2018年7月7日20時23分に千葉県沖を震源としたかなり大きめの地震が発生した。
マグニチュード6.0で、最大震度5弱。
千葉県を中心として関東全域が大きく揺れた。
この千葉沖地震、発生の1か月前に政府の事故調査委員会が危険性を指摘していた場所とほぼ同じ震源であった。
その発表内容と、今回の地震について検証してみよう。
6月11日千葉県沖でスロースリップが発生したと発表!
政府の地震調査研究推進本文は2018年6月11日に、千葉県沖でスロースリップが発生していることを発表した。
スロースリップとはプレートの境目がゆっくりと滑りながらズレていく現象のことであり、巨大地震の引き金になる可能性もある恐ろしい現象だ。
スロースリップ現象が発生する頻度やその特徴は、プレートが面する地形によって変化する。
なので確かなことは言えないが、スロースリップ現象が発生した1か月以内にけっこう大きな地震が発生する確率が高くなるという。
スロースリップが発生した場合、その後小さな地震が頻発し、さらに1か月以内に巨大な地震が発生する…らしい。
そんなスロースリップ現象が千葉県沖で発生しているのを、防災科学技術研究所が地震調査委員会を通して発表した。
防災科学技術研究所が観測したスロースリップがこちら。
参照元:2018年5月の地震活動の評価 (平成30年6月11日公表)(地震調査研究推進本部)
これは2018年6月3日~8日にかけてのデータだという。
では次に、2018年7月7日に発生した地震の震源がこちら。
参照元:tenki.jp
ほとんど一緒!!
しかもスロースリップが発生してから千葉県沖では規模の小さな地震が頻発していたし、1か月ちょうどで大きな地震が発生している。
…地震調査委員会といえば、遥か昔から南海トラフ巨大地震が来ると言っておいていまだに来ないし、熊本地震も予測できないし、大坂の地震も予測できないし「税金泥棒め!地震研究なんか無駄だからやめちまえ!!」というような批判の声も上がっていたくらい。
実際、地震の研究が進めば進むほど、わかってきたのは地震の発生を事前に予知するのが難しいという事実ばかり。
そのため、2017年に地震調査委員会は地震の予知を諦めて、地震が起きる確率を発表するように大きな方向転換をした。
南海トラフ巨大地震を”予知”するために、何十年もの間、莫大な血税が投じられてきたわけだけど、それがすべて「やっぱり、無理でした」という結論に!!
なんとも憤慨する事態だけれども、それでも今回の千葉県スロースリップ発生の発表は地震研究が無駄ではなかったという重要な事例になるのではないだろうか。
地震調査委員会が発表した地震リスクの高い地域はこちらで紹介してます→震度6強以上の大地震が起きる可能性の高い”本当に危険な地域”はどこなのか?