モーセの十戒の話はな~んとなく知っているけど、その詳細はまったくわからない。
知っていることと言えば…モーセはたくさんの民衆と共に、とにかく何か軍的なものから逃げている。海に追い詰められるモーセ達。そこでモーセが神の力で海を真っ二つにしてその中を逃げる!追ってきた悪い軍勢は海に飲まれて全滅!共に逃げていた民衆たちも無事でした。めでたしめでたし。
と、それくらい。
いまいちよくわからないので、モーセは何から逃げていたのか?
十戒の内容とは?
この伝説は実際に起きていたという説などなど、十戒についてくわしく調べてみた。(大いに主観アリ)
モーセの数奇な運命を簡単に説明。
モーセの物語は旧約聖書の出エジプト記で語られている。
主人公のモーセは”預言者”だ。
ちなみに「予言者」は未来を当てる人の事、「預言者」は神の声を聞く人の事。
モーセはヘブライ人の家に生まれるも、その当時の王様ファラオが「赤ん坊全員殺せや!!」という無謀な命令を出す。それでモーセの親父さんがモーセを生かすため、秘密で赤ん坊のモーセをナイル川に流すのだ。
そこで数奇な運命が発動!!
ナイル川に流れる赤ん坊を拾ったのは、殺害命令をだしたファラオの王女だったのだ。そこでモーセは王族として育つ。
しかし成長したモーセはエジプト人にヘブライ人がいじめられているの見て、そのエジプト人を殺してしまう。その結果、モーセはファラオの元を離れ、田舎で羊飼いとして暮らすことになる。
そこで数奇な運命が発動!!
「ちょっと、モーセ君。聞こえる??ねえ」
神が語りかけてきたのだ!
モーセ、羊飼いから預言者にジョブチェンジである。そこで神はモーセに、イスラエル人を「約束の地カナン」に連れていくという使命を与えた。
その神の声に従い、モーセはエジプトに戻ってファラオに頼み込む。
モーセ「奴隷になってるユダヤ人を開放してくれ!カナンに連れてくんだ!!」
ファラオ「いや普通にダメ!」
無下に断られるも、イナゴの大群とか、いろ~んな神の怒りである「十の災い」がエジプトを襲う。
そこでしょうがなく、ファラオはモーセの申し出を受ける。
そしてモーセは沢山の奴隷となっていたイスラエル人を引き連れて、約束の地カナンに向かって旅立つわけだ。
しかしファミレスで注文をした直後に「やっぱり違うのが良かったかな?」と速攻で後悔するが如く、ファラオはすぐに心変わり。エジプトの軍勢をモーセたちに差し向けた!!
紅海に追い詰められるモーセ!
そこで神の奇跡が発動!
海が真っ二つに割れて、そこをイスラエル人たちは無事通ることが出来た。しかし、エジプトの軍勢がその中を通ると、海は元通り、みんな死んじゃうわけだ。
超かいつまんで話すと、モーセの物語はこんな感じ。
*カナンの地は現在のパレスチナあたり。神はイスラエル人を助けるよう命じたが、イスラエル人=ヘブライ人=ユダヤ人ということらしい。つまるところ現在の中東問題は紀元前から続いているわけで、詳しくは池上さんのわかりやすい説明を聞いてほしい。
十戒の内容とは?
十戒は預言者モーセの聞いた神の言葉。
タイミング的には、民衆を連れてエジプトを出立した後、途中に訪れたシナイ山でもって神の十戒を聞いたという。
➀他の神を信じてはならない
②偶像崇拝禁止
③神の名をみだりに唱えてはならない
④週の7日目を安息日とせよ
⑤あなたの父と母を敬え
⑥殺してはならない
⑦姦淫してはならない
⑧盗んではならない
⑨偽証言してはならない
⑩人の物を欲しがってはいけない
うん、現代にも通じる大切な約束だね!!
モーセの十戒の内容や、それにまつわるストーリーについて簡単に紹介したわけだけど、お次は「十の災い」について。
なんと、ファラオを襲った「十の災い」は実際に起きていたという説があるのだ。
十の災いは実際に起きていた??
聖書に記載されている出来事は、実際に起きていたのではないか?
そう考えて、それを研究テーマとしている研究者がたくさんいる。
そんな研究者たちの研究によると、出エジプト記に登場する十の災いもまた、実際に起きていた可能性があるという。
というのも、十の災いのすべてがたったひとつの自然災害で説明がつくから。
本当に十の災いは起きていたのか?
