もしも…もしも明日、突然に全人類がひとり残らず滅びるような事態が起きるとしたら、もっとも可能性の高い原因は何だろうか?
恐竜を滅ぼした隕石衝突?
宇宙人の襲来?
超巨大地震?
地球温暖化による気候変動?
人工知能の暴走?
ポールシフトによる地磁気の逆転?
ひょっとしたらそれは、超巨大噴火かもしれない。
最新の研究によると、人類滅亡の危険性があるほどの凄まじい巨大噴火が、今まで考えられてきたよりも遥かに高い確率で起きる可能性があるという。
超巨大噴火が起きるとき、人類になす術はあるのだろうか?
現在の地球は超巨大噴火の危険期間に入っている!?
まずは2017年の超巨大噴火に関するAFPの記事を紹介したい。
文明を消滅させるほど大規模な火山の「超巨大噴火」が最後に起きたのは今から約2万5000年前とされているが、この種の噴火は平均で1万7000年ごとに発生するとの最新の推算結果が29日、発表された。
地球惑星科学の専門誌「Earth and Planetary Science Letters」に掲載された研究論文によると、超巨大噴火は5万年~70万年ごとに発生するとこれまで考えられていたという。
論文主執筆者のジョナサン・ルジェ(Jonathan Rougier)氏はAFPの取材に、超巨大噴火の発生頻度に関する最新の推算で定められた推定値の範囲は5000年~4万8000年で、最良推定値として平均1万7000年に1回という結果が得られたと語った。
おすすめ記事:火山の「超巨大噴火」、従来説より高い頻度で発生か 研究(AFPBB)
この記事で言うところの「超巨大噴火」とは、噴出物が1兆トン以上の噴火を指している。
直近で超巨大噴火が起きたのは、25,000年前のニュージーランド、タウポ火山の噴火だ。
今まではタウポ火山のような超巨大噴火は5万年~70万年ごとに発生するとこれまで考えられていた。
「ということは…タウポ火山の噴火が25,000年前だし、あと2万年くらいは超巨大噴火なんて起こらないよね!!」
そう思われてきたが、最新の研究によると人類滅亡必至の超巨大噴火は5,200年~48,000年に1度発生しており、平均では17,000年に1度の頻度で発生しているという。
え~っと、直近の超巨大噴火が25,000年前だから…
とっくに17,000年過ぎてるじゃないか!!
もちろんこれは、過去の歴史から計算した平均的な発生頻度でしかない。
ひょっとしたら、あと何万年も超巨大噴火なんて起きないかもしれない。
いつ超巨大噴火がおきるかわからないけれど、現在の地球がいつ超巨大噴火が起こってもおかしくない危険期間に突入していることは間違いないだろう。
超巨大噴火が起きたら人類はどうなってしまうのか?
万が一、超巨大噴火が発生した場合、地球は、そして人類はどうなってしまうのだろうか?
どこの火山が噴火するのかはわからないが、もし噴火した場合は、その大陸が丸ごとマグマに覆われてしまう可能性がある。
マグマや噴石によっても近隣地域に大災害が発生するが、それよりも大きな問題は噴出物による気候の変動だ。
おそらく超巨大噴火によって吹き上げられた火山灰は成層圏まで到達し、太陽光を遮断してしまうだろう。かつてトバ火山で巨大な破局噴火が発生した時は、6年もの間日光が遮断され、地球の気温は5度も低下したという。そうして当時の人類は9割が死亡し、北半球のすべての動植物のうち75%が死滅したのだ。
今、超巨大噴火が起きた場合、トバ火山の噴火と同等か、それ以上の大災害が発生する可能性がある。
では、超巨大噴火が発生するかもしれない火山はどこなのだろうか?
オススメ記事:地球最強の7つの超巨大火山(スーパーボルケーノ)のひとつが日本に!破局噴火の脅威とは!?
次に超巨大噴火が起きるのはどこ?
最近では日本でも火山活動が活性化しているし、ハワイのキラウエア火山も噴火したし、東南アジアの火山群も活発に噴火を繰り返している。
環太平洋造山帯を中心に、地球全体の火山活動が活性化しているような印象を受ける。
もし、次に超巨大噴火が起きるとしたら、どこが危険なのだろうか?
