健康とダイエット

痩せ菌を増やす食べ物とは?太りやすい体質になる腸内細菌の仕組みと痩せ体質になる方法。

2017年4月14日

まったく同じ量の食事をしているのに、スリムな体型を維持できる人と、なぜか太ってしまう人がいる。

その違いは何なのだろうか?

実は「太りやすい体質」と「太りにくい体質」の違いを作り出すのは、体質や遺伝ではなく腸内細菌(腸内フローラ)であるという。

その理由と共に、太りにくい体質になるためにオススメの食べ物を紹介したい。

腸内環境が作り出す太りやすい体質

「腸内細菌と肥満には密接な関係がある」そんな研究が、2006年にイギリスの科学雑誌ネイチャーで発表された。

その研究の内容を簡単に紹介しよう。

人間の腸内には何億という腸内細菌が存在しているけれども、大きく4種類に分類することができる。

  • バクテロイデス門
  • ファーミキューテス門
  • アクチノバクテリア門
  • プロテオバクテリア門

「門」は細菌の種類の単位で、門にはいろんな腸内細菌が内包されている。例えば有名なビフィズス菌はアクチノバクテリア門だし、納豆菌はファーミキューテス門に分類される。

4種類あるとはいえ、腸内細菌全体の約9割ほどはバクテロイデスとファーミキューテスの2種類が占めている。

この2種類の腸内細菌のバランスが、太る体質、痩せる体質を決定しているという。

 

太りやすい体質の人の腸内にはファーミキューテスが多く存在する。そのため、ファーミキューテスは「デブ菌」なんて呼ばれることもある。酷いネーミングセンスだけど…。

逆に痩せやすい体質の人の腸内にはバクテロイデスが多く存在する。そのため、バクテロイデスは「ヤセ菌」なんて呼ばれることもある。

 

ネイチャーに発表された研究によると、ファーミキューテスは腸内で消化を助ける作用がある。本来ならそのまま排出されてしまうであろう炭水化物などの食べ物を、エネルギーとして吸収してしまうのだ。

そのため、たとえ同じ食事内容で、摂取カロリーも同じでも、ファーミキューテス菌多いと体内に吸収されるカロリーが増加して太ってしまう。

腸内にバクテロイデスが多ければ、たくさん食べても余分なカロリーは吸収されずに排出されるので、結果的に痩せ体質になることができる。

 

では、どうすればファーミキューテスを減らすことができ、バクテロイデスを増やすことができるのだろうか?

腸内フローラは食生活で激変する

多種多様な腸内細菌の分布のことを「腸内フローラ」、何て呼ぶこともある。私たち全員が、それぞれ別の、固有の腸内フローラを持っているといっていい。

では、腸内フローラはどのように決まるのか?

当然のことながら、生まれたばかりの赤ん坊に腸内細菌は存在しない。だけど生まれた瞬間より様々な細菌に晒されて、腸内細菌も増えていく。生まれた翌日には、排せつ物に腸内細菌が現れるという。

しかしながら、それは大人の腸内環境とは似ても似つかない、ピュアな腸内フローラだ。

まるで真っ白のキャンバスの様な赤ん坊の腸内環境が、本格的に大人の腸内フローラと似てくるのは、離乳食を食べるようになってから。(そして大便も大人同様に臭くなる!!)

つまり腸内フローラは生活習慣や遺伝で決まるのではなく、ほぼ食生活が決定しているといっていい。

 

パプア高地にする少数民族「パプア高地人」は、アンモニアからたんぱく質を合成することができる特殊な腸内細菌を保有している。この腸内細菌は「ユウバクテリウム」と呼ばれていて、日本人の腸内にもごくわずかに存在している。

例えばパプア高地人と一緒に生活して、まったく同じ食べ物を食べていると…半年~1年程度で腸内フローラは激変し、パプア高地人と同じ腸内環境になるという。

食事内容が腸内フローラに及ぼすインパクトは凄まじいのだ。

だとしたら、たとえ太りやすい体質の人でも、食生活を変えるだけで腸内フローラが激変して、太りにくい体質になることができるのではないだろうか?

痩せる体質になるための増やす食べ物

デブ菌(ファーミキューテス)はとにかく食べるのが大好き!!

デブ菌を増やすには、とにかく食事量を多くすること、それと脂っこい食事を食べることが有効。そうすれば、腸内のファーミキューテス菌は狂喜乱舞し、増えに増えまくるだろう。

では逆に、痩せ体質になるためにヤセ菌を増やすにはどうしたらいいのだろうか?

 

テレビ番組やネットでオススメされている、痩せ菌を増やす食べ物が納豆だ。

細菌は過熱すると死んでしまうけれども、納豆は加熱処理していないので、豊富な納豆菌が存在している。しかも納豆菌は胃酸でも死ぬことなく、生きたまま腸に届き、驚異的な繁殖力でもって腸内環境を整える。納豆を食べれば、ヤセ菌が増えて痩せる体質になるのだ!!

 

…しかしそこには大きな矛盾が存在している。

デブ菌を減らし、ヤセ菌を増やすといわれる納豆。しかし納豆菌は、デブ菌であるファーミキューテス門に分類される細菌なのだ!!

 

なんでデブ菌を食べて痩せる体質になるのか?完全に矛盾している。

実はファーミキューテス門の中にも、たくさんの種類の腸内細菌が存在していて、納豆菌の様な腸内環境によい影響を与える菌もいれば、太る体質にしちゃう悪い細菌もいる。ヤセ菌とひとくくりにしているバクテロイデス門についても同様のことがいえる。

納豆菌は腸内環境を整えて、太りにくい体質にする。デブ菌(ファーミキューテス門)が多いからといって、必ずしも太りやすい体質になるとは限らないのだ。

確かにバクテロイデス門が多い方が痩せ体質になるのかもしれないけれども、大事なのは腸内フローラが健康的であるということだろう。

 

というわけで、、痩せ体質になるための方法をまとめよう。

太りにくい体質になるには、腸内フローラを健康に保つことが大切。

そのためには脂っこい食事を減らしたり、食物繊維を多くとることが有効。

 

その他にも、ビフィズス菌(アクチノバクテリア門)の多いヨーグルトを食べたり、納豆菌(ファーミキューテス門)の多い納豆を食べたり、いろんな食べ物をバランスよく食べるのがオススメ。

そうすれば善玉菌が増えて腸内フローラが良い環境になり、食べ過ぎても太りにくい体質になるはずだ!!

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