社会

上級国民が逮捕されない理由と韓国の財閥問題って似ているなあと思った話

上級国民」というワードが炎上している。

上級国民とは、お金持ちで社会的・政治的な地位もある、いわゆる上流階級の国民のこと。

 

そんな上級国民が注目されたきっかけは東京・池袋の交通事故。

87歳男性の運転する乗用車が暴走し、母と娘が犠牲となった。

この痛ましい事故の加害者である飯塚幸三氏はバリバリのエリートで生粋の上級国民であり、かりに過失運転致死傷で裁判になっても執行猶予がつく可能性が高いとか。

 

「金持ちは何やってもいいのか!」

「権力者への忖度だ!!」

 

…と、上級国民に対しての批判が噴出して、そりゃあもう炎上状態となっているわけだ。

では、なぜ上級国民は逮捕されないのだろうか??

上級国民が逮捕されない理由とは?

現役の弁護士がブログで「上級国民が逮捕されない理由」について言及し、話題になっている。

「上級国民だから逮捕されない」は弁護士から見ても本当と思う理由

その理由をまとめるとこうなる。

  • 上級国民は身元がしっかりしていて財産もあるので逃亡の可能性が低い
  • 上級国民は前科や前歴がなく、危険な組織とのかかわりもない
  • 上級国民が犯す犯罪は”過失犯”など、それほど重くない犯罪が中心

以上の理由から、上級国民が逮捕拘留されにくいという”傾向”は確かにあるという。(あくまでも傾向ね)

ただ、”逮捕”というのは「犯罪に関する被疑者の身体的拘束」であり、イコール有罪ではない。

その後の裁判で有罪になるのかどうかは、また別の話。

まあ、もし有罪になっても執行猶予がついてしまう可能性が高いらしいけど。

 

「上級国民は犯罪を犯しても許されるのかッ!!!」

と思っちゃう。

だけど、そんな日本よりも酷いのがお隣の韓国。

韓国は財閥が政財界を牛耳っているので、財閥関係者が犯罪行為を行ってもすぐに釈放になったり、恩赦になったりするとか…。

その理由がまた、スゴイ。

韓国の財閥関係者は逮捕されないし、逮捕されてもすぐに釈放される

「財閥」とは、ある一族が独裁支配する企業と、その企業が支配する子会社グループ全体のことを指す。

日本では三井・三菱・住友・安田の4大財閥が有名。

だけど日本の財閥システムは、戦後のアメリカによる支配の一環として強制的に解体させられた。(財閥解体)

これにより、日本はわりとまともな競争社会の土台ができたのかもしれない。

 

だけど、お隣の韓国ではいまだに一部の財閥が猛威を振るっている。(サムスンとかヒュンダイとかね)

wikipedeaの「財閥」に記載されている、韓国の財閥についての説明文がこちら。

財閥のトップは、自グループ内はもちろんのこと政界や経済界にも強い影響力を発揮する。

仮に犯罪行為を犯して収監されても、早期に仮釈放させて国の経済に貢献させよという論調が出る社会構造となっている。

例えば、1990年から2012年にかけて、しばしば韓国10大財閥のトップが横領や背任、暴力行為等で逮捕されることがあったが、有罪判決を受けても大抵は執行猶予が付くとともに頃合いを見て特赦が与えられ、犯罪行為自体が無かったも同然となっていた。

参照元:財閥(wikipedia)

「たとえ犯罪を犯していたとしても、経済に貢献できるのなら許していいじゃないか!!」

韓国ではそんな考え方もあるという。

どんな犯罪を犯しても、最終的には恩赦され、犯罪そのものが”なかったこと”とされる。

なんとも恐ろしい話だ。

 

過去には財閥の御曹司が運転手に金属バットで暴力をふるうとか、あのナッツリターンの事件とか、とにかく権力者が傍若無人に振る舞う事件が度々起きている。

韓国の上級国民優遇は、日本よりも酷そう。

 

では、普通の民主国家であり、一説には「自由と平等の国」であると噂されるアメリカはどうだろう?

最強の上級国民であるアメリカ大統領が犯罪を侵したら、逮捕、起訴できるのだろうか?

現役のアメリカ大統領が犯罪を侵したら逮捕されるのか?

アメリカの現役大統領は、恐らく世界で最も上級にいる国民のひとりだろう。

では、そんな大統領がリアルに犯罪を侵したらどうなるのだろう?

 

もっとも有名なアメリカ大統領の犯罪といえば、ウォーターゲート事件だ。

 

ウォーターゲート事件は現役の大統領であるリチャード・ニクソンが、敵対陣営に対する盗聴や犯罪のもみ消し、司法妨害、証拠隠滅などを行った、一大スキャンダル!!

大統領の指令によって、実行犯5人の元CIA工作員が民主党本部に侵入し、盗聴器を仕掛けようとした。

しかし実行犯の一人がオートロックのドアが閉じないように設置したテープをはがし忘れてしまう。そのテープを警備員が発見し、警察に通報。

実行犯の5人は盗聴器を仕掛ける間もなく、全員があっさり逮捕された。

その直後からホワイトハウスは事件のもみ消しに動く。

実行犯の5人単独犯だとし、事件への関与を完全否定した。

結果、実行犯の5人は全員有罪。

 

しかし実行犯のリーダーであるハワード・ハントは、ホワイトハウスに対して多額の金額を請求する。

「真実はしゃべって欲しくないのなら、金を用意しろ!!」と。

その時に大統領の発現は、盗聴器によってしっかりと記録されている。

ニクソン大統領「もみ消しは失敗か?100万ドルばらまいて連中を黙らせろ!

