IQ(知能指数)の高い人物は、やはり天才科学者や数学者、独裁者やマッドサイエンティストといった職業に就くイメージがある。
アインシュタイン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、なども凄まじいIQだったという。
そんな比類なく高いIQを生かして研究や発明をするわけではなく「人生相談」をするという天才がいる。
彼女の名前はマリリン・ボス・サバント。
彼女はIQテストのひとつスタンフォードビネー検査でIQ228をたたき出した、人類の中でもっとも高いIQを持っているとされる女性だ。
彼女はアメリカで「マリリンにおまかせ」というコラム連載を持っていたのだが…。
マリリンさんの人生相談「マリリンにおまかせ」
天才的頭脳でもって人生相談をするマリリンさんの事は以前テレビで紹介されていた。
その的確な人生相談への回答は、ただの正論にとどまらず優しさとユーモア、そして知性に溢れたものになっている。
その人生相談を紹介しよう。
ドライブ中にイヤホンで音楽を聴いていたら母親に注意されたんだけど?
「ドライブ中にイヤホンで音楽を聴いていたら母親に注意されたました。クラクションやサイレンの音が聞こえないからって。でも。ラジオを大音量で聴いても同じじゃないかな?」
「お母さんの言う事が正しいわ。
イヤホンで音楽を聴くと耳は音楽に集中するわ。
でもラジオを大音量で聴いていても外の音は聞こえるでしょう。
大音量のラジオも安全じゃないけど ましだわ。
もしあなたが本当にイヤホンもラジオも同じだと思っているならイヤホンで聴こうとはしないでしょう?
あなたはハッキリと別物だって思っているのよ。
いずれにせよ普通にドライブしているときでも目や耳に無関係な刺激を受けると運転技術が落ちるのよ」
なんでだれかにマッサージされると、自分で揉むより気持ちいいんだろう?
「マッサージ師に足を揉んでもらうと気持ち良いのに自分で揉んでも全然気持ちよくない!!何故ですか?」
「自分自身をくすぐっても くすぐったくないのと同じよ。
人間の身体は四六時中刺激を受けているから自分自身が与える刺激は弱く感じるように脳が進化したの。
両親が子どもをぶって「お前よりもぶつ方が痛いんだ」っていう時は、もちろん心の痛みについて言ってるんだけど、実際の「肉体的な痛み」は親よりも子どもの方が大きいのよ。
親の手が感じる痛みは弱められているのだから。
誰かに触れるなら その前に思い出すべきことね」
2012年に世界は滅ぶの?不安だよ~
「2012年に世界が滅ぶというマヤの予言があります。それだけじゃなくて、NASAは2012年に太陽活動が活発になるって発表してるし、世界中で火山活動が活発になっているみたい。温暖化で南極の氷が解けたり、核戦争が起こるかもしれない!とっても不安です。いつかはわたしだって死に事はわかってるけど…。マリリンさんはどうおもいますか?」
「テレビを消すか、科学の勉強をもっとした方が良いわね。
扇情的な情報だけに踊らされてはダメよ。
確かにあたなが心配する出来事の中にも事実がある、だけどそれは心配するほどの事でもないわ。
人類は250万年も地球上を走り回ってきたんだし、そんな大変動がいっぺんに2012年に起こるなんてこと無いと思うわよ」
全米が大混乱&批判殺到となった「モンティホール問題」
的確な回答で人気の「マリリンにおまかせ」なわけだけど、そんな史上最高のIQを持つマリリンさんのもとにいつものようにある質問が届けられた。
それに対して気軽に答えたマリリンさん。
その答えがまさか全米を大混乱に陥れてしまうことも知らずに…。
届けられた問題はモンティ・ホールという司会者によるバラエティ番組、その最後に行われるクイズコーナーに関する質問だった。
プレーヤーの前に閉じた3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。
プレーヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。
プレーヤーが1つのドアを選択した後、司会のモンティが残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。
ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更してもよいと言われる。
プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?
