「合コンで鉄板の盛り上がる鉄板ネタ!」とか「初デートでおすすめの話題」なんてものを用意してもまったく会話が弾まない…そんな思い出はないだろうか?
それはそもそも「会話」というものを誤解しているからだろう。
会話は手段であり、目的ではない。
では、会話は何のために行うのか?
どういった会話をすればモテるのだろ~か?
そこらへんを考えてみよう。
合コンや初デートで盛り上がる話題って??
まず結論から言うと、合コンや初デートで盛り上がる鉄板の話題なんてない。
そりゃあそうだ。
ある人はカメレオンの脱皮の話で盛り上がるかもしれないし、ある人安土桃山時代の話が好きかもしれない。ある人はインド食文化の話が大好きで、ある人は超ヒモ理論についての話が好きかもしれない。天気図の話で一晩飲める石原良純みたいな人もいる。
誰だって好きなことや趣味は違うのだから当然だろう。
「そうなのか…もうダメだ…死のう…」
せっかちに飛び込み自殺を考えているのだとしたら、ちょっと待ってほしい。
この世の中、多種多様な個性があり、誰一人として同じ人はいない。だからこそ、我々は会話するのではないだろうか?
会話とは何なのか?そして会話の方法論ではなく、目的を考えたとき、ひとつの答えが見えてくる。
会話はテレビ放送ではない
「松本人志のすべらない話」を観ていたとして「まじかよ!宮川ウケる~」なんてテレビに言っても、それが会話と言えるか?
いや、言えない。
会話とはふたり以上の人間が、意志疎通のために行うものだからだ。
先ほど「会話に鉄板の話題はない」と言ったが、それは万人に必ずウケるテレビ番組が存在しないことに似ている。
一方通行の情報では、その人の趣味趣向が大きくかかわってくるからだ。
ある人は「松本人志のすべらない話」よりNHKの「すてきにハンドメイド」の方が面白いと思うだろうし、ある人は放送大学の「コンピューターの動作と管理」を観たいと思うかもしれない。
テレビ番組に鉄板はない。それと同様に会話にも鉄板の話題はない。
しかし会話はテレビ放送ではないので安心してほしい。
鉄板の面白い番組(話のネタ)がなかったとしても、おおいに盛り上がる可能性があるのだ。
会話を上手くこなすには、まず会話の目的を知る必要がある。
合コンやデートでの会話の目的とは何なのか?
会話は何故必要なのか?
出来ることならクールで無口な人間のままモテモテになりたい。しかし世の中モテるのは会話が上手くてマメな人間だ。
会話は何故必要なのかもう一度考えてみよう。
会話は相手と仲良くなるためにするのだ。
盛り上がりたい、その場を楽しいひと時にしたい…確かに大事だけど、もっと大事なのは相手と仲良くなること。
合コンや初デートで場を盛り上げるために、延々と8.6秒バズーカーのモノマネをやったり、割り箸を使った手品をやっても場は盛り上がるかもしれないが、異性と仲良くなれはしないのだ。
ではどうやったら仲良くなれる会話が出来るのか?
それはにはシンプルで簡単だけど凄く大事な、ちょっとした心構えが必要だ。
相手と仲良しになるために一番大事なのは「相手を知ること」と「相手を理解すること」だ。
そしてその目的を達する手段が会話なのだ。
用意した会話のネタがあったとしよう。鉄板のスベらない話。誰だって長いこと生きてれば、とんでもない失敗談や面白い体験談くらいあるだろう。
だけど、その話をしても盛り上がらない…
何故か?
