ダーウィンの進化論については誰もが知っているだろう。
「キリンの首が長いのは木の上の葉っぱを食べるため」
「シロクマが白いのは雪に囲まれた環境で擬態するため」
「ニュージーランドのキウイやカカポが空を飛べないのは、外敵のいない環境で空を飛んで逃げる必要がなくなったため」
生物は環境に”適応”し、少しずつ姿かたちを変えていき、新しい能力を獲得して”進化”する。
これがダーウィンの進化論。
このダーウィンの進化論の対極に位置する理論がインテリジェント・デザイン理論(ID理論)だ。
「インテリジェント」とは”知性を持った何者か”のこと。
インテリジェント・デザイン理論とは、世の中に存在するあらゆる生物はインテリジェントな何者かによってデザインされ、創造されたと考える理論のことだ。
もともとは「人間は神がお創りになった」という宗教的真実を証明するための理論だったのだけれど、今では神どころか宇宙人まで、幅広く使われる怪しげな理論となっている。
例えば神様が7日間で世界を創造したって「創世記」の話もインテリジェント・デザイン理論。(正確には6日だけど)
この世の中すべてプログラミングされた電子世界にすぎないという「シミュレーション仮説」もインテリジェント・デザイン理論といえるだろう。
「太古の昔に宇宙人が人間を地球へと送り込み、巨大な実験を行っているのだ!」なんてオカルトな話もインテリジェント・デザイン理論の一種。
インテリジェント・デザイン理論においては生物は進化せず、最初からそのデザインで創造されたと考える。
日本人的には「インテリジェント・デザイン理論?そんな馬鹿な!?」と思うかもしれない。
だけど例えばキリスト教徒が多いアメリカでは、国民全体の4~5割くらいがダーウィンの進化論を完全否定しているし、特に南部ではそもそも学校でダーウィンの進化論を教えていないところも多い。
「人間が猿から進化したって?そんな馬鹿げた話があるかい。偶然の進化でできたなんてありえないよ。魂を持った人間は、神様がお創りになったんだ!」
「キリンの首が長いのが進化の結果だっていうのなら、中途半端な首の長さのキリンがいたってことだろ?その化石があるのかよ?」
「クジラは進化の過程で陸から海に戻った?じゃあ、4本足の生えた”クジラだった”生物の化石はあるの?」
とまあID論者的には、ダーウィンの進化論についていろんな反論がある。
実際こういったインテリジェント・デザイン理論信者の意見ももっともな話で、ダーウィンの進化論だって完璧に生物の進化を説明できるわけではない。
ダーウィンの進化論とインテリジェント・デザイン理論、どちらが正しいのだろうか?
その論争に一石を投じる発見がなされた。
なんと、現在地球上に生きている動物たちのミトコンドリアDNAを調べた結果、人間も含む90%の種が20万年~10万年前に出現したということが明らかになったのだ。
こりゃあいったいどういうことなのだろうか?
その研究と、20万年前の地球について紹介しよう。
20万年前に地球上の生物はいっせいに創造されたのか?