まずは当時のファラオを襲った神の怒りの内容を紹介しよう。
十の災いの内容
- 血の災い(ナイル川の水が血に染まり、魚が死に絶える)
- カエルの災い(カエルが大量発生する)
- ブヨの災い(ブヨが大量発生する)
- アブの災い(アブが大量発生する)
- 疫病の災い(家畜に疫病が蔓延する)
- 腫れものの災い(体中に腫れものができちゃう)
- 豹の災い(激しい稲妻や雹が人々を襲う)
- イナゴの災い(イナゴの大群が作物を根こそぎ食い荒らす)
- 暗闇の災い(エジプトが暗闇で覆われる)
- 長子殺しの災い(すべての長子が死に絶える)
虫や動物が大量発生するとかは、なんとなく起きてもおかしくない気がする。
だけどナイル川が血に染まるとか、エジプトが暗闇で覆われるとかは、どう考えても実際に起きていたとは思えない。
しかし…
カナダの分子生物学者シロ・トレヴィサナート博士によると、十の災いはすべてたったひとつの自然災害で発生する可能性があるという。
それは火山の噴火。
火山が大噴火すると大量の塵や二酸化硫黄が噴出され、その塵は成層圏まで到達するという。
そうなれば大量の塵によって、エジプトが暗闇で覆われることだってあり得る。
その天変地異は激しい雷や雹の原因にもなるだろう。
また、噴火によって吹き上げられた二酸化硫黄は酸性雨となって周辺の川に降り注ぐ。その結果、川で赤色の藻が大量発生し、赤く染まるケースがあるという。
ナイル川が酸性になれば、そこにいたカエルたちは飛び足してくるし、それは大量発生したように見える。
強い酸性雨は人の肌を刺激して”腫れもの”を引き起こす。家畜も酸性雨の影響で、まるで疫病にかかったように体調不良を引き起こすだろう。
魚や家畜たちが死ぬと、周りには死体が溢れ、不潔な環境になってしまう。
そうなると、アブやブヨ、ハエなどが大量発生する原因になる。
バッタの大量発生による災害は蝗害(こうがい)と呼ばれるが、蝗害は広い土地で気温が高くなり、降水量が増えたときに発生する。このような環境も、大噴火の後にできあがる可能性がある。
長子殺しの災いについては…
トレヴィサナート博士によると、火山による大災害を収めるための生贄だったのではないかと予測している。(当時のエジプトには生贄の文化があった)
こうやって一つ一つ考えてみると、多少強引な気はするものの、十の災いは噴火という自然現象で説明できなくもない。
だけど十の災いどころか、モーセが実在していたのかすら明確にわかっていないし、モーセが生きた時代も紀元前1500年説とか1300年説があり、確かなことはわかっていない。
それにそもそも、当時のエジプトでこれほど大規模な災害を引き起こすような火山噴火は起こっていない。
十の災いは、確かに実際に起きた出来事を基にして書かれていた部分はあるのかもしれないけれども、あくまでも伝説。
聖書に記載された事件が実際に起きていたと考えるには、ちょっと根拠が乏しいのではないだろうか。
私たちが厳守すべき現代の十戒
というわけで、十戒の内容を紹介したわけだけど、どれも現在に通じるくらい大切な約束事ばかり。
だけどどれだけ素晴らしくても、数千年前に作られているわけで、現代の生活にそぐわない部分もある。
そこで私が適当に考えた現代の十戒を紹介したい。
これを守れば21世紀も快適に過ごせるはずだ。
➀ネットの書き込みを信じてはいけない
②勝手な転載の禁止
③みだりに煽ってはいけない
④週に一度はネットをやらない日を作ろう
⑤親のすねをかじって引きこもってはいけない
⑥冗談で殺害予告をしてはならない
⑦SNSの個人情報がわかるものを乗せてはいけない
⑧違法ダウンロードをしてはいけない
⑨SNSで嘘にまみれたリア充アピールをしてはいけない
⑩会話をしているときや歩きながらスマホをいじってはならない
無神論者が多い日本人。
その日本人の共有する”根本的な行動規範”とは何なのか?
新渡戸稲造の著した武士道では、「恥を知ること」が重要な道徳観念や行動規範の礎となり、日本人を支えてきたとある。
社会通念と、人とのかかわりの中で、自然発生的に人間の行動を規定する”恥”という概念。
その恥という概念は、ネット社会においてしばしば暴走するような気がしないでもない。
現代の日本における「神」とはネットワーク上におぼろげに存在する「集合的民意」であると思うのだが、どうだろうか?