それはただ面白い話をしているだけであって、会話ではないからだ。
相手の事を知り、もっと仲良くなる為に行うのが本当の会話
相手を知り、仲良くなるには質問をするということが大事。
「ボブスレーがすごい好きなんだ!」
「へぇ…おれボブスレー全然興味ないんだ」→終了。
こんな会話をしていないだろうか。趣味が合わなくて会話が出来ない、なんてことはない。趣味趣向が違っていたとしても、その違いについて会話で知ることが出来る。
「ボブスレーすっごい好きなんだ!」
「ボブスレー詳しくないんだけど、部活とかやってたの?」→会話
質問をすれば、相手はその思いについて話してくれる。これで相手を知ることが出来るのだ。
もし部活の練習がキツかったという思いでがあれば、自分もそんな思い出を話せるかもしれないし、朝練を真面目に練習していたというならその人の人となりが見えてくるかもしれない。
まあ、目の前に「ボブスレー部」というとんでもなく面白そうな素材があったとしたら、それをどんな風に料理しても美味しく頂けそうではあるが…。因みに日本にボブスレー部があるのかどうかは不明だ。
次の例にいってみよう。
「天気図って本当凄い面白いんだよ!」By石原良純
「…そうですか」→終了
至極当然な流れである。
「今日の天気図みた?あれすっごい珍しいんだよ!」By石原良純
「あの天気図の線ってどーゆー意味があるんですか?」→会話
こんな対応が出来れば達人のレベルである。石原良純氏は嬉々として語りだすだろう。
THIS IS 言葉のキャッチボール。
その会話、言葉のボーリングになってませんか?
質問→理解の流れ
そして次に相手の話に理解を示す。
つらい思い出を聞いたら、そのつらさを自分自身で想像してみる。そして共感する。
楽しい出来事を聞いたら、その楽しさを感じる。
相談を受けたら、明確な回答ではなく、まず悩んでいる気持ちを受け止める。
そういった相手の気持ちを想像して寄り添うスタンスを持ち続けていれば、自ずと会話のキャッチボールも続けることが出来るだろう。
会話とは自分が話したいことや楽しいことを延々と話すことなのか?断じて違う。相手のことを知り、もっと仲良くなるために行うのが会話なのだ。
そしてそれに大事なのが、相手の話を引き出す質問なのだ。
しちゃいけない話題ってものある
バーテンダーがお客さんに振ってはいけない会話のタブーが3つあるという。
- 宗教
- 政治
- 野球
この3つ。
野球なんて好きな球団が違ったら、それだけで口論になっちゃうかもしれない。
宗教や政治の話題なんて日常生活ではあんまりしないけれど、もし万が一これらの話題で相手と違う主張だったとしたら、なかなか仲良くなれないのではないだろうか。
これが違ったらおしまいだよね、っていうような会話を避けるのも大事だ。
会話は互いの共通部分を探す作業なのだから。
またネガティヴトーク(悪口)もオススメしない。
実は心理学的に言って、内緒話や共通の敵に対して悪口言うことは、2人の距離を縮める効果的な方法のひとつだ。
そこには仲良くなるための必須アイテムである秘密の共有や共感がある。
しかしたとえ話相手の誰かに対する悪口や仕事の愚痴に共感したとしても、自分自身からネガティブな発言をするのは控えた方が良いだろう。
悪口を言って享受できるメリットなんてたかが知れている。むしろデメリットの方が多いだろう。それにそんなことをしなくても仲良くなることは出来るのだから。
精神科医にみる、会話して理解してあげることの大事さ
精神科医に恋に落ちる女性が多いという。
なぜか?
それは患者の話を親身に聞いてあげるから。
相手を理解してあげようという姿勢があるから。
それで患者は先生に惚れてしまう。この一連の患者の心理的推移を専門用語で陽性転移という。
もちろん精神科医はそういう心理状況の推移はを把握しているので、患者が恋愛感情を抱いたとしてもそれに応えることはない。
この話を聞くだけでも、気になる異性と仲良くなるために「聞いてあげること」「理解を示すこと」の重要性がわかるのではないだろうか。
精神科医はうつの患者が来たとして、暗い雰囲気を盛り上げようと”昨日インスタント焼きそばの湯切りの時にお湯と一緒に麺まで捨ててしまった話”なんか絶対にしない。
会話は必ずしも面白い話で盛り上がる必要はない。
人は誰しも、誰かに自分の事を理解してもらいたがっている。
そのことを踏まえて、ただ相手の話を聞こうという姿勢を常に持っていれば、きっと会話も上手くいくのではないだろうか。