自己啓発

自分を変える!マインドフルネス瞑想法の効果的な実践方法

2016年8月27日

いま新しい瞑想法として「マインドフルネス」が話題になっている。

瞑想から宗教的要素を取り払ったのがマインドフルネスで、科学的にもその効果が証明されている。

その効果は素晴らしく、うつ病治療に利用されたり、企業がマインドフルネスを導入したりと、幅広いジャンルで活用されている。

自分をより良く変えるため、ストレスを軽減するための、マインドフルネスの効果的なやり方を紹介しよう。

マインドフルネスの素晴らしい効果とは!?

マインドフルネス瞑想法はテーラワーダ仏教のヴィパッサナー瞑想が基になっているといわれている。

仏教的な瞑想から宗教要素を排除し、どんな宗教や人種の人でも手軽に行えるようにしたのがマインドフルネスってこと。

 

瞑想は2500年以上の歴史をもっているだけに、マインドフルネスにも確かな効果があるであろうことは想像できる。

実際、科学的な検証においても脳に好影響を与えることがわかってきている。

マインドフルネスは気分の落ち着けたり、ストレスを軽減する以外にも、うつ病やパニック障害などの精神疾患の治療にもとても効果的とされている。

うつ病は治っても再発することが多い病気だけど、マインドフルネスを行っているとかなり効果的に再発を予防できるという。(ただし重度のうつ病にマインドフルネスは逆効果の場合もあるから注意が必要だ!)

 

カーネギーメロン大学のデイビッド・クレスウェル准教授は、マインドフルネスの効果について面白い実験を行った。

被験者を集め、ふたつのグループに分ける。

ひとつ目のグループにはマインドフルネスを教え、それを行いながらリラックスして3日間過ごしてもらう。

もうひとつのグループには、被験者にただただリラックスして3日間過ごしてもらう。

 

一見似たようなライフスタイルを送る2つのグループだけど、その後の脳の検査で大きな違いが現れた。

マインドフルネス実践者は前頭葉のdlPFC(思考や認知などのまとめ役で大脳全体の司令塔と呼ばれている)の活動が活発化していたのだ。

ただリラックスして過ごしただけのグループは、逆にdlPFCの活動が低下していた。

 

ただリラックスしているだけの状態の脳は、何かしらの行動を起こすための準備・待機状態になっている。

そんな状態だと、脳の中でさまざまな雑念が浮かんでしまい、ストレスの原因になるのだ。

マインドフルネスを行うと、dlPFCの影響で脳の待機状態をうまくコントロールでき、雑念を取り払うことができる。

それでストレス解消になるし、ストレスを感じづらくなるという。

 

イメージ的にはリラックス状態は「電源を消したテレビ」だろう。

リモコンですぐさまテレビ番組を見れる状態になっている。対してマインドフルネス状態は「主電源を消したテレビ」であり、より脳が休める状態となっている。

 

前頭葉のdlPFC以外にも、マインドフルネスは脳の構造自体を変化させてしまう強い力を持っているという。

マインドフルネスで海馬が大きくなる

1日45分のマインドフルネスを8週間行ったあとの脳の器質的変化を検証した実験によると、マインドフルネスを行うことで海馬の灰白質が5%も大きくなっていたという。

海馬は脳の中でも記憶や感情をつかさどる部分。長期的なストレスにさらされると損傷してしまい、うつ病の原因になる場合もある。たとえば、監禁されていて長期間強いストレス下に晒された人間の海馬は、平均よりもかなり小さくなっているという。

海馬の大きさとストレス耐性には強い関係があるのだ。

マインドフルネスで偏桃体が小さくなる

脳の中にある偏桃体は不安や恐怖を感じる部分。これが活発化していると、少しのことでも大きな不安を感じてしまい、ストレスの原因になる。

マインドフルネスを日常的に行うと、偏桃体が小さくなることが確認されている。

偏桃体が小さくなれば、少しの刺激でも過剰に不安になったりすることはないだろう。

マインドフルネスの実践方法

mindful(マインドフル)は「周囲のことなどに気を配ること、意識すること」という意味を持っている。

マインドフルネスの神髄は、自分自身の思考と周りの世界を意識する(=気づく)とこにある。

瞑想をすると雑念が浮かんでしまう。これを取り払い心の中を”無”にする。これこそが迷走の神髄!悟りの境地や!!

 

…とかいわれるけど、「瞑想をすると雑念が浮かぶ」ではなく、「瞑想をすると雑念に気づく」というのが正しい。

 

わたしたちは日常生活の中で、ほんとうに色んなことを無意識に考えてしまう。

何気ない時に昔のことが思い浮かんだり、将来が不安になったり、何でもないことが気になったりするのは、脳がリラックス状態であるがゆえに、いろんな雑念が浮かんできてしまっているのだ。

マインドフルネスを行うと、自分はいろんなことを考えているんだな~ということに気付ける。

悟りの境地に達しなくても、雑念の存在に気付けるだけで十分にマインドフルネスの効果があるのだ。

 

では具体的な方法を紹介しよう。ちなみにここで紹介する方法は、ただの一例に過ぎない。

自分や世界を意識することができれば、歩いていたってマインドフルネスはできるし、信号待ちのちょっとした時間にも行えるだろう。

 

①目を閉じて呼吸を意識する。

呼吸法についてのルールはないので、自分の楽なように吸って吐いてを繰り返す。

腹式呼吸でも胸式呼吸でも問題ない。

②雑念が浮かんできたら、雑念があることを意識する。

雑念を無理になくそうとせず、ただ意識する。雑念を客観的に意識で来たら、雑念をそのままに、ふたたび呼吸に意識を向ける。

無我の境地にいけるのはごく一部の聖人たちだけだ。

③身体の感覚を意識する。

空気を吐くときの胸の動き、吸うときのおなかの動きを意識してみる。

座っている椅子の感覚、肌に触れる服の感覚などを感じるかもしれないし、次第に鼓動、血液の流れを感じることもあるだろう。

④世界を意識する

肌の感覚を意識すると、その次は自然と自分の周りの世界に意識が向かう。

自分の体重を支えている床の硬さ、窓の外から聞こえる自然の音、自動車の音や人の話し声。エアコンや人の動きは作り出す部屋の空気感。それらを均一に、まとめて意識する。

⑤ゆっくりと目を開ける。

集中しなきゃ!なんて気を張らなくてもいいし、時間にもこだわらなくてOK。5分でもいいし、それより短くてもいい。

慣れてくれば長時間やってもいいけど、1日30分もやれば十分。長い時間やるよりも、毎日行うことのほうが重要だし効果が大きくなる。

マインドフルネスの手順を紹介したけど、実は順番なんかに大した意味はない。とにかくリラックスしてすべてを”意識する”(=気づく)ことが大事だ。

 

マインドフルネスは心のトレーニング。毎日行えば、脳の海馬を大きくし、偏桃体を小さくできる。

健康のために毎日やってるジョギングのように、心の健康を維持できるのではないだろうか。

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