1970年代にワイン業界が急成長したきっかけ、その秘密は”ワインの格付け”という新しい概念の登場だったという。
ロバート・パーカーJrがワインを100点満点で採点する格付けを始めた。
ワインの格付けによって生産者たちはより良いワインの製造に精を出し、消費者たちはわかりやすいワインの美味しさの基準を手に入れたわけだ。
…しかし、人間の知覚はとんでもなく曖昧で、ワイン格付けの点数もほとんど適当なのだとか。
まったく同じワインを5本評価してもらう実験では、高価と思いこんだワインを飲むことで脳の快楽を司る部分が活性化した。
「味」という近くは、そのものが舌に与える味覚刺激だけではなく、香りはもちろん、思い込み、期待感、先入観、その場の雰囲気などで驚くほど変わるという。
その時点での体調はもちろん、喫煙しているか、睡眠時間、年齢なども影響するだろう。
格付けが良い高級なワインだったとしても必ず美味しいわけではない。
スーパーで売っている2リットル1,000円くらいの安ワインも不味いわけじゃないだろう。
どうせソムリエも素人も正確にワインの美味しさを判断できないし、そもそも美味しさの基準が人それぞれなのだとしたら…
よく知らない他人が”美味しい”と評価したワインよりも、自分の舌が感じた美味しさを優先するべきだろうし、
安くて評価の低いワインを美味しそうに飲んでいる人を馬鹿にするのもお門違いだろう。
というわけで、自分の中の美味しいの基準をしっかりもって食を楽しみたいものですね!