雑学

心理学的に効果のある謝罪の3つの方法と、謝罪の最高峰である土下座の弱点について。

2015年11月14日

とかくこの世の中は怒りと謝罪で満ち満ちている。

日本人である私たちは謝罪なくしては生きてはいけない。

そこで今回は、効果的な謝罪の方法を3つ紹介しよう。

①カタルシス効果で謝る!

②ページングで謝る!

③心から謝る!

これらの方法を参考にして、より効果的で、より感動的な謝罪を行ってほしい。

カタルシス効果で謝る!

人は誰でも自分の気持ちを外に吐き出した時、その気持ちは鎮静化する。これをカタルシス効果と呼ぶ。

怒り、悲しみ、憎しみ、イライラ、不満、それらの感情を言葉で表現すると、それらの感情が浄化されるのだ。相手は怒りで声を荒げれば荒げるほどの、怒りエネルギーを消費しているということになる。

このカタルシス効果を使って上手に謝罪するためには、言い訳はしないでただひたすらに相手の怒りの声を聞き続ける態度が必要だ。言い訳や反論は相手の怒りを増長させるだ。

ひたすら、言い訳せずに、相手の話を聞き、謝罪を続ける。これで相手の怒りを収めることが出来るだろう。

ページングで誤る!

ページングとは、相手の会話の速度や声の高さに合わせて対応すること。

相手の怒りの声の大きさや高さ、スピードに合わせて、自分の謝罪のテンションを変えるのだ。そうすれば、相手の怒りを迅速に沈めることが出来る。

 

「ふざけるな!!!どうゆーことだねキミッ!!!!」

「申ォー訳ありませんでしたーッ!!!!」

 

「あのねぇ、キミ。これはどうゆう事よ?ありえないんじゃないの?」

「申し訳ありません…おっしゃる通りです…ええ…」

 

この様に相手の怒りのテンションに、謝罪のテンションを合わせることで、より効果的に謝罪の気持ちを伝えることが出来るだろう。

心から謝る!!

これまで「カタルシス効果」「ページング」といった謝罪のテクニックを紹介した。それ以外にもたくさんの謝罪テクニックが存在するが「心から謝る」、この方法以上に効果的な謝り方はないだろう。

なぜこれが必要不可欠であり、効果的かというと「気持ちは伝わる」からだ。それが意識的であれ無意識的であれ、自分の気持ちは相手に伝わる。

もし自分が心から反省しておらず、上辺だけの謝罪で済まそうという気持ちがあったのなら、その気持ちは相手に伝わって怒りは鎮められないだろう。

 

相手が何に対して怒っているのか?

自分の何がいけなかったのか?

これらを理解し、謙虚に反省するとき、謝罪の言葉は最もパワフルに作用する。

日本伝統の土下座、その欠点とは?

日本には古来から謝罪表現の最高峰として「土下座」という文化がある。

地面に額をこすりつけ、これ以上ないと言うくらいに頭を下げるその姿は、まさに謝罪の最上級。最高の謝罪表現だ。これ以上頭を下げるには、地面を掘って頭を埋めるくらいしかない。

しかし、先ほど紹介した謝罪の3つの方法を考えてみると、そんな土下座にも欠点が存在するのがわかる。

 

まずひとつは「傾聴の態度」を見せていないことだ。自分が怒っていたとして、いきなり土下座をされたとしたら、自分の話を聞く気があるのか!?と思ってしまうだろう。

そしてもうひとつは、相手のテンションに合わせていないという事。相手が激怒していた場合、土下座が効果的な時もあるだろう。しかし、例えば「さっき頼んだ料理まだ?けっこう待ってるんだけど」といったちょっとしたクレームに、店員さんがいきなり土下座したとしたら?そのテンションの違いに自分の方が戸惑ってしまうだろう。

つまり、土下座は相手のテンションに合わせる事に適していないのだ。

これらの理由から、土下座を使うのは難しい。もちろん、土下座が最高のパフォーマンスを発揮する場所というのは必ず存在するし、土下座でしか切り抜けられない怒りもまた存在するだろう。しかし殆どの場合は、カタルシス効果とページングと心からの謝罪を組み合わせた方法の方が、より効果的な謝罪が出来るはずだ。

日本人なら土下座は懐の奥深くにしまっておいて、ここぞという時のためにとっておく。そして普段は状況に合わせた適切な謝罪を選択する。それがスマートな謝罪人間なのではないだろうか。

怒りと憎しみと悲しみに満ち満ちた世の中を、上辺だけのテクニックではない正しい謝罪の姿勢で乗り越えていって欲しい!

 

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