先日ぼ~っとテレビを見ていると、とあるカカオ生産国の皆さんがカカオの粉を溶かしたドリンクを飲んでいるシーンが放送されていた。
このカカオ・ドリンクがまたすごく健康にいいらしく、このドリンクのおかげで元気で長生きな人が多いという。
週刊誌でもカカオの健康効果は注目されている!
もともとココアやチョコレートが大好きな私は「このカカオドリンク飲みたい!!飲んで長生きしたいッ!!!」と激しく思った。
そこで「カカオの粉」を注文して飲んでみることにしたのだが…
調べてみると、ココアパウダー(純ココア)とカカオパウダーの2種類が販売されていて、この違いがイマイチわからない。
そこでココアパウダーとカカオパウダーを両方とも注文して、それぞれ栄養価の違いや、味の違いについて飲み比べてみた!!
カカオパウダーとココアパウダーの違いとは?
カカオにはカカオポリフェノールが含まれていて、凄まじい健康効果があるといわれている。
まずはその恐るべき健康効果を紹介しよう。
- 強力な抗酸化作用があり、肌荒れや老化の原因となる活性酸素を除去する。
- 脳のBDNFというたんぱく質に働きかけ、記憶力や認知機能を高める。
- 血管を広げ、血管壁を丈夫にする作用があり、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞の予防になる。
- 抗アレルギー作用があり、花粉症などのアレルギー症状を軽減する。
- 腸内フローラを整え、便秘を改善する効果もある。
恐ろしいほどのパーフェクトな健康効果だ。カカオドリンクを愛飲している人たちが長生きというのも頷ける。
砂糖がたっぷりと入っていないピュアなカカオから作られた「カカオパウダー」と「ココアパウダー」であるが、そのパッケージ記載された原材料や成分などのデータを紹介したい。
ココアパウダー
名称:ココアパウダー(ココアバター22~24%)
原材料名:カカオ豆
原産国名:オランダ
栄養成分表示(100gあたり)
- エネルギー:418kcal
- たんぱく質:23.4g
- 脂質:23.2g
- 炭水化物:42.5g
- ナトリウム:83.7mg
以外ココアパウダーにはにもたんぱく質、脂質、炭水化物がバランスよく配合されているのがわかる。
やはりカカオ豆はナッツ類の一種であり、良質の脂質がたくさん含まれているのだ。
ではその製造工程に目を向けてみよう。
ココアパウダーを製造するには、まずカカオ豆からカカオマスを作らなければならない。
カカオマスはカカオ豆の胚乳を発酵させ、それを乾燥して焙煎し、粉末状にすることで出来上がる。
このカカオマスから脂肪分を取り除いた残りがココアパウダーだ。
脂肪分を取り除いたとはいえ、ココアパウダーにも脂肪分は20%くらいは残っているという。
砂糖やミルクなどは配合されていない、まさに純ココア。
このココアパウダーからチョコレートなんかも作られている。
健康に良いとされるカカオポリフェノールも恐ろしくたくさん含まれているだろう。
カカオパウダーの特徴
製品名:ナチュラル・カカオパウダー
原材料名:カカオ豆
製品製造国:ペルー
栄養成分表示(100gあたり)
- エネルギー:427kcal
- たんぱく質:25.8g
- 炭水化物:55.5g
- 脂質:11.3g
- 灰分:6.0g
- ナトリウム:1.0mg以下
- 食塩相当量0.01g以下
カカオパウダーはカカオ豆をなるべく”そのまま”の状態で粉末状にしたもの。
商品説明によると、カカオパウダーはアルカリ処理を行っておらず、栄養を損なわずにカカオ本来の風味を味わえるという。
でも、アルカリ処理ってなんだ??
調べてみると、カカオはもともと酸性なのだけど、アルカリを加えて中性に近づけることで酸味がなくなり、まろやかな口当たりのココアとなるという。
このアルカリ処理を行うと、味は美味しくなるなるけれど栄養素がすこし失われるらしい。
アルカリ処理を行っていないカカオパウダーは、ココアパウダーよりも栄養成分が豊富というわけだ。
では次に、参考までに一般的な市販のココアの成分を紹介したい。
森永ミルクココア
日本で一番ポピュラーなココアということで、森永ミルクココアの成分も紹介しよう。
原材料:砂糖、ココアパウダー(ココアバター22〜24%)、ぶどう糖、脱脂粉乳、乳糖、全粉乳、麦芽糖、クリーミングパウダー、カカオマス、食塩、香料、乳化剤、pH調整剤
栄養成分(100gあたり)
- エネルギー:385kcal
- たんぱく質:10.0g
- 炭水化物:76.5g
- 脂質:7.0g
- 灰分:6.0g
- ナトリウム:41mg
カカオパウダーもココアパウダーも原材料は「カカオ豆」のみ。
それに対して普通のミルクココア粉末は砂糖がたっぷり、その他にもいろんな添加物が含まれているのがわかる。
成分内容を見ると、たんぱく質や脂質が少なく、かわりに炭水化物、特に糖質が多く配合されている。
脂質が少ないので砂糖はたっぷりだけど、カロリーは少なくなっている。
100gあたりの成分 | ココアパウダー | カカオパウダー | ミルクココア |
カロリー | 418kcal | 427kcal | 385kcal |
たんぱく質 | 23.4g | 25.8g | 10.0g |
脂質 | 23.2g | 11.3g | 7.0g |
炭水化物 | 42.5g | 55.5g | 76.5g |
・カカオ豆→胚乳を発行・乾燥・焙煎→カカオマス→脂肪分を取り除く→ココアパウダー
・カカオ豆→粉末状に粉砕→カカオパウダー
・カカオ豆→ココアパウダー→砂糖をたっぷり入れて味を調える→森永ミルクココア
カカオパウダーとココアパウダーの味の違いは?
