時間は使える長さに比例して無駄遣いされるという!!
…どういうことか?
例えばある仕事に4時間という時間が使えるとすると、その仕事が完了するまでに4時間いっぱいかかる。
例えば締め切りが週末の金曜日の仕事があったとすると、その仕事が完了するのは金曜日である。
例えば会議の時間が1時間に区切られていたとすると、その会議は1時間かかる。
本来ならもっと早く終わるはずの仕事も、設定された時間いっぱいまで使われ、その多くは無駄に使われている。
普通であれば、タスク(仕事・課題)に必要とする時間は、そのタスクを行う人のスキル(技術)によって決まると考えるところ。
しかし実際は、自分のスキルで決まるのではなくて、”自分が使える時間”でタスクを完了するのに必要な時間が決まる。
この逆転の発想。
これをパーキンソンの法則と呼ぶ。
自分が使える時間が増えれば増えるほど、無駄に過ごす時間も膨れ上がるってわけだ。
ではパーキンソンの法則を利用して時間を効率的に、有意義に使うにはどうすればいいのだろうか?
時間管理のためのパーキンソンの法則
パーキンソンの法則は人間社会の不思議で不条理な法則を鋭く指摘している。
パーキンソンの法則
第1法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
確かに時間が決められると、与えられた時間いっぱい使ってしまう。
時間に少しでも余裕があると、なんとなくぼ~っとネットサーフィンしたり、無駄に時間を過ごしてしまう。
これはお金にも言えること。
給料が安ければ安いで生活できたのに、収入が増えたら増えただけいらない出費が増えて、なぜか月末にはカツカツになってしまう。
財布に1万円入っていたら、その1万円に見合うだけの何かを買ってしまう。
自分を振り返ってみると、多かれ少なかれ思い当たることがあるんじゃないだろうか?
特に自分の裁量で時間の使い方を決められる人は要注意だ。
例えば自営業や主婦、残業が当たり前の職場、作家やフリーライターなどの職業は、きっちりかっちり時間が決められた職業よりも何倍も時間を無駄にしている可能性がある。
もちろん、時間に厳しい仕事をしていたとしても、その仕事の内容によっては多くの無駄な時間が作られている。
それに時間で区切られた平日は時間を有意義に使えても、自由な時間が多い休日にはとたんに無駄な時間を過ごしてしまう可能性も大いにある。
では、わたしたちはどうしたら有意義で実のある時間を過ごせるのだろうか?
時間を有意義に過ごす3つの方法
①目標を明確化する
時間を有意義に過ごすためにもっとも有効なのは、目標を明確化することだ。
逆に言えば、世の中のほとんどの「時間の無駄」は目標を明確化されていないために発生しているといっていい。
たとえ横になって寝ながらテレビを観ていたとしても、そこに「身体を休める」という目標があれば時間を無駄にしていることにはならない。
ただ何となく、動く気も起きないし、ヒマだし、やることもないしで、無意味に横になってテレビを観ていたら、それは「時間の無駄」ということになる。
時間に価値を与えるのは目標だ。
「目標?そんなのあるに決まってるでしょ?」
そう思うかもしれない。
でも、本当にその目標は時間に価値を与えているだろうか?
目標は明確でなければいけない。
目標は具体的であればあるほどいい。
なぜならば、目標が明確であればあるほど、具体的であればあるほど、その目標を達成するまでの道筋も明確になるからだ。
道筋が明確になれば、その道筋を一歩一歩、確実に歩むだけ。
たとえその一歩がどれだけ些細なものだったとしても、確実に、少しずつ目標へと近づいていく。
例えば、
「今日一日を平和に、幸せに過ごす」
このような具体性を欠いた目標を持っていたのでは、意味のある一日を過ごすのは難しいだろう。
②時間を区切って集中する
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
だとしたら、使える時間を短く区切ってしまえば、その時間が有意義に過ごせるということになる。
シンプルだけど効果的な方法だ。
目標が明確化すれば、その道筋も明確になる。
そのステップを明確化し、それぞれに時間を区切って目標設定することで、より時間は濃密なものになっていくだろう。
③環境を整える
時間管理で忘れがちなのが”環境”という要素だ。
どれだけ仕事ができる人でも、環境が悪ければ時間を無駄にしてしまうし、どれだけ集中力がない人でも、環境がよければカッチリと仕事ができる。
まずは自分の時間を奪っている要素を洗い出し、それを徹底的に排除する。
することリストではなく、しないことリストを作成して実践する。
ネットを見ちゃう。
漫画を読んじゃう。
誰かと雑談しちゃう。
自分のタスクの邪魔となるものはなるべく排除し、集中できる環境を整えることが大切だ。
パーキンソンの法則を活用する実例
食事の時間として1時間の空きがあったとする。
この1時間を無駄に過ごさないためには、まず食事という目標をどう設定するかがキモだ。
「とりあえず、どっかの店でランチでも食べようかなぁ~」
なんて目標は最低!
結局「ああ、こっちの店もイイな。おお、この店のランチはサラダが食べ放題なのかぁ。どれにしようかな~。う~ん、迷うなぁ~…ああっ!!もう50分も過ぎているじゃないか!!」と、時間を無駄にしてしまう。
目標は具体的であればあるほどいい。
「どっかでランチ食べよ~」
「よし、今日はカレーにしよう」
「よし、今日は○○に行って850円のカレーを食べよう」
目標は具体的であればあるほど、無駄な時間がそぎ落とされ、有意義な時間に変化していく。
そうなれば、目標を達成する時間も短縮され、余った時間に休憩できるし、次の新しい目標に着手する時間にもなる。
大切なのでもう一度。
時間に価値を与えるのは明確な目標なのだ。
パーキンソンの法則まとめ
パーキンソンの法則を知っていれば、「この仕事は1週間以内に終わらそう」とか「このメールの返信は1時間以内にやろう」なんて安易に計画を建てられなくなるだろう。
そんな曖昧な目標は、時間を無駄に過ごす危険性を高めるだけだからだ。
「この仕事の○○という部分は、××までに△△という方法で対処し、◇◇さんに指示を仰いで、次のステップに移ろう」
という風に、なるべく具体的に目標を設定することが大切。
より明確な目標。
時間を区切って集中する。
環境を整える。
この3つの時間管理のコツを実践すれば、無駄な時間が劇的に減り、有意義な時間が何倍にもなるだろう!!!