「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~!!!!!○○さまぁぁぁぁ!!!」
ぱたり。
…とまあ、大好きなミュージシャンのライブで失神してしまう女の子がいる。
だけど大好きなミュージシャンのライブで失神してしまう男の子ってのはあんまり聞いたことがない。
なぜなのだろうか?
ライブで失神してしまう意外な原因と対策を紹介したい。
ライブで失神してしまう原因
そもそも「失神」はなぜ起こるか?
それは何らかの理由で脳への血流が滞るから。
脳が急激に血液不足になると、一時的に気を失ってしまう
とはいえ「失神」は本当に一時的なもの。
基本的にすぐ意識を回復するし、脳に障害が起きることもない。
では、なぜ憧れのアーティストのライブをみていると脳の血流が悪化するのか?
たとえば学校の集会で校長先生のなが~い話を聞いていると、全校生徒の中の2~3人くらいの女子はふらっとして失神してしまう。
彼女らは校長先生の熱狂的なファンであるわけではない。
原因は「立位性低血圧」だ。
もともと低血圧の人が長時間立っていると、重力によって一時的に血液が下半身に溜まってしまう。その結果、脳の血流が不足して軽く失神してしまうわけだ。
これはライブ中の失神とは関係ないだろう。
もちろん野外フェスなどで長時間の立ちっぱなし、水を飲むのも忘れて水分不足、なんて状態になると立位性低血圧で失神してしまうかもしれないけれど。
では、精神的に異常に興奮することでの失神か?
例えば映画や漫画などで、いきなりオバケが目の前に現れて失神する…そんなシーンをみたことがあるだろう。
これは「血管迷走神経反射性失神」であると思われる。
たとえば目の前にオバケとかチェーンソーを持った殺人鬼なんかが突然現れたら!?
その圧倒的な恐怖に対して、身体は即座に防御反応を示す。
命を守るために。
…その結果、自律神経である迷走神経が体中に非常事態宣言を発令する!!
半ばパニックになった自律神経と各臓器は、体内にいろんな変調を引き起こす。
頭痛、悪寒、発汗、吐き気、虚無感、視界が暗くなる、嘔吐…。
こういった防御反応が極限に達すると、失神してしまう。
…これもライブでの失神とは関係ないだろう。
結論を言えば、ライブで女性が失神するのは、「過換気症候群」になっているからだと思われる。
ライブに行って失神する女性は、だいたいの場合とにかく叫んでいる。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~!!!!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!」
するとどうなるか?
叫ぶということは、大きな呼吸が繰り返されるってこと。その結果、急激に血液の中に酸素が取り込まれる。その結果、血中の酸素と二酸化炭素のバランスがくずれ、二酸化炭素量が急激に低下する。するとアルカリ性に傾く。その結果、延髄が「もう酸素はいらないよ!!」という指令を出す。すると呼吸の量が減ってしまい、息苦しさを感じる。すると大脳皮質は危険を感じて呼吸させようとする。
…とまあ、いろんなことが巻き起こり、体内がパニック状態に
そんなわけで、大好きなミュージシャンのライブで失神してしまうわけだ。
この過換気症候群は「叫ぶことによる過呼吸状態」+「興奮による不安定な精神」で誘発される。
また、とくに10代~20代の若者が発症しやすいという。
男性は女性のように叫ばないので、ライブで失神してしまうリスクは低い。
もちろん女性アイドルを前に「おおお~~~○○ちゃぁぁぁぁぁ~~ん!!」と叫ぶ熱烈な男性ファンもいるだろうが、男性は女性に比べて低血圧の割合が少ないので、失神するリスクも少ないのだろう。
ライブでの失神を予防する方法と対処法
ライブでの失神を予防するにはどうしたらいいか?
対策はシンプルだ。
つまり「叫ばなければいい」だけ。
叫びすぎることで体内の酸素が過剰になり、その結果として失神が引き起こされる。
叫ばずに、落ち着いてライブを鑑賞すれば、失神することなどないだろう。
まあ、思いっきり叫んだ方が楽しいだろうけど。
「ライブは叫ばなきゃ意味がない!!
わたしの熱い思いを叫びで伝えたい!!!」
という方は、叫んだ後にしっかり、ゆっくり、深呼吸しよう。
そうすれば、体内の酸素と二酸化炭素のバランスが整い、失神しずらくなる。
「きゃぁぁぁ~~~~!!!きゃああああ~~~!!きゃああ~~~~!!!!」
…す~…はぁぁ…
すぅぅ~~~…はぁぁぁ~~~
…
…
「きゃああああ~~~!!○○さまぁぁぁ!!いやぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!」
…す~…はぁぁ…
すぅぅ~~~…はぁぁぁ~~~
…
…
このように叫べば、恐らく失神しないはず。
では、もし隣のライブ仲間が失神してしまったらどうしたらいいか??
その場合は、まず横になれる静かな場所に移動させる。
そうして衣服をゆるめ、仰向けにして足を高くして寝かせる。
それだけで応急処置は完了。
おそらく失神しているだけならすぐに目を覚ますので、何か温かいコーヒーやお茶などを飲ませよう。
万が一目を覚まさない場合は、念のため病院に連れていった方がいいかもしれない。
最近はライブで失神する人が少なくなっている…?
一昔前は、憧れの有名人を前にして失神する女性が多かった気がする。
ビートルズの武道館ライブでも、クイーンのライブでもたくさんの女性が失神したとニュースにもなっている。
郷ひろみとか西城秀樹とか野口五郎とか、あのへんの伝説的アイドル達も、そうとうな女性を失神させてきただろう。
”女性を失神させる”ことは昭和アイドルのステータス的な意味もあったわけだ。
でも、最近はあんまり失神してない気がする。
そんなニュースも聞かない。
最近では叫ぶよりも、スマホで写真撮影するのに忙しいのかもしれないね。
…と思っていたら、ミュージシャンの失神ニュースがあった。
人気ロックバンド「ONE OK ROCK(ワンオクロック)」の千葉市内でのライブ中に、体調不良を訴えて21人が病院に搬送された。救護を行った千葉市美浜消防署の担当者はJ-CASTニュースの取材に「ライブで21人搬送は数として多いです」と話し、異例の出来事と言えなくもない。
一方、ライブ後に同バンドのボーカル・Taka(28)は「いつものことだからあんまりビックリはしてない」などとインスタグラムに投稿した。一部のユーザーからは「楽しかったら病人がでてもいいのかな?」と疑問の声も出ている。
さすがは森進一のご子息Taka!!
「失神するなんていつものこと」と、サラリと言ってのける。
そこにしびれる、あこがれるわけである。
とにかく、健康のためにもライブではあんまり叫び過ぎないようにしよう。
せっかくのライブも失神してしまったら楽しめないのだから。