では次に、カカオパウダーとココアパウダーの味の違いについてレビューしよう。
色的にはココアパウダーの方が色が濃くて黒く、カカオパウダーの方が薄い茶色をしている。
味の違いを比べるため、このふたつをシンプルにお湯に溶かして飲む!!
まずは無糖のココアパウダーだ。
こちらの味は非常にわかりやすく表現できる。
つまり、無糖のココア。
砂糖やミルクを加えれば飲みやすいミルクココアにもなる。
雑味もなくて無糖でも飲みやすく、普通に美味い。
ただし、お湯に完璧に溶けるわけではなく、マグカップの底には少し溶け残りがあった。
問題はカカオパウダーだ。
こちらがカカオパウダーをお湯で溶かしたもの。
おそらく私がテレビで見たカカオ原産国の人々は、こちらのようなドリンクを愛飲していたはず。
その味はココアとはちょっと違っていて、カカオ100%のとてつもなく苦いブラックチョコレートをドリンクにしたような味わい。
しかもただ苦いだけではなく、渋みや酸味といった雑味があり、ちょっとしたスパイスのような複雑な味わいになっている。
まさに、カカオ豆を粉砕してそのまま粉状にしたものという感じだ。
ココアパウダーに比べて粒子が大きめなのか、完全にお湯に溶けずに溶け残りも多い。
底にたまった粒子の大き目なカカオパウダーは特にスパイシーな味わいだ。
健康に良いとされるポリフェノールだけど、そもそもは野菜や果物が昆虫や動物に食べられないようにするための防御策として生成されているという。
ポリフェノールは渋みや苦味の元であり、だからこそ果実の部分よりも表皮部分に多く含まれている。
ということは、カカオパウダーの苦味、渋み、酸味は、カカオ豆のポリフェノールがとてつもなく大量に含まれているということを意味しているだろう。
ココアパウダー | カカオパウダー | |
味 | 無糖のココアという感じで雑味のない苦み | スパイシーで荒々しい苦み |
栄養 | 豊富なポリフェノール | さらに豊富なポリフェノール |
価格(Amazon調べ) | 約1,400円 | 約1,800円 |
ココアを飲むならどちらがオススメ?
ココアが好き!だけど市販のココアは甘すぎる…。
そんな方には無糖のココアパウダーかカカオパウダーがオススメ。
苦み走った大人のココアが自宅でいつでも楽しめる。
特にオススメなのがココアパウダーの方。
なぜなら、飲みやすくて美味しいから。
健康効果の面で言えばカカオパウダーの方が優れているのかもしれないけれど、毎日飲むとしたら断然ココアパウダーがいいだろう。
ミルクココアにしても美味しいし。
まあ、お菓子作りとか料理に使うのなら、カカオパウダーを使ってもいいかもしれない。きっと本格的なカカオな味わいが楽しめるはずだ。
どちらにしても本格的なカカオパウダーは砂糖たっぷりの精製ココア粉末よりも高カロリーなので、飲み過ぎには注意して欲しい!!
ちなみに今回使用した無糖のココアパウダーはこちらで…
カカオパウダーはこちら。
健康長寿のためにも毎日の習慣にしてみてはいかがだろうか!!?
追記:カカオパウダーからチョコレートは作れる?
では、カカオパウダーやココアパウダーを使ってチョコレートを作れるのだろうか?
結論から申し上げると、「出来ないことはないけど、オススメできない」ということになる。
チョコレートはカカオ豆を加工した「カカオマス」に砂糖やバターを練り混ぜて作られる。
なので、カカオ豆そのままのココアパウダーを使うのは適していない。
チョコレートを作るのなら、カカオマスから脂肪分を取り除いただけのカカオパウダーの方が適している。
チョコレートを作るには、カカオパウダーにバターを混ぜてペースト状にし、そこに大量の砂糖、牛乳などの加えて固める必要がある。
だけど凄く手間がかかるので、普通に売っているチョコレートを湯煎して溶かした方がいいだろう。
そっちの方が、きっと口当たりのいい美味しいチョコになると思うしね。