この問題に対してマリリンさんは「ドアを変えた方が新車が貰える確率はあがるよ」と答えた。
この回答に対し「そんなわけあるか!!確率は3分の1で変わらないだろ!!!」
と、全米中の視聴者や高名な数学者までもが声を上げ、批判の投書が殺到したとか。
これにビックリしたのが安易に回答したマリリンさん。
(いや、普通に考えて変えた方が確率上がるだろ…)
と困惑したに違いない。
一般市民だけならまだしも、頭のいいはずの多くの学者までもが間違っているということに驚き、その後何度も自分の意見が正しいことを説明する。
しかし、どんなに丁寧に説明しても理解してもらうのは難しかったのだとか。
ここではモンティホール問題の詳細については語らないけど、もちろんマリリンさんの方が正しかった。
やはり天才というのは一般人とは遥かに違うのが明確にわかる事件であった。
(ちなみにモンティホール問題について詳しく知りたいのであれば、検索すれば詳細な説明がいっぱい出てくるので確認してみてください)
マリリンさんの心に沁みる名言
マリリンさんの人生相談は名言の宝庫かもしれない。そんな名言を紹介しよう。
- 成功は、自分の欠点を取り除くのではなく、強みを伸ばすことで得られるものだ
- 何かをする前に、頭脳と心が別のことを告げるとするなら、貴方は自分が、頭脳と心のどちらが優れているか、先ず決めなければならない。
- いいアイディアは、貴方を午前中は目覚めさせるが、素晴らしいアイディアは、夜中も貴方を目覚めたままにさせる。
- 教育期間が重要なのでなく、その広がりが重要だ。また、人生の長さよりは、その深さがより重要だ。
- 「知識」を身につけるためには勉強しなければならない。しかし、「知恵」を身につけるためには観察しなければならない。
- 「してやられる」のは一過性のこと。でも「あきらめたら」永久になってしまう。
マリリン・ボス・サバントさんが体現する天才的な人生の回答
「人が幸せに生きるには?」
「有意義な人生を送るには?」
人生相談の天才が、自分の人生を考えた結果、その最適な人生の過ごし方は人生相談であったと。
大金持ちになるでもなく、学者になるでもなく、政治家になるでもなく、ただ人生相談をする。
マリリンさんの人生相談の回答は興味深いものばかりだけど、一番興味深いのは自分自身のライフワークが「人生相談」に帰結した事ではないだろうか?
しかし日本にもマリリンさんに勝るとも劣らない世界最強の人生相談師がいるのを忘れてはならない。
疑う余地なく日本最強!北方謙三氏の人生相談!
日本人で最も優れた人生相談師は、まず間違いなくハードボイルド作家北方謙三氏ではないだろうか。
彼がホットドックプレス誌上で連載していた伝説的人生相談コーナー「試みの地平線」は、青少年たちに多大な影響を与えた。
どれだけの数の青年が彼の言葉に救われたかわからないだろう。
幸運なことに、この人生相談をまとめた書籍を我々は購入することが出来る。
帯の文言に注目して欲しい。
「うじうじ悩むな、小僧ども。ソープへ行け!」
…ハードボイルド!!
作品紹介にはこうある。
人生のあらゆる局面で効く伝説の青春相談「試みの地平線」16年395回の連載から傑作問答を厳選した文庫オリジナル版!司馬遼太郎賞受賞
文句のあるやつは前に出ろ!これが無敵のハードボイルド処方箋!!
童貞なんてものは濡れたシャツみたいなもんだ。早く脱いでしまえ!
一芸に秀でよ。黙っていても女はたかってくる。
死にたい……と思っても、本を50冊読むまでは死ぬな!
俺は自分で自分の口を糊することもできない、惨めな不良だったのだよ。
俺の口髭は、愛撫の時の具体的な武器なのである。
手に職をつけると、1日いくらぐらい稼げるか知っているか?
男には決して行き着くことのない地平線が必要なのだ。
どんな相談だろうが「ソープへ行け!」と一刀両断。
自分の性格や生まれつきの素養はどうやったってなかなか変えられるもんじゃない。
だけど「行動」は目に見える形として変えられる。
自分を変えるにはまず行動を変える必要があるのだ。
つまりそれが「ソープへ行け!」
行動を変える。そして知らない世界を知って価値観を変える。
20年前だろうが、今だろうが、変わらない真理がそこにあるのだ!