パナウェーブ研究所と白装束の集団を知っているだろうか?
今から10年以上前の2003年頃に謎の集団ということでワイドショーを連日賑わした団体だ。
その正体はいわゆる新興宗教団体のひとつ。
懐かしきパナウェーブ研究所と、そこに単身突撃していった体当たり芸人江頭2:50の口から語られた当時の様子をレポートしたい。
パナウェーブ研究所とは?
当時はまだオウム真理教が地下鉄サリン事件を起こす前ということもあり、新興宗教団体というものが世間にあまり認知されていなかった。
だから白装束の集団が話題になった時も、危険視されていたというより、「おかしなやつらがいるな~」という感じだった。
(逆に言うとオウム事件以降完全に「新興宗教団体=怪しい・危険」という考えが日本人の共通認識になってしまったともいえる)
このパナウェーブ研究所は千乃代表という教祖を中心とした「千乃正法会」の一部門。
教団員は全員が頭からつま先まで真っ白の服を身にまとっている。
なんで白装束かというと、スカラー電磁波を防ぐためなんだとか。
この宗教団体は「共産主義者がスカラー電磁波で日本攻撃している!」いった、まるで統合失調症の妄言のような頭の痛くなる主張をしていたわけだ。
スカラー電磁波の謎
スカラー電磁波とはなんなのだろうか??
どうやらスカラー波というのは”テスラ波”と同じものらしい。
そしてこのテスラ波を発見したのが、オカルト業界ではその名を知らぬ者はいない稲妻博士こと「二コラ・テスラ」である。
スカラー電磁波(テスラ波)がなんなのかというと、電磁波の一種ではあるが実際よくわからない。
というか、本当に存在しているのかも不明だ。
とんでもなく人体に悪影響がある為、気になる方は日常的に白い服を着るといいだろう。
まあ、スカラー電磁波について深く知る必要はないし、知るべきでもないのかもしれない。
江頭2:50VSパナウェーブ研究所!!
江頭氏は飛行機で、パナウェーブ研究所の本拠地のある福岡県に飛んだ。
もちろんプライベートで。
福岡に着くとレンタカーを借り、目的地まで山道をずーっと上がる。
すると突然白い要塞みたいなのが現れる。
それがパナウェーブ研究所だ。
その入り口には公安と地元警察、市役所の人間がいたという。
警察に侵入を止められる江頭。
「あっ!エガちゃん。どうしたんですか?」
「千乃代表に会いに来たんだよ」
「えっ!ちよ、ちょっと待ってください。パナウェーブの広報呼んできますから」
と。
パナウェーブには広報がいるらしい。
そして広報がエガちゃんのところにきて一言。
「あ!江頭さん。僕、大ファンなんですよ!」
流石は江頭2:50、その影響力は留まる事を知らない。
千乃代表に会いに来たというと、代表は今病気になってるとのこと。
「いや、それは知ってるよ。だから、病気を治す踊りを持ってきたんだよ!」
「まってください!いやそれはわかりますけど、ダメなんです。それにそのジャージはスカラー波を通します」
そう言われて一旦、素直に帰る江頭。
しかし江頭は一枚上手だった。
パナウェーブ研究所の人間と同じ、真っ白の服を自作で用意していたのだ。
パナウェーブ研究所を出て白いレンタカーに戻ると、白装束に着替える。
そうしてパナウェーブ研究所の人間がそうしていたように、奇妙な渦巻き型の自作シールを100枚、レンタカーにべったべたと貼り付ける。
そして再度パナウェーブ研究所に行くと、入り口の公安や警察が、ホンモノと勘違いしてあっさり通してくれたのだった。
そして千乃代表が載っているであろうワゴン車に近づくエガちゃん。
するとやっぱり広報に見つかる。
「ダメだよ!そんな服じゃ!エガちゃん!!」
江頭は暴走!
白装束を脱ぎ捨て、”白い”スパッツ姿になると、ワゴン車に突撃した!
江頭に掴みかかり、必死に止める広報。
「うちの千乃はね、お笑いとエログロが大っ嫌いなんだよ。もっこりが大っ嫌いなんだよ!」と叫ぶ。
お笑いとエログロともっこり、つまり江頭の存在意義の否定。
キレた江頭は叫ぶ!
「千乃ーッ!!俺の踊りを見てくれ――ッ!!」
「すからーハッ!」
「ぱなうぇぇブッ!!」
と踊り出すエガちゃん。
その騒ぎを聞きつけ、施設から信者がわらわらと現れる。
そしてついに公安は江頭の正体に気づいた!
公安にも取り押さえられ、結局千乃代表に会えなかった江頭2:50であった。
エガちゃんの凄いとことは、このパナウェーブ研究所がどれくらい危険なのか?未確定の時点で突入するところにある。
パナウェーブ研究所は危険な集団ではなかったから大丈夫だったけど、本当に危険な集団ならどうなっていたことか…。
サイアクそのまま山奥に埋められる可能性だってあるのだ。
ちなみにこのパナウェーブ研究所は病を患っていた千乃代表が亡くなったことで自然消滅した。
そしてワイドショーも取り上げなくなり、いつしかお茶の間から忘れ去られていった。
この事件の顛末を見るだけでも、江頭2:50という男の優秀さがヒシヒシと伝わってくる。
どこにでも潜入調査可能な日本最強の工作員、江頭2:50。次はどこに潜入し、我々をあっと驚かせてくれるのだろうか?
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