不貞…それは貞操を守らないこと、つまり浮気。
心理学でアロンソンの不貞の法則というものがある。
不貞の法則とはなんともいかがわしい。しかし、この法則を理解すれば、人間関係が円滑に進む可能性がある。
アロンソンの不貞の法則とはどういったものなのだろうか?
アロンソンの不貞の法則とは?
10年連れ添った配偶者がいたとしよう。そしてその配偶者が「今日もかわいいね!」とか「今日もカッコいいね!」なんて褒めてくれたとする。
どう感じるだろうか?
もちろん、嬉しい。君は笑顔で「ありがとう」と言うに違いない。
では、初対面の異性と話す機会があったとしよう。そしてその異性が「きみはかわいいね」とか「貴方はかっこいいですね」なんて褒めてくれたとする。
どう感じるだろうか?
もちろん、嬉しい。君は笑顔で「ありがとう」というに違いない。
しかし、10年連れ添った配偶者に言われた時よりも、遥かにドキドキするし、嬉しいに違いない。
付き合いの長い人に褒められるよりも、馴染みのない人から褒められた方が、嬉しさも倍増する。
この心理的効果を「アロンソンの不貞の法則」と呼ぶ。
これはアメリカの社会心理学者のアロンソンが発表した心理法則だ。
このアロンソンの不貞の法則は男女の恋愛において、重要な事実を示唆している。
「友達関係の長い男女は恋人には発展しない」
ということをこの法則は裏付けているのだ。
友達関係が長い男女はなぜ恋人関係に発展しないのか?
ある男の子が、友達の女の子に恋をしている。だけれども、女の子は男の子を友達としてしか見ていない。
そんなよくある恋愛の設定。ドラマでは紆余曲折の末に、きっとふたりは恋人同士になるだろう。だけど、現実はそうもいかない。
なぜならば、アロンソンの不貞の法則によると、付き合いが長ければ長いほど、褒めても、飯をおごっても、プレゼントしても、口説いても、心に響かないからだ。
そう、恋愛に発展させるには、出会った最初の頃が実は一番有利なのだ。
もう少し仲良くなってから告白しよう、距離が縮まったらデートに誘おう、それでは効果が薄い。
素敵な異性に出会ったら、その瞬間にとにかく褒める。それが一番効果的。
たしかに、自分が初対面の異性に褒められたら、絶対悪い気はしないよね。
不貞の法則…たしかに浮気に走る人たちは、このアロンソンの不貞の法則の効果で恋に落ちているのかもしれない。
恋愛だけじゃないアロンソンの不貞の法則の活用
恋愛において、相手の心を揺さぶることができ易いのは、出会った直後である。
このアロンソンの不貞の法則は、仕事や友人関係でも活用できる。
要は初対面とか、あんまりお互いをまだ知らない間柄の人から褒められると、余計にうれしいってこと。
そして相手が喜んでくれたら、お互いの距離も急激に縮まる。
例えばずっと同じ職場や学校にいるけれども、あんまり話さないし、仲良くもしていない人がいたとする。
そんな人を急に褒めたとしたら?
「なんだよ、いきなり。気持ちわりーな」
なんて言いつつも、悪い気はしないだろう。
でも「気持ちわりーな」なんて思われるくらい褒めるよりは、もっとさりげなく褒めるのが効果的。
「かっこいいね!」よりも「お~今日のスニーカーの色イイね」とか「へ~きみ指が綺麗だね」とか、そんなさりげなさが良いのではないだろうか。
アロンソンの不貞の法則を知れば、人間関係が広がる
出会って間もない人や、お互いをよく知らない人、気まずい関係の人や、仲の悪い人、疎遠になっている人、そんな人たちの方が、いつも一緒にいる友人たちよりも遥かに感動させやすいのだ。
褒めたら余計にうれしく感じてくれるし、親切にすれば余計に感動してくれる。
そう考えてみれば、今まで躊躇していた新しい人間関係を築く行為も、少しだけ気楽に行えるのではないだろうか?
初対面の人こそ、優しさや思いやりが大切なのだ。
でも、不貞はしちゃだめだよ!