独身ヒキニートとは、独身で、引きこもりなニート(無職で求職活動をしていない人)のこと。
独身者は既婚者よりも若々しく見えるものだし、引きこもりやニートはどことなく幼い外見をしているもの。
だとしたら、独身ヒキニートは長生きするのでは…?
そう思うかもしれないけれど、実際はまったくの逆。
どうやら、寿命研究の結果を見てみると、独身ヒキニートは短命な人生を送るようだ。
その研究と、長寿になる方法をお伝えしよう。
独身ヒキニートでいることの寿命的なリスクとは?
独身は寿命が短いという研究
国立社会保障・人口問題研究所の研究調査では、40歳時点で既婚者と独身者の平均余命を比較したところ、独身者の方が8年以上も短命だったという。
さらにこんな研究もある。
アメリカはカリフォルニア大学のハワード・フリードマン教授の長寿に関する研究によると、離婚せずに一生同じ伴侶と添い遂げた男性がもっとも寿命が長いという。
面白いのは、「ずっと同じ女性と添い遂げた人」が一番寿命が長く、次に長寿だったのが「一生独身を貫いた人」であった。
そして一番寿命が短いのは「離婚をした人」や「伴侶と死別した人」であったという。
これは離婚や死別がストレスとなり、寿命に影響を与えていると考えられる。
しかしながら、女性の場合はまったく話が違う。
夫と離婚したり死別したりしても、女性の寿命には一切影響はないのだとか。
女性強し!!
無職は寿命が短い
カリフォルニア大学のハワード・フリードマン教授の長寿に関する研究によると、30歳後半までに仕事で成功した人の上位20%と、仕事がぱっとしない下位20%を比較した場合、成功した人たちの方が5年も寿命が長かった。
仕事には激務やストレスが付きもの。
それを加味しても、仕事をあきらめた人間や責任のない仕事をしている人間、無職の人間は寿命が短いという。
また、米テュレーン大学の研究によると、無職状態が500日以上続いた経験を持つ男性は、テロメアが短い傾向にあることがわかった。
テロメアは細胞分裂の回数を制御していて、寿命と密接な関係にあることが知られている。
因みに女性への影響はそれほどでもなかったという。
さらに違う研究も存在する。
カナダで行われた寿命の研究によると、仕事をしていなかった人間の死亡リスクが男性は37%、女性は27%も上昇することがわかったという。
引きこもりは寿命が短い
「愛されているという実感」「ポジティブ・シンキング」「バランスのとれた食生活」など、どれもが長寿にとって大切な要素であると思われてきた。
しかし、フリードマン教授の長寿研究はその常識を覆した。
それらの要素は、直接的に寿命とは何の関係も見いだせなかったのだ。
それよりも長生きに一番大切なのは、”人間関係の広さ”であることがわかった。
サプリメントを毎日飲むよりも、毎日ジョギングするよりも、友人や知人の多さ、社会とのつながりの多さが、その人を長寿にするのだ。
たとえ不規則な生活をしていても、タバコを吸っていても、孤独よりはマシということになる。
だとしたら…
部屋から一歩も出ずに、社会とのかかわりが一切ない引きこもりは寿命が短いといえるだろう。
ちなみに、フェイスブックやツイッターなどのSNSでたくさんの”繋がり”がある人もいるだろうが、ネット上の人間関係は寿命にそれほど影響がないと考えられている。
長寿になるためにはどうすればいいのか?
独身で引きこもりでニートだった場合、長生きするにはどうすればいいのか?
「結婚すればいいよ!大丈夫、きっと運命の出会いがあるって!!」
「友達をいっぱい作ろう!地域のサークルとか入ってさ!」
「仕事しようよ!簡単なバイトでいいからさ!!」
こんな戯言はうんざりだ。それらの助言は、根本的な解決になっていない。
人としゃべるのは苦手だし、結婚なんてできるわけがない。
もちろん、友達もできるわけがない。
簡単なバイトだって?社会に出るのが心の底から怖いし、面接の電話だって手が震えて上手くしゃべれなくなる。
だとしたら、どうすればいいのだろうか?
まずは結婚について。
これはもう一生独身を貫いた方がいいだろう。
確かに結婚した方が長生きになるかもしれないが、下手に離婚したり死別してしまった場合は、独身でいるよりも短命に終わるからだ。
次に仕事について。
家から一歩も出れないので、外での仕事は素直に諦めよう。
最近では頑張ればユーチューバーやアフィリエイターとして食っていくこともできるはずだ。
もしそれが無理でも、ネトゲの中で生活して仕事を持つこともできる。
「お父さん、お母さん、就職は決まってないけど、働く喜びがわかりました」
一昔前のウルティマオンラインのポスターにはこう書かれている。仕事はネトゲの中でも持つことが出来るのだ。
最後に人間関係について。
これはもう、勇気を振り絞って頑張るしかない。
フリードマンの研究では、友人・知人・家族・同僚など、定期的に会う人が多ければ多いほど長寿とされている。
だとすれば、他人との唯一の接点である”お店のレジ”を大切にしたい。
家を出て、コンビニやスーパーで買い物をする。
その時に、レジの店員さんに「ありがとうございます」と言ってみるのもいい。
わざと、いつもとは別のお店で買い物をするのも良いだろう。
些細な店員さんとのふれあい、その適度なストレスが、長寿の秘訣となるかもしれない。
もちろん、キャバクラ・ホストクラブ・メイド喫茶などをうまく利用するのも効果的なはずだ。
人間の悩みはすべて対人関係の中にある
私自身も人間関係は大の苦手で、社会の怖さや一生引きこもっていたい気持ちもわかる。
でも独身でいい、ネトゲやればいい、店員さんと話せばいい…
そういったものの、やはり実体のある人間とのコミュニケーションは、社会的動物である人間にとってとても大切なもののようだ。
アドラー心理学によると「人間の悩みはすべて対人関係の中にある」という。
独身、引きこもり、ニート、これらのバラバラの問題は、すべて「対人関係からの逃避」が原因。
結婚、仕事、家族、友人、知人…すべてが対人関係の問題だからだ。
時に対人関係はストレスにもなるし、寿命を縮める原因にすらなる。
だけれども、対人関係はかけがえのない喜びや生きがいにもなるし、寿命を延ばす要因にすらなる。
そう考えてみると、たとえ人間関係の中で傷ついたとしても、コミュニケーションの中で得るものの方が多いのではないか。
勇気を出して人間関係に飛び込んだら、もしかしたら一生の友達に出会うかもしれないし、結婚相手に出会うかもしれない。
もちろん、仕事上の付き合いだけでも、うわべだけの人間関係でも、十分に大切にするべき人間関係だ。その中でたくさん得るものがあるはず。
「人間の悩みはすべて対人関係の中にある」といわれているが、独身ヒキニートは人間関係で悩んでいない。
人間関係から目をそらして逃げているからだ。
ちゃんと人間関係の中で悩み続けることこそが、長生きの秘訣なのではないだろうか!?
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