まず第一に、アメリカはワイオミング州にあるイエローストーン火山が考えられる。
イエローストーン火山は歴史上何度も超巨大噴火を起こしていて、イエローストーン国立公園の地下深くでは、現在進行形でマグマが溜まっているという。
その溜まったマグマの量はなんと9,000km3!!
これが一気に噴き出したら、アメリカは即座に滅亡し、地球人類も壊滅の危機に瀕するだろう。
トバ火山インドネシアはスマトラ島にあるトバ火山も危険だ。
7万4000年前のトバ火山の超巨大噴火は過去2500万年で最大規模であった。最近インドネシアでは火山活動が活性化しているし、地下深くに大量のマグマが溜まっている可能性もある。
イタリアのナポリにあるカンピ・フレグレイ(燃える平原)の地下にある超巨大火山も危険だ。
2016年に発表された論文によると、カンピ・フレグレイの火山は500年の休止期間を終えて再び活性化している可能性があるという。
ニュージーランドにあるタウポ火山も危険だし、日本にも薩摩硫黄島の海底に巨大な火山がある。最近、九州地方で地震が多いのは、地下のマグマ溜まりが臨界に達しつつある影響の可能性だってある。
イタリアの火山が噴火しても、アメリカの火山が噴火しても、それは遠い国の大災害で、対岸の火事ということではない。恐らく地球のどこで超巨大噴火が発生したとしても、日本人は一人残らず壊滅してしまう可能性があるだろう。
超巨大噴火は事前に予知できるのか?
噴火は火山の地下にマグマが溜まっていき、それが臨界点を超えて爆発することで発生する。
噴火の直前には近隣の地域で地震が頻発するし、超巨大噴火だって事前に予測できるだろう。
そ、そう思うかもしれないけれど、噴火の事前予測は未だに困難だ。
2014年の御岳山噴火も、事前に若干の異常は観測されたものの、それが噴火につながるとはだれも考えていなかった。
よく噴火が起きる桜島では、今までのデータや観測機器によって、噴火の直前にある程度の予測はできるようになっている。
しかし超巨大噴火に関して言えば、事前の予測はめちゃくちゃ難しいだろう。
ある日突然、世界のどこかの火山が大噴火し、地球環境が激変してしまう可能性もゼロではないのだ。
超巨大噴火が発生したら対策はあるのか?
では、人類が超巨大噴火に直面した場合、はたして対策はあるのだろうか?
隕石が衝突しそうになったら、核爆弾を搭載した宇宙船をぶつけることで軌道を逸らせるかもしれない。
宇宙人が襲来してきたとしても、人類が一丸となって「地球防衛軍」を組織し、あらゆる技術の粋を集めた最終兵器で撃退できるかもしれない。
超巨大地震が発生したとしても、確かに甚大な被害は被るかもしれないが、人類が即座に滅びることはないだろう。
地球温暖化による気候変動も、二酸化炭素の排出を一切行わない技術や、人工的にオゾン層を形成する技術が開発されるかもしれない。
人工知能が暴走してターミネーターが大量生産されたとしても、人類は武器を手に取って戦い続けるだろう。
ポールシフトによる地磁気の逆転も、人類は何度も乗り越えている。たとえ宇宙線の影響で電子機器が一切使えなくなったとしても、人類はしぶとく生き残るだろう。
では、超巨大噴火は?
…近未来の科学技術をどれだけ楽観的に見積もっても、恐らく有効な対策は確立できないだろう。
人類は滅亡するか、滅亡しなかったとしても人工は10分の1以下になり、文明は紀元前まで逆戻りするはず。
お、恐ろしすぎる!!
では最後に、この研究発表に関する楽観的な解釈を。
「人類滅亡レベルの超巨大噴火が起きる平均的な期間は17,000年」という研究結果を発表したチームは、過去10万年の大噴火のデータを分析して”17,000年”という数値を導き出したという。
10万年という期間は、地球の歴史から見ると超短期間だ。
巨大噴火が定期的に繰り返して発生するとは限らないし、たった10万年程度の噴火データでは正確な予測は殆ど不可能だろう。
それに超巨大地震であればある程度の備えは重要だけど、超巨大噴火は地球がぶっ壊れるレベルなので備えをしておくのも困難。
超巨大噴火に悩むのは専門家にお任せして、「自分が生きている内には噴火しないだろ~!」と楽観的にお気楽に生きるのが大切なのではないだろうか。
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