昼間の様に煌々と照る夜道、見上げると新円を描く大きな月。
満月の夜には不思議な雰囲気が漂っている。
そんな満月の夜には犯罪、交通事故、自殺、殺人、出産などが、普通の夜より多くなるという。本当なのだろうか?
満月の夜の神秘なパワー
満月の人間への影響
満月の夜には犯罪や殺人が増えるとか、出産が増えるなんていわれているけれど、その他にはどんな影響があるのだろうか?
満月が人間に与える影響、その言い伝えや噂を紹介しよう。
- 満月の日は、何を食べても太りやすい
- 満月の日は、衝動的・攻撃的な感情が高まる
- 満月の日は、普段よりカンが冴える
- 満月の日は、出血量が増える
- 満月の日に排卵した卵子は妊娠しやすい
- 満月の日は、出生率が高くなる
これらは科学的根拠のないジンクスや噂の類だ。
月は大昔から地球の上に浮かんでいて、太古の人たちも月から多大なインスピレーションを受けてきたはず。それは多くの芸術作品を見てもわかる。夜空に浮かぶ月は人類にとって、とてつもなく神秘的なものだったのだ。
満月の夜、大きな白い月が夜空に浮かんでいるのをじっと眺めると、なんとなく不思議な昂揚感に包まれる気がする。それは太古の昔も今も変わらないのかもしれない。
それで変にテンション上がっちゃって、めっちゃ酒飲んで、犯罪が増えたりしていたのかもしれない。
では次に、満月の夜とその人間への影響について真面目に調べた研究があるので紹介しよう。
満月は人間に全く影響がない!
カナダ・ラヴァル大学が2005年~2008年まで精神病院で行った統計によると、「新月でも満月でも人の精神にはまったく影響なし」という揺るぎない結果が得られた。
満月の夜は人間の精神に、何の相関関係もないのだ。
しかし一方で、こういう研究結果もある。
満月の夜はよく眠れない!
スイスの研究チームによると、満月の夜は眠りの質が落ちる傾向にあり、睡眠時間は新月の夜に比べると平均20分短くなるという。その秘密は睡眠に大事なメラトニンにあった。
メラトニンの分泌量を調べた結果、満月が近づくにつれメラトニンの分泌量が減ることが分かったのだ。
メラトニンの分泌が減る。これは人間の精神に影響を与えている可能性がある。メラトニンの分泌量が減ると、睡眠障害のほかにも「なんとなく気分が落ち着かなくなる」という症状も現れるという。満月の夜に精神が不安定になるのは、メラトニンが不足しているからなのかもしれない。
月の影響まとめ
満月の夜は犯罪が増えたという。大昔は街灯なんてなかったから、夜はホントの真っ暗だったろう。だけど、満月の夜は明るく、その分活動している人間も増えて犯罪も増えていたのかもしれない。
また、満月はわずかながら重力に影響を及ぼし、潮の満ち引きの原因になる。そういった物理的な影響が、人間にもなんらかの変化を与えているのかもしれない。
しかし今のところ、満月時の人間への直接的影響で考えられるのは「メラトニンの減少」だけであった。
英語で「lunatic」(ルナティック)や「lunacy」(ルナシー)は狂気という意味を持つ。(因みにバンドのLUNA SEAもここから付けられている)
月は昔から狂気をはらんでいたのだ。
ひょっとしたら、その狂気の原因はメラトニンの減少による情緒不安定…だったのかもしれない。