1日クタクタになるまで働いて帰ってきたあなたは、玄関先でたまらずに、靴の中で蒸れた靴下を脱ぎすてる。
すると足の指と指の間に、ス~っと爽やかな風が通り抜け、その後に心から思う。
(ああ、やっと今日が終わった…)
あとはもう、自由な時間だ。
何をしたっていい。
まず、何をする?
とりあえずあなたは、目の前にある脱ぎたてホカホカの靴下を恐る恐る鼻先へ持ってくるだろう。
「うおっ!くせぇ!!」
思わず声が出る。
臭い。
臭すぎる。
だけど、なぜだろうか?
もう一度臭い靴下を嗅ぎたい…。
「くせ~~っ!!たまらん!!」
だけど、もう一度。
もう一度だけ…。
このような靴下の臭い依存症の人は、男性にも、そしてもちろん女性にも、意外といる。
だけど気をつけて欲しい。
靴下の臭いを嗅ぎ過ぎると病気になるかもしれない!!
今回は靴下の臭いを嗅ぐことの危険性を紹介したい。
靴下の臭いを嗅ぐ危険な理由
イギリスのデイリーメールで紹介された記事によると、中国人の男性が靴下の臭いを嗅ぎ過ぎて病院に入院することになったという。
男性は中国は福建省に住んでいて、年齢は37歳。
咳や胸の痛みを訴えて病院に行ったところ、肺真菌症であることが判明!
しかもその原因は、毎日嗅いでいた靴下にあったというのだから驚きだ。
でもなぜ、ただ靴下を嗅いだだけで、肺真菌症になってしまったのか?
その秘密は、彼の家庭事情にあった。
赤ちゃんが生まれたばかりの彼は、日々赤ちゃんの世話に追われ、慢性的な睡眠不足の状態になっていたとか。
そのおかげで免疫機能が低下し、靴下に付着していた真菌が肺に侵入して肺真菌症になってしまったという。
ちなみに日本呼吸器学会のホームページに記載されている肺真菌症の説明がこちら。
カビの仲間を総称して真菌と呼びます。肺真菌症は真菌を吸い込むことによって発病する感染症です。皮膚の水虫は白癬菌(はくせんきん)によって起こる「表在性真菌症」で、肺や脳などに起こる病気は「深在性真菌症」といいます。真菌の種類は様々で、カンジダやアスペルギルス、クリプトコッカス、ムコールなど、種類により病変が異なります。
足に存在する真菌といえば、考えられるのは水虫だ。
水虫は白癬菌という真菌が皮膚の中で繁殖して強力な痒みを引き起こしたり、皮が剥がれたりする。
剥がれた皮膚のかけらにも白癬菌はいるし、それが家庭内での水虫感染の原因になる。
おそらく1日履いた靴下にも活きのいい白癬菌がたくさんついていて、スゥ~っと臭いを嗅ぐときに、肺の中まで入ってしまったのかもしれない。
だけど、白癬菌が原因で肺真菌症になるケースというのはあまり聞かない。
それよりも靴下に付着していた土や泥、枯れ葉などに付着していたほかの真菌が肺の中に入ってしまった可能性の方が高いかもしれない。
ともあれ、靴下には真菌が付着している可能性があり、肺の奥まで臭いを吸い込むのは危険なのだッ!!
靴下と同じくらい危険なハト
平和の象徴であり、公園で表情の欠けた目で「ぽっぽ~」と近づいてくるハト。
実はアイツも、靴下と同じくらい危険。
というのも、ハトはクリプトコックス属の真菌を保有している確率が高いから。
そのため、ハトのフンが乾燥して風化して風に乗って吸い込んでしまうと、クリプトコックス症(肺真菌症)になってしまう可能性がある。
健康であれば問題ないけれども、寝不足が続いていたり、疲れがたまっていたりで、免疫機能が下がっている気がしたら、ハトには近づかない方がいいだろう。
とくに免疫機能の低下している老人は、ハトが原因の肺真菌症になってしまうリスクが高いので注意が必要だ。
靴下の臭いを嗅ぐクセを止める方法
密かに靴下の臭いを嗅ぐのを楽しみにしていた人はガッカリかもしれないが、靴下の臭いを嗅ぐのは今すぐ止めた方がいい。
健康であればまったく問題ないのだけれど、何らかの理由で免疫機能が低下していたら肺真菌症になってしまうかもしれない。
それにしても、なぜ臭い靴下を嗅いでしまうのだろう?
最近はどこもかしこも清潔になって、”臭いを嗅ぐ”という機会がめっきり減ってしまった。
そのため、嗅覚が無意識に刺激を求めて強烈な靴下の臭いを嗅いでしまうとか。(恐らく1日中臭いところで過ごしている人は、わざわざ靴下の臭いを嗅がないだろう)
だとしたら、わざわざ靴下の臭いを嗅ぐのではなく、香水やアロマセラピーなんかで嗅覚に刺激を与える方が1万倍マシだろう。
靴下の臭いを嗅ぐクセがあるのなら、そのかわりになるような、安全で強めの香りを嗅ぐのがオススメだ!!