毎年4月1日はエイプリルフール、嘘をついてもいい日とされている。
でも、なんでこの日だけ嘘をついていいんだろうか?
大昔に高名な聖者が、誰かをかばって嘘をついて身代わりに十字架にかけられた日だとでもいうのか?
エイプリルフールの由来と起源を調べてみた。
エイプリルフールの由来と起源
エイプリルフールがいつごろ始まったのか?その起源とは?
結論から言うと、エイプリルフールの始まりには諸説あり、どれが正しいというのはわからない。
その起源として考えられているものを3つばかり紹介しよう。
インドの煩悩にまみれた坊さん説
インドでは春分に仏教の説法が行われ、座禅を組んだりといった修行をする。
しかしその修行が終わる4月1日には、修行やありがたい説法の内容もわすれて、すっかり普通の暮らしに戻ってしまう。
これをからかう意味で、4月1日を揶揄節と呼んだ。揶揄とは”からかう”といった意味。
煩悩を捨て去った風の坊さんが、思わず夫人の胸を凝視してしまう…そんな人間らしさをからかって遊んでいたのだろう。
この揶揄説がエイプリルフールの起源になったという説もある。
古代ローマの逆さま祭り説
古代ローマでは4月1日にすべての役割を逆さまにして楽しむ祭りがあったという。
主人と奴隷が入れ替わる。聖職者と道化師が入れ替わる。
そんな風にして嘘を楽しむ日が、エイプリルフールの起源となった。
1年に1度くらいこんな日があれば、お互いの立場に立って思いやる気持ちも育まれるかもしれない。
親と子を交換、先生と生徒を交換、囚人と看守を交換、医者と患者を交換、なんてね。
フランスのハッピーニューイヤー説
中国ではグレゴリオ暦以外にも中国歴が使われていて、旧正月は盛大に新年を祝う。
ネパールでもヴィクラム歴とグレゴリオ暦を併用していて、西暦2016年はヴィクラム歴では2078年になる。
この様に固有の暦を採用している国はたくさんある。
実はフランスもかつて独自の暦を使っていた。しかし16世紀に入りグレゴリオ暦が採用されることになる。
今まで新年を祝う日が、グレゴリオ暦では4月1日。新しい暦の導入に反対する人たちが「嘘の新年」として4月1日にお祭り騒ぎを始めたのが、エイプリルフールの始まりだという。
エイプリルフールにダメな嘘とオススメの嘘
エイプリルフールは嘘をついていい日、とはいってもすべての嘘が許されるわけではないだろう。
エイプリルフールだからといって、おつりが200円のところを「はい、200万円!!」と言ってはいけない。
エイプリルフールだからといって、軽犯罪なのに裁判長が「はい、死刑!!」と言ってはいけない。
許されるのはユーモアにあふれた人畜無害の嘘だけなのだ。
「どうぞ、わたしは次の駅で降りますから」と電車で席を譲り次の駅で下車、隣の車両に移動する。
「この前宝くじで3000円当たっちゃってさ、だからラーメンご馳走するよ」と実は当たってもいないのに食事を奢る。
「ここは俺に任せろ!!な~に、すぐに追いついてやるさ!アイツはおまえを待ってるはずだ…早く行けっ!!!」と絶対に勝てないであろう強敵を前に捨て石になる。
年に1度胸を張って嘘をつけるエイプリルフール。せっかくなら、こんなやさしい嘘をついてはいかがだろうか?