最新の研究によると、どうやら幸せを感じる力には個人差があるようだ。
京都大の研究グループが幸福感を感じることと、脳のある部分との相関関係についての研究発表を行った。
その研究内容と共に、生まれつき個人差のある「幸せを感じるチカラ」のトレーニング法を紹介しよう。
幸せは脳の楔前部の大きさが鍵?
幸福を強く感じる人ほど右脳の特定部位が大きいことを、京都大医学研究科の佐藤弥准教授らが突き止めた。幸福感と脳の構造の相関を解明したのは初めて。英科学誌に20日発表した。
参照元:京都新聞 大きいほど幸福感?脳の部位 京大、世界初の相関解明
幸せを感じるチカラの強い人は、右脳にある「楔前部(けつぜんぶ)」という部位が大きいらしい。
自分の人生の幸不幸にとって一番大切なのが、恋人でも友達でもお金でも南の島への旅行でもなく、右脳にあるたかだか数センチほどの部位なのだからなんだか不思議だ。
もし生まれつきこの楔前部が小さかったとしたら、幸せを感じずらくなってしまうのではないだろうか。それってきっと、人生を損してるってことに他ならない。
はたしてこの楔前部を大きくすることは出来るのだろうか?
幸せを感じるトレーニング
かつて、頭の右半分を拳銃の暴発で吹っ飛ばされた少年が、右脳を失っていながらも奇跡的に生きているという話を聞いたことがある。その少年はホントに右半分の頭がへっこんでいて、右脳がない状態なのだ。
彼の脳を詳しく調べると、失った右脳の働きを、残った左脳が補っているという事がわかった。もちろん、とても例外的で奇跡的なことではあるらしいのだが…。
ここでわかるのは、脳というのは無限の可能性を秘めているということ。だとすれば、何らかのトレーニングで楔前部の働きを強化することも可能ではないだろうか?
楔前部に効くかどうかはわからないが、「幸せを感じるトレーニング」をすることで、幸福感を感じやすくすることはできるようだ。
ある心理実験で被験者に「楽しい映像」と「悲しい映像」をランダムで何枚もみせたところ、元々楽観的な性格の人は「楽しい映像」が記憶に残り、悲観的な人は「悲しい映像」が心に残っていたという。
楽観的であるのか、それとも悲観的であるのかは遺伝子的に決まっている部分も大いにあるという。しかし、遺伝子的に決まっているからといって、諦めるのは早計だ。人間の脳みそは無限の可能性を秘めている。
先ほどの被験者の中でも特に悲観的な人に「楽しい映像」に注目するようにトレーニングしたところ、約8か月のトレーニングで悲観的性格の改善がみられたのだ。物事の良い部分に注目する脳力がついたということ。
つまり、幸福への感受性がアップしたという事になる。
この楽しいことに注目するトレーニングを日常的に行う事で、幸せになることができるのではないだろうか?
有名なラーメン屋のラーメンがイマイチの味だったとしても「まあ、チャーシューは美味しかったかな」と思う。
職場で嫌いな上司がいたとしても「実はああ見えて愛妻家なんだよな」と思う。
実験で失敗が続いたとしても「この方法はダメであることがわかっただけで、失敗ではない」と思う。
好きな人にフラれたとしても「きっともっと自分に合ったステキな人がいるよね♡」と思う。
自分の顔を鏡で見てうんざりしても「耳は…けっこう福耳かも」と思う。
宝くじでハズレたとしても「宝くじ収益金の約40%は公共事業に使われるんだよね。ああ、よかった!」と思う。
歩いている最中に靴ひもが切れたとしても不吉と思わずに「ここが踏切の真ん中だったら…明らかに死んでいた!命拾いしたぜ」と思う。
目の前を不吉な黒猫が横切ったとしても「あーっネコだぁ!かわいいーっ!!おいっこっちおいで!お~いネコ~」と思う。
…冷静に考えると現実逃避じみた苦行に見えるかもしれない。しかし、この思考パターンを癖付けることで、幸福感への感受性がアップするのだ。
ひょっとしたら「物事の良い部分に注目するトレーニング」は楔前部の働きを強化する効果がある…のかもしれない。
きっと皮肉屋で、物事の斜に構えてしか見れない人よりも、余程幸せを感じることが出来るだろう。是非とも実践してみて欲しい!!