「人間も含む90%の種が20万年~10万年前に出現した」
このような研究結果を導き出したのが、アメリカはロックフェラー大学のマーク・ストークル氏と、スイスはバーゼル大学のデイヴィット・セイラー氏の研究チーム。
例えば教科書的な生物学の定説では、アリ、ネズミ、ヒトなど広範囲に分布する大規模な個体群を持つ生物種は、時間がたつほど遺伝的多様性が増すという。だが、これは真実なのだろうか。
人類進化学の国際専門誌「ジャーナル・オブ・ヒューマン・エボリューション(Journal of Human Evolution)」に掲載された論文の主執筆者であるストークル氏は「答えはノーだ」と述べる。世界に分布するヒトは76億人、イエスズメは5億羽、イソシギは10万羽に上るが、遺伝的多様性はどれも「ほぼ同じくらい」だと同氏はAFPの取材に語った。
今回の研究の最も驚くべき結果は、今日地球上に生息する生物種のうち、ヒトを含む全体の9割が20万年前~10万年前に出現したことが明らかになったことだろう。ストークル氏は「この結論は極めて予想外なので、私は可能な限り厳しい反論を試みた」と述べた。
参照元:「DNAバーコード」大規模解析、進化の新事実が浮き彫りに(AFP)
研究チームはアメリカの遺伝子データバンクに保管されている10万種の生物のミトコンドリアDNAを徹底的に調査したという。
ミトコンドリアDNAにはすべての動物に共通するDNA配列が存在しているので、とてもいい基準になるからだ。
その調査の結果、地球上の生物のおよそ9割が生物種としてほぼ同じ時期に誕生したことがわかった。
また「生物種には明確な遺伝的境界があり、2つの種の間に位置する中間種はほとんど存在しない」という事実も発見されたという。
生物は種としていきなり登場し、しかも進化の過程となる中間種は存在しない。
生物はポケモンの進化のように、あるきっかけで突然に劇的な変化を引き起こすというのか?
そしてその劇的な進化が、偶然にも地球上の生物の90%に対して、ほぼ同時期に起こったというのか?
あまりにも不自然すぎる。
やはり”知的な存在の介入”があったとしか考えられんぞッ!!
20万年前に何が起こったのか?
20万年~10万年前に何らかの知的な生命体によってほとんどの動物は造られたとするなら、それまで地球上で栄えていた動物たちはほとんどがいなくなってしまったことになる。
すべて絶滅してしまったのか?
はたしてその当時の地球はどんな状態だったのだろうか?
地球上の生物はなんども大量絶滅を繰り返している。
なかでも地球上の生物のほとんどが死滅するレベルの大量絶滅は過去に5回発生していて、それをビックファイブと呼んだりしている。
5度目の大量絶滅、つまり一番最近の大量絶滅は、あの恐竜が絶滅した白亜紀の大量絶滅だが、それは今から6550万年前の出来事。
この大量絶滅では恐竜を始めとして、地球上の実に70%の生物が息絶えたという。
だけど、それ以降の地球では、地球上の生物が危機的状況になるようなレベルの大災害は巻き起こっていない。
20万年前~10万年前も、氷河期になったり温暖な気候になったりしていたものの、生物が丸ごと絶滅して新しい種が次々と生まれるような緊急事態は発生していないということだ。
つまり環境の劇的な変化で進化せざるを得なかった、というような環境ではなかったことになる。
さらに謎は深まるばかりだ。
では次に、人間の進化の側面から「中間種は存在しない」という事実を考えてみよう。
人間の進化の過程と中間種
人類進化の過程を超簡単にざっくり見てみよう。
①約2億年前:恐竜の闊歩した三畳紀に最初の哺乳類誕生!最初は小さなネズミのような小動物であった。
②約6500年前:新世紀に入ると猿っぽい哺乳類が誕生する。
③700万年前:初期猿人が現れる。全身体毛に覆われ、木の上での生活に適した体格をしていた。
④420万年前:猿人の登場。体毛が少なくなり、二足歩行が得意になる。
⑤240万年前:原人が登場。脳が大きくなり道具を使うようになる。原人から現在の人間と同じホモ属に分類される。
⑥60万年前:旧人が現れる。さらに脳の容量が増える。
⑦20万年前:新人(ホモ・サピエンス)が登場!!そして現代へ…。
進化にかかわる”種”の定義ってやつはよくわからないのだけど、例えば猿人と新人の中間種は原人や旧人なのではないだろうか?
