ピロリ菌とは胃の中に住んでいる細菌の一種だ。
正式名称はヘリコバクター・ピロリ。
このピロリ菌は胃の中で様々な悪さをする。
胸焼けがしたり、胃痛や胃もたれ、そして最悪の場合には胃がんの原因にもなりえる。
今回は私自身の体験から、ピロリ菌が自分の胃にいるのか調べる方法と、除菌の方法を紹介しよう。
胃がんのリスクが大幅UP!ピロリ菌とは?
ピロリ菌はいろいろな病気の原因になりますが、なかでも以前から注目されていたのが胃がんとの関連でした。
近年、胃がん発症のリスクになるという証拠が十分に集まり、世界保健機関(WHO)は2014年、全世界の胃がんの80%はピロリ菌感染が主たる原因であると発表しました。
強酸性である胃の中に細菌なんているわけない、かつてはそう思われていた。
そんな胃の中で発見されたのが、恐ろしいほどタフな細菌であるピロリ菌だ。
ちなみにピロリ菌を発見した博士は、その功績からノーベル生理学・医学賞を受賞している。
この事実からも、ピロリ菌が恐ろしい細菌であることがわかるだろう!!
そんなタフな細菌であるピロリ菌であるが、知っての通り、胃の中で大いに悪さをする。
ピロリ菌がいると慢性胃炎の原因になるし、慢性胃炎は放っておくと、だんだんとポケモンのように進化する。
慢性胃炎→萎縮性胃炎→腸上皮化生→胃がん
こんな風に、だんだんと症状が悪化していき、胃がんにメガシンカするリクスも上がるのだ。
WHOの発表によると胃がんの80%が、このピロリ菌によるものだという。
最近は清潔な環境になってきたので、胃の中にピロリ菌がいる人はめっきり減ってきている。
だけど、もし検査で胃の中にピロリ菌がいることが判明したら??
胃がんリスクを下げるためにも、たとえ今健康だったとしても、ピロリ菌の除菌は行った方が良いだろう。
私自身のピロリ菌除菌体験記
では、ピロリ菌発見から除菌に至るまでの私自身の体験談を紹介しよう。
ピロリ菌発見の方法当時勤めていた会社の健康診断で、小奇麗な健康診断センターに行った時の事。
検査を受ける前に渡された書類に、追加でいろいろと調べることが出来るオプションがあった。
今までそんなものはやったことなかったので、ためしにやってみる事にした。
「え~と、癌マーカーやピロリ菌検査。
めんどくさいから、ぜんぶやっちまえ!!」
そうしたら、バッチリ自分の胃にピロリ菌が発見されたわけだ。
ピロリ菌がいるかどうかわかる検査は、採血か専用のパック(空のヴィダーインゼリーの容器みたいなもの)に息をぷう~っと入れる事で行うことが出来る。
健康診断を定期的に受けているなら、オプションで検査できるかもしれないし、近くの消化器系内科を受診すれば自分の息だけですぐに検査してくれるだろう。
ピロリ菌除菌の保険適用について
ピロリ菌の除菌治療は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの症状が出ている場合のみ保険が適用されていた。
しかし2013年2月より慢性胃炎の治療としても、保険適用でピロリ菌除菌を行うことが出来るようになったという。
私がピロリ菌の除菌を行ったのは2013年より前の話。
当時は胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの症状は出ていなかった。
胃カメラを飲んで胃の状況を調べたところ、胃には軽い炎症が見られた。
「綺麗な胃の状態なら保険適用は無理だけど、これなら胃潰瘍ってことで保険適用できるよ」と先生が言ってくださり、保険適用で治療を受けることが出来たのだ。
「ピロリ菌は飼っていても何のメリットもない。即刻除菌すべき!」先生はそう力説していた。
もし胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性胃炎の症状がまったくなく「ピロリ菌の除菌が保険適用外になるんじゃないか?」なんて不安に思っているとしたら、一度消化器系内科を受診して相談してみるのが良いだろう。
ピロリ菌の治療方法
ピロリ菌の除菌は数種類の抗生物質を飲み続けることで行う。
自分の場合は、一週間、朝晩と毎日2回飲み続けた。
