人魂(ヒトダマ)とは空飛ぶ火の玉のことであり、古来より死者の身体から迷い出た魂とされている。
古くは万葉集にもその記載があり、海外では「ウィル・オ・ウィスプ」の名称で知られる。人魂は大昔から世界各地で目撃されている、謎の現象というわけだ。
はたして人魂の正体とは、科学的に解明できるのだろうか?
人魂(ヒトダマ)の正体とはなんなのだろうか?
人魂、火の玉、鬼火、狐火、ウィルオウィプス、名前はたくさんあるけれども、それらすべては「空中をただよう謎の炎」のことを指している。
この空飛ぶ火の玉は、太古の昔から目撃されているし、日本だけでなく世界中に存在している。
つまり人魂は、ある文化固有の言い伝えではなく、なんらかの”自然現象”である可能性が高いのだ。
では、人魂の正体とはなんなのだろうか?
リンが発光したもの説
ゆらゆらと闇夜を漂う人魂は、夜の墓場に現れるという伝説がある。
人間の骨には”リン”が含まれている。お墓に埋められている遺体の骨から発せられる”リン化水素”が墓の上をただよっていて、それが何らかの理由で発火したとしたら?
それは空中をただよう炎のように見えるだろう。遺体からのリン化水素こそが、人魂の正体ではないかと言われている。
可燃性のガス説
なんらかの可燃性ガスが空中で燃える、これが人魂の正体ともいわれている。
例えば腐敗した遺体からもガスは発生するし、落ち葉や動植物の腐敗によるガスかもしれない。あるいは沼地などから可燃性のガスが発生している可能性もある。
ウィルオウィプスは墓地や湖でよく目撃されるという。湖や沼の底には、地面の割れ目から可燃性のガスが発生している可能性が高いのだ。
発光する虫説
ある昆虫学者が夜の山で昆虫採集をしていると、空飛ぶ人魂に出くわしたことがあるという。勇気を振り絞り、手に持っていた網で捕まえてみると、なんと人魂の正体は”発光している小さな虫の群れ”であったという。その小さな虫は、羽化するときに偶然発光バクテリアを身体に着けていたのだ。
このように、何らかの理由で発効している虫が人魂の正体である可能性がある。それはホタルかもしれないし、発光バクテリアかもしれないのだ。
人魂の正体は球電!?
人魂の正体はリン化水素かもしれないし、虫かもしれないし、ガスかもしれない。しかしいま最も有力な説として考えられているのが「人魂の正体”球電”説」だ。
球電は光を放つ丸い物体が空中を飛び回る、とても珍しい自然現象。雷雨や落雷が発生していると、多く目撃されるという。
また、移動中の金属を追いかけるという特性をもっているため、「戦闘機を追い回す謎のUFO」の正体も球電ではないかといわれている。
UFOや人魂の正体かもしれない球電であるが、残念ながらまだその正体は不明のまま。
いま考えられている球電現象の仮説を紹介しよう。
電磁波干渉説
球電は雷雨の時の多く発生するといわれている。
落雷の影響で空気中に大量放出された電子と陽イオンが、何らかの理由で集まって球体になる現象。これが球電の正体かもしれない。つまり、液体・個体・気体に次ぐ、物質の第4段階「プラズマ」ってやつだ。
プラズマが原因の球電は、空気の一部が発光している状態といっていい。なので、風が吹けば大きく変化するだろう。これも人魂の特徴と類似する。
エアロゲル生成説
エアロゲルは空中に漂うことができるくらい、すっごく密度の薄~い個体。
雷が原因でこいつが生成され、空中で燃える現象が起きたとしたら…それはまさに人魂と同じだろう。このエアロゲルはケイ素でも作られるといわれている。ケイ素は石英や水晶に含まれる、ごく一般的な物質。どこかで落雷が起きた時、その影響で地中のケイ素がエアロゲル化したことが人魂現象の正体なのかもしれない。
電磁流体力学説
まずは「電磁流体力学」とは何かを説明しよう。
磁気流体力学または流体磁気学ともいう。電気伝導性の流体が電場や磁場の中で行う運動を研究する流体力学の分野。伝導性流体には水銀や融解ナトリウムなどの液状金属や電離気体 (プラズマ) がある。
出典元:ブリタニカ国際大百科事典
なんのこっちゃわけがわからんが、ポイントはふたつ。
①電気伝導性の流体が電場や磁場の中で行う運動
②伝導性流体には電離気体 (プラズマ) がある。
”火”は個体でも液体でも気体でもない、プラズマの一種といわれている。もし落雷や何らかの自然現象が原因で、空気中に異常な電場や磁場が発生した場合、火(プラズマ)的なモノが空気中の磁場を流れるという現象も起こりえるのではないだろうか?
ひょっとしたら、これが人魂の正体なのかもしれない。
人魂の正体人の魂説
人魂の正体は科学的に説明できる…ような気がする。しかし、人魂の正体がホントに人間の魂であるという可能性も否定はできないだろう。
一説には、人間は死ぬ瞬間に体重が21グラム減るといわれている。
この21グラムこそが肉体から飛び出た人間の魂であり、それが何らかの理由で見えてしまう現象こそ人魂の正体かもしれない。
人間は臨死体験をすると、自分の身体を部屋の天井から見下ろしていたり、あたたかな光に包まれてお花畑と三途の川がある世界に行くらしい。そこで死んだじいちゃんに「まだこっち来るんじゃねぇ!」といわれ振り返ると、ベットの上で目を覚ます。
そんな不思議な体験をしているときには人魂状態になっているのかも!?