地震予測で有名な村井俊治氏とNTTドコモが協力して、より精度の高い地震予測に取り組むことがわかった。
なぜNTTドコモ?
その内容が「Mr.サンデー首都直下地震予測SP」で紹介されていた。
奇跡のコラボレーションで、どの様な取り組みがなされるのだろうか?
村井俊治氏の電子基準点を使った地震予測方法
村井俊治氏が代表を務めるJESEA(地震科学探査機構)の地震予測は、国土地理院が全国に設置した電子基準点がカギとなっている。
国土地理院は地殻変動を観測するため、日本全国に約1300か所も電子基準点を設置している。この電子基準点はGPSからの電波を受信し、ミリ単位で情報発信しているのだ。
村井氏はもともとGPSを使った測量工学の専門家なのだが、ある時地震の前兆として電子基準点の位置情報に歪みやズレが観測されるという事実を発見する。そしてこれを研究することで地震予測を行っているのだ。
しかしこの国土地理院が設置した電子基準点には、ひとつだけ難点があった。
それは発表される電子基準点の位置情報が1日の平均値だということ。
地震の前兆となる地盤の歪みは、1日の平均値ではどうしても不十分なのだ。
2013年のJESEA設立以降、日本で観測された震度5以上の地震は30回あった。その中で事前に注意喚起情報を出せなかったのは4回だという。(逆に言えば、26回は事前に注意喚起出来ていたという事になる)
この事前に注意喚起できなかった4回をなくし、地震予知の精度を上げるためには、国土地理院が設置した電子基準点をしのぐ詳細なデータが必要なのだ。
NTTドコモが電子基準点の設置する!
そこで名乗りを上げたのがNTTドコモだ。
JESEAとNTTドコモが共同で、地震予測専用のオリジナル電子基準点を設置する取り組みを始めた。
2016年中には、NTTドコモが全国に16か所も電子基準点を設置するという。
これによりデータの精度が向上すれば、より正確に地震発生地域や期間を予測できるかもしれない。
「地震予測って実は苦しいんですよ。当たらなかったらどうする…苦しい所から逃げない」
村井氏のこの言葉にNTTドコモの担当者が感動し、地震観測に協力しようという事になったという。
しかしその裏には大企業のしたたかな目的が見える。
今のところ村井氏の提唱する電子基準点を利用した地震予測は、学会や地震専門家にはいっさい認められていない。この取り組みによって、もし電子基準点を使った地震予測の正確性が実証されたとしたら、地震予測業界のすべてをNTTドコモが牛耳ることが出来るかもしれない。
正確な地震予測は、日本中の防災関連企業や地震保険、地震予報などへの情報提供で膨大なマネーを産むのではないだろうか。
確かにギャンブル的な投資ではあるが、もし精度の高い地震予測が出来るとしたら、地震大国に住む我々日本人も大いなる恩恵を受けることが出来るはずだ。
村井氏の最新地震予測
では最後に番組で紹介された、村井氏の最新地震予測内容を紹介しよう。
今後震度5以上の地震が発生する可能性が高い地域は…
- 東北・関東の太平洋岸および奥羽山脈周辺
- 南関東地方
- 南海・東南海地方
- 北信越地方・岐阜県
つまり、太平洋側は北海道と九州以外は全域で危険ってこと。
特に危険なのは北信越地方・岐阜県だという。
いま日本で最も危険な断層のひとつに「糸魚川-静岡構造線断層」がある。この断層が走るのが、ちょうど「北信越地方・岐阜県」だ。この村井氏の予測は、地震科学的にも納得がいくものだろう。
まとめ
NTTドコモの協力で、これから随時、日本全国に地震予測専用の電子基準点が設置されていく。
これらを利用したリアルタイム地震予測サービスなんかを、NTTドコモが始めるのも遠い未来ではないだろう。
村井俊治氏の地震予測では、震度5以上の地震を30回中26回も事前に注意喚起できたという。しかし、だからといって、村井氏の地震予測の的中率が高いとは限らない。26回の注意喚起の裏にはたくさんの「注意喚起したけど起こらなかった地震」があるからだ。
しかしながら、微細な地盤の動きが地震の前兆現象として発生するのは確かなような気がする。
なんにせよ、この取り組みが日本の地震予測技術を発展させるのは確かだろう。NTTドコモとJESEA(地震科学探査機構)のコラボレーションで地震予測精度がさらに高まることに期待したいッ!!