当時の大統領執務室にはニクソン自身が仕掛けた盗聴器が複数設置されており、疑惑の最中に会ってもニクソンは決定的証拠音声を処分しなかった。(側近はすぐに焼却するよう進言した)

この盗聴の事実は大統領を含め、数人しか知らないトップシークレット。

しかしその存在が暴かれ、結局、最高裁で音声を公開するように判決が下される。

 

公開された音声には、ニクソン大統領の生々しい犯罪の証拠がギッシリと詰まっていた。

 

結果、大統領の側近をはじめとした”上級国民”の20名が有罪

で、肝心のニクソン大統領はどうなったかというと…。

 

ニクソン大統領はすぐに解任され、後任にはフォード大統領が選ばれた。

しかし…

「これ以上、国を混乱させるわけにはいかない」という理由からフォード大統領はニクソンの側近たち犯罪行為に恩赦を実施し、ニクソン本人の起訴も見送られた。

 

まあ、ウォーターゲート事件自体が40年以上前の話だし、今のアメリカがそうともいえないけど、でも「上級国民への優遇」はどこの国でもあるみたいだ。

今後は上級国民が優遇されない時代になっていく

韓国では財閥関係者が逮捕されても、経済損失の方がヤバいからすぐに釈放されちゃう。

なんて紹介したけど、韓国国民もこんな「上級国民の優遇」を許せるわけはない。

上級国民の優遇は大きな社会問題になっており、いまがちょうどその転換期でもあるようだ。

 

ポイントは韓国の財界や芸能界に蔓延する薬物問題。(日本も同じだね)

 

今までは有力者がこういった犯罪行為を犯しても許されてきたし、それが世に出ることもなくもみ消されていたケースも多々あった。

だけどそんな上級国民への忖度を、普通の韓国国民が許すはずがなく「ふざけんな!」という声がネットにあふれている。

そんな激しい国民感情への忖度で、いま韓国警察は岐路に立たされている。

 

現在、韓国の某有名アイドルや、某大手財閥の関係者が、薬物疑惑の最中にいる。

彼らをしっかりと有罪にすることで、「韓国警察だって真面目にやってますよ。上級国民なんて、そんなのに忖度するわけないじゃないですか~」と国民に示す必要があるみたいだ。

そのために韓国警察は躍起になっているとか。

 

これもまた国民感情への忖度なわけだけど。

 

韓国は国民感情が強いパワーを持っていて、国民感情の前では大統領だろうが司法だろうが無力!

国民感情に逆らった大統領は逮捕されるし、徴用工問題を見ればわかる通り、司法だって国民感情を無視できない。

つまり今の韓国では、財閥よりも、大統領よりも、法律よりも、世論が強い力を持っているのだろう。

だとしたら、たとえ財閥が強い力を持っていたとしても、昔よりは「上級国民への優遇」が減っていくかもしれない。

 

では、日本はどうだろう?

日本も同じように、昔よりは上級国民への優遇が減っていく流れになっていくと思う。

今回の池袋事件がそうであるように、すぐに問題は広がってしまうのだから。

 

でも、きっとまだまだ上級国民が優遇される時代は続くだろうと思われる。

忖度は日本人の得意技だしね。

 

テレビの刑事ドラマなんか見てると、政治家の息子が犯罪を犯して、父親が警察上層部に隠ぺいを支持。現場の刑事が「なんでいきなり捜査打ち切り何ですか!!納得できませんよ!」なんてシーンがよくあるけど、あれってマジで行われているんだろうな~。

政治家だっていろんな犯罪や陰謀をもみ消しているだろうし。

実際、上級国民のwikipediaは削除され、閲覧できない状態になっている。

削除したのは、明らかに上級国民に対する批判を抑えたい、上級国民に属する側の人間だろう。

 

上級国民の犯罪行為や隠ぺい工作は、知らないところでいっぱい行われているのかもしれない。

 

もし上級国民が人を轢いても逮捕されず、有罪になっても執行猶予がつくとしたら…

私のような権力や地位がまったくなく、金もない、弁護士の知り合いもいない、社会の底辺を蠢くゴキブリのような人間は、人通りのない深夜の交差点を歩いていて赤信号無視をしただけでも逮捕され、有罪になり、ブタ箱に放り込まれてしまうだろう。

まったく、エリート下級国民にとっては生きずらい世の中だ。

 

そもそも「上級国民」なんてワードは造語で、実際に上級国民が存在するわけじゃない。

だけど上級国民に対する優遇は、日本も韓国もアメリカも、そして世界中の社会の中であるみたい。

確かにそれは仕方のないことなのかもしれない。

だけど加害者がどんな人間でも、どんな社会的地位にいたとしても、それとは関係なく”純粋な犯罪の重さ”で裁いて欲しい。

それがもう帰ってこない被害者への、せめてもの手向けとなるのだから。

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