抗生物質は必ず決まった回数を欠かさずに飲み続けなければならない。
なぜなら、中途半端に抗生物質を飲むと「多剤耐性菌」が生まれるからだ。
抗生物質に耐性が出来たピロリ菌が突然変異的に生まれたら、ますます除菌が難しくなってしまうだろう。
そんなわけで、いつもは食べない朝食もちゃんと食べて服用していた。
このピロリ菌除菌、これだけ毎日抗生物質を飲んでも、成功率が7~8割という。
私はというと、一週間の抗生物質服用後に検査した結果、失敗であった。
あんなに欠かさずに飲んでたのに…。
やっぱりというかなんというか、一発でバシッと決めれる人生を歩んでいないわけだ。
で、2度目の除菌。
除菌方法はまったく同じで、抗生物質の種類だけ変え、再度一週間飲み続けなければならない。
2度目の除菌の結果、無事ピロリ菌除は完了した。
1度目の除菌で失敗する人は多いけど、ほとんどの場合は2度目の除菌で成功するという。
除菌したからわかったピロリ菌の自覚症状
ピロリ菌がいた頃は、ある日突然めちゃくちゃ胃が痛くなる事があった。
「うう…コーヒーの飲み過ぎだ…」そう思っていたが、今思い返すとあの原因不明の胃痛の原因はピロリ菌のせいだったのかもしれない。
除菌した今では、そんな胃痛に悩まされることはなくなったからだ。
それに”胸焼け”も除菌の後は、すっかりなくなった。
ピロリ菌除菌前は、食べ過ぎると胃のあたりに胸焼けや不快感があった。
そのたびに太田胃散を飲みながら「歳のせいだな…」と、本気で思っていた。
だって大人は全員”脂っこい食べ物が苦手になっていくもの”だと思っていたから。
だけど除菌してみると、胸焼けになる頻度が劇的に減ったのだ。
おそらく胸焼けや胃の膨満感もピロリ菌の悪影響のためだったのだろう。
ピロリ菌の自覚症状
- 慢性胃炎
- 胃の膨満感
- 胃痛
- 胸やけ
「ピロリ菌には自覚症状がない」
なんていわれることがある。
だけど実際にピロリ菌を除菌した身からしてみれば、それはあり得ない。
おそらくピロリ菌による自覚症状が当たり前になっているだけ。
ピロリ菌除菌後に胃の調子が回復したら、その変化に驚くはずだ!!
ピロリ菌は家族や他人にうつる??
胃の中に存在するというピロリ菌。
では、自分の胃の中にいるピロリ菌が他人にうつることはあり得るのだろうか?
例えばキスをして自分の唾液が恋人の口の中に入ったり…。
同じ鍋をつついて食べたり…。
自分の胃の中のピロリ菌が唾液に混ざって誰かにうつる可能性もゼロではない!??
結論を言うと、それは十分にあり得る。
ピロリ菌の感染経路は未だに十分解明されていないけど、昔は井戸水や川の水から感染していたと考えられていた。
しかしピロリ菌は人から人への経口感染も可能だと推定されている。
というか、衛生環境の整った現在では、ピロリ菌の感染は経口感染しかあり得ない状態になっているのだとか。
とはいえ、危険なのは胃の環境が整っていない赤ちゃんや幼児。
この時期に口移しで食べ物を与えたり、キスしたりすることで、親のピロリ菌がこどもに感染する可能性がある。
大人になって胃酸の分泌や胃粘膜が十分に発達した後であれば、どれだけピロリ菌保菌者とキスしても、ほとんど感染することはないのだとか。
もし自分にピロリ菌がいたとしたら、自分の親の胃の中にもピロリ菌がいるかもしれない!?
ピロリ菌まとめ
では、ピロリ菌についての情報をまとめてみよう。
- ピロリ菌は胃痛・胸焼けの原因になる
- ピロリ菌は胃がんのリスクを劇的に上昇させる
- ピロリ菌を保菌しているかどうかは病院で検査すればすぐにわかる。
- ピロリ菌の治療は1週間抗生物質を飲み続ける。
- 幼少期は他人からピロリ菌をうつされる可能性がわずかにある
- 胃の中にピロリ菌がいることにはデメリットしかない。
もしあなたが原因不明の胃痛・胸焼け・消化不良などに悩まされているとしたら、もしかしたら胃の中にピロリ菌がいる可能性もある。
胃がんのリスクを下げるためにも、もし慢性的に胃の調子が悪いのなら、一度ピロリ菌の検査を受けてみることをオススメしたい。
ピロリ菌は飼っていても何のメリットもない。即刻除菌すべきです!
と、先生も言っていたしね。