もし進化の過程で、人類の歩みのように”別の種”になっていたとしたら、「種の進化の過程で中間種が見つからない」というのも当然だろう。
だって、途中で別の種になってしまっているのだから。
それに「旧人と新人の中間種が見つからない」というのも当然というか、旧人と新人の間でも交友があり、一部では交雑していたという話もあるくらい。そもそも種の境目があいまいなのだ。
とはいえこの説も、中途半端に首が長いキリンが見つかっていない説明にはなっていないが…。
20万年前に9割の種が登場したことを説明する6つの説
「最も単純な解釈は、生命が常に進化を続けているということだ」と、ストークル氏は説明する。
「進化においては常に、その時点で生きている動物が比較的最近出現した可能性の方が高い」
ストークル氏によると、このダーウィンの進化論を否定するような実験結果も、結局は進化の過程で発生したものかもしれないとしている。もちろん、あくまでも推測にすぎないが。
このストークル氏の発言を10回ほど読んでみたのだが、まったく理解できなかった。おそらく私自身の脳が進化の過程にあるためであろう。
20万年前に大量絶滅は起こっていないにもかかわらず、なぜミトコンドリアDNAを調べた結果、地球上の9割の種が20万年前に誕生したことになるのか?
そしてなぜ、進化の過程での中間種は見つからないのか?
ストークル氏の言ってることがよくわからんので、私自身でてきと~に考えてみた。
①ミトコンドリアDNAが20万年前に何らかの形で変異した説
この実験のポイントは、ミトコンドリアDNAを調査したところにあり、逆にいえばミトコンドリアDNAしか調べていないともいえる。
ミトコンドリアはもともと細菌のような存在で、太古の昔に真核細胞に入り込むことで共生関係を築き上げた。
10万年前~20万年前に現れたのは新しい種ではなく、突然変異した新しいミトコンドリアなのではないだろうか?
インフルエンザみたいな伝染病が全世界的に流行して、全生物のミトコンドリアDNAが突然変異した、みたいな。わからんけど。
②そもそもDNAの変異を調べることで種の年齢がわかるという理論に間違いがある説
でか、”種の年齢”とかよくわからん。
そんなの調べても、実はまったく違ってましたなんて話になるんじゃないの??
③20万年前に宇宙人がやってきて地球生物を作り変えた説
20万年前といえば、シュメール人を造ったアヌンナキが地球に訪れていたころ。やっぱり人類は宇宙人が創造したのだ!!
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④神様が20万年前に「今までの地球がイマイチだから」と動物たちを一新した説
創世記に描かれた天地創造、それは20万年前に実際に起こった出来事であり、すべての生物がそのタイミングで一新されたのではないだろうか?
太古の昔から種として存在するシーラカンスやゴキブリは、神にとって忠実で神聖な生き物なのかもしれない…。
⑤すべては高性能のシミュレーション世界であり、20万年前にデータ更新が行われた説
DNAの塩基配列はただのデータにすぎない。このデータが不自然に、同時に変化したとしたら、それは何らかの理由によってデータが書き換えられたとみるのが普通だろう。
だとしたら、この世のすべてはデータにすぎないという証拠なのではないだろうか!!?
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⑥10万年の間にほとんどの種が別の種に進化しちゃった説。
20万年前~10万年前っていうけど、よく考えたら10万年って相当長い期間。
だって日本人だって50年前と比べると、顔の造形も違ってるし、平均身長も高くなってる。人類全体を見ても、オリンピックの記録なんてありえないほど新記録が更新されている。
50年でこれ。
だとしたら10万年あれば、ほどんどの種が別の種になるくらい進化するのは当然で、逆に進歩しないようなのんびりした種は淘汰されていったのではないだろうか。
とまあ、適当にいろんな説を考えてみたものの、その真相は不明。そもそも、科学的知識が圧倒的に不足しているのだ。
ダーウィンの進化論は正しいのか?
それともインテリジェント・デザイン理論のほうが正しいのか?
さらに研究が進めば、中間種が存在しない謎も、生命進化の秘密も解き明かせるかもしれない。
個人的には宇宙人説が一番心惹かれるけど。
少なくともたった一つだけ言えるのは、ダーウィンの進化論は完ぺきではないってこと。
この世の中には、まだまだ説明のつかない秘密がたくさん眠っているようだ。