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カリフォルニア州でコーヒーの発がん性が認められる!?ホントにコーヒーは危険なのか?

2018年3月31日

2018年3月30日にカリフォルニア州の裁判所は、「コーヒーには発がん性があるという警告を表示すべき」という判断を下した。

この判決が確定すれば、セブンイレブンやスターバックスなどでコーヒーを販売する際には、煙草と同じように「コーヒーはあなたのがんの危険性を高めます」なんて警告文の表示が義務付けられるようだ。

でも、ホントにコーヒーには発がん性があるのだろうか?

だとしたら、コーヒーを毎日何杯も飲んでいる私はかなり危険なのだが…。

 

というわけで、コーヒーの発がん性が”ない”と思われる根拠について詳しく調べてみた。

コーヒーには発がん性があるのか?

まずは、コーヒーの発がん性について伝える記事を紹介したい。

米ロサンゼルスの裁判所は30日までに、米コーヒーチェーン大手スターバックスなど販売業者に対し、コーヒーに発がん性成分が含まれているとの警告を表示すべきとの判断を下した。AP通信などが伝えた。健康被害があるとする原告側の非営利団体の主張を認めた。

販売業者は上訴できるが、判決が確定すれば、カリフォルニア州でコーヒーを販売する場合、発がん性表示が義務付けられる。コーヒーに含まれるカフェインには健康効果があるとの研究報告もあり、判決は論争を呼びそうだ。

参照元:コーヒー発がん性警告を 販売者に命令(毎日新聞)

「コーヒーに発がん性??どこの州だよ!?」と思ったら、やっぱりカリフォルニア州。

 

アメリカでは州ごとに法律やルールが違っていて、中には娯楽目的の大麻使用が合法化されている州だってある。

そんな中にあって、カリフォルニアはアメリカの中で最も化学物質の規制が厳しい州であるといわれている。

コーラや多くの清涼飲料水に含まれるカラメル色素には発がん物質「4-メチルイミダゾール」が含まれているが、カリフォルニア州ではその使用を規制している。

しかし、カリフォルニア州以外の多くの州ではまったく問題なく販売されているし、日本でも規制は全く行われていない。

少しくらい発がん性のある4-メチルイミダゾールが含まれているからといって、普通に飲む分には健康にまったく悪影響がないからだ。

 

今回の裁判はコーヒーに含まれる発がん性物質「アクリルアミド」の危険性について問われている。

アクリルアミドは食品を加熱することで発生する物質で、フライドポテトやお菓子、焼き魚、炒めた野菜など、多くの食べ物に含まれている。

当然、焙煎してあるコーヒーにも含まれているってわけだ。

 

確かにコーヒーには発がん性のあるアクリルアミドが含まれているのかもしれない。

だけどコーヒーに「発がん性がある」なんて警告表示を義務付けるなんて…

カリフォルニア州は神経質すぎるだけではないだろうか!!

WHOはコーヒーに発がん性なしとしている

WHO(世界保健機関)は1991年~2016年までの25年もの間「コーヒーには発がん性がある可能性がある」という立場をとっていた。

しかしWHOの外部組織であるIARC(国際がん研究機構)が行った多くの疫学研究や動物実験の結果、コーヒーの発がん性は否定された。

1. 膵臓、乳、前立腺に対する発がん作用はなかった

2. 肝臓や子宮内膜がんの発がんリスクが低下した

3. 他の20種類以上のがんについては、結論を出すのに十分な情報がなかった

これらの事実を踏まえ、2016年のIARCのプレスリリースによってコーヒーの評価は「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」から「ヒトに対する発がん性について分類できない」に変更された。

 

ちなみにIARCの発がん性に対する評価は5段階。

  1. ヒトに対する発がん性がある
  2. ヒトに対しておそらく発がん性がある
  3. ヒトに対して発がん性がある可能性がある
  4. ヒトに対する発がん性について分類できない
  5. ヒトに対する発がん性がない

コーヒーは「完全に発がん性がない」というわけではなく、下から2番目に分類されている。

今ではWHOはコーヒーに発がん性はないどころか、「がんを抑制する可能性がある」という立場をとっている。

コーヒーに含まれるアクリルアミドの量は?

カリフォルニア州ではコーヒーに含まれる発がん性物質「アクリルアミド」が含危険だとしている。

コーヒーに含まれるアクリルアミドはどれくらいなのだろうか?

 

農林水産省のホームページでは食品のアクリルアミド含有量を紹介している。

その表を確認すると、レギュラーコーヒーのアクリルアミド濃度の中央値は0.24mg/kgであり、インスタントコーヒーは0.58mg/kgであった。

画像参照:アクリルアミドが含まれている食品(農林水産省)

この数値は他の食品と比べてもかなり多め

アクリルアミドがたっぷり含まれていて危険と言われているフライドポテトですら、アクリルアミド濃度の中央値は0.18mg/kgだ。

アクリルアミドが多く含まれたインスタントコーヒーにはフライドポテトの約3倍のアクリルアミドが含まれていることになる。

つまりフライドポテトよりもインスタントコーヒーの方が遥かに危険…!?

 

しかしながら、そう思うのは早計だ。そこには単純な数字のトリックがある。

コーヒー1杯(140mg)に使用するインスタントコーヒーの量は約2gくらい。

含まれるアクリルアミドの量を計算すると、フライドポテト6本(約6g)とコーヒー1杯(約140mg)がだいたい同じくらい。だとしたら、コーヒーもそれほど危険ではないことがわかる。

 

つまりインスタントコーヒーを何杯のんだとしても、そのアクリルアミド摂取量はたかが知れているといっていだろう!!

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結局のところコーヒーに発がん性はある?

今回のカリフォルニア州のコーヒーに関する裁判は、2010年に非営利団体CERTが食品チェーンや小売りチェーンに対して行った。

セブンイレブンなどの数社はすでに訴訟から手をひき、1億円近い罰金を支払っているという。

今回のカリフォルニア州の裁判所の結果が確定すれば、さらの多くの会社が罰金を支払う可能性があるだろう。

この”罰金”ってのが、原告の非営利団体に支払うのか、カリフォルニア州に支払うのかはよくわからんが、裏にはきな臭い金の動きがありそうだ。

 

では、コーヒーの発がん性についてまとめてみよう。

①カリフォルニア州の成分規制はメチャクチャ厳しい

②WHOは発がん性について危険がないとしている

③コーヒーには確かにアクリルアミドが含まれているが、その摂取量はごく僅かである。

④そもそも原告の非営利団体は金儲けのためにコーヒーにいちゃもんをつけただけである(偏見)

以上の4つの理由から、コーヒーに発がん性はなく、問題なく飲み続けられるという結論に至った。

ちなみにこの記事はコーヒー大好き人間が書いた偏向記事である。コーヒーの危険性についてはフラットに情報収集したうえで、最終的には自分自身で決断してもらいたい。

 

OK!コーヒーは安全で発がん性はほとんどないってわけだ。

でも…

コーヒー飲む量、少し減らそうかな。

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