも1億円くらいないと、大手証券会社を利用するメリットは感じられないと思う。
ますます高齢化社会になってくる日本では、証券会社も「高齢者の資産」からどれだけ利益を上げられるのかを巧妙に考えてくるだろう。
高齢者向けの投資信託なんかも増えていくはずだ。
「誰でも知っている有名な会社だから安心」
と思ってはいけない。
自分の資産を守るためにも、安易に高額の投資をしてはいけないだろう。
たとえば大手証券会社を使うにしても、まずは少額を大手証券会社に運用を任せてみる。
そうして100万円が110万円になったら運用額を200万円にアップさせる、というような感じで少しずつ運用資産を増やしていくことがオススメ。
恐らくほとんどの大手証券会社は、顧客の資産を10%増やすことすらできないだろうが。
そしてもし、資産が10%増えたとしても、自分の資産のすべてを投資に回してはいけない。
せいぜい3割くらいだ妥当だ。
1000万円の貯金があるのなら、300万円くらい。
どれだけ証券会社の社員が勧誘してきても、そこだけは守る必要がある。
大手証券会社の安全に使うポイントをまとめてみよう。
①小額から始め、証券会社の運用がうまくいったときだけ、資産を追加する。
②投資資産は全体の3割程度にする。
このふたつをしっかりと厳守すれば、大手証券会社で大損するリスクも減るはずだ。
…それにしても、このご時世では証券会社もそこで働く社員たちも相当ツライはずだ。
すべての大手証券会社が悪質というわけではないし、そこで働いている社員も優秀で頭のいい人たちばかり。
ただ、証券会社の社員は精神的にタフでないと務まらない。
ちゃんと投資や経済の知識を勉強している社員たちは、自分たちが販売している金融商品のリスクを正確に理解している。
だからこそ、それを他人に、とくに収入の限定された高齢者に勧めるべきではないと思っている生真面目な人も多い。
ノルマとか上司からのプレッシャーなんかもキツいけど、この「顧客のためにならないものを無理やり売っている」という行為はめちゃくちゃな精神的ストレスになる。
そのため、うつ病になって辞めてしまう証券会社の営業も多いのだとか。
今後の大手証券会社は、企業が上場するのをお手伝いしたり、個人向け国債を売るだけにして、その他のすべてはネットに移行した方がいいんじゃないだろうか…。