テレビのCMで「糖質ゼロのアイス!」なんてのが流れていた。
「おお!だったらいくら食べても太らないしめっちゃええやん!!」
…と甘党のわたしは素直に思った。
しかしなぜ”カロリーゼロ”ではなく”糖質ゼロ”という表現なのか気になった。
おそらく、糖質はないにしても普通にカロリーはあるのではないか?
そう思い調べてみると、驚くべきことに普通のアイスよりカロリーが低いわけでもなくほとんど変らないくらい高カロリーだったのだ。
まずはCMで流れていたアイスのカロリーがこちら。
栄養成分表示 1個当り:
エネルギー97kcal
たんぱく質1.8g
脂質5.9g
炭水化物13.6g
糖質10.7g
食物繊維2.9g
食塩相当量0.11g
次に同じくロッテのアイス「雪見だいふく」のカロリーがこちら。
栄養成分表示 各1個当り:
エネルギー83kcal
たんぱく質1.0g
脂質2.6g
炭水化物13.8g
食塩相当量0.045g
ゼロアイスケーキのほうは44mlで97kcal
雪見だいふくは1個47mlで83kcal
むしろ雪見だいふくの方がカロリーが低いという驚くべき結果となった。
しかしわたしはここで大きな勘違いに気付いた。
そもそも”糖質ゼロのアイス”というのが大きな間違い。
ゼロアイスは砂糖・糖類ゼロであって、糖質がゼロなわけではないのだ。
ゼロアイスにおける糖質と糖類の違いとは?
では、糖質と糖類の違いとは何なのだろうか?
めちゃくちゃザックリと紹介しよう。
まず人間がエネルギー元として摂取する「3大栄養素」がある。
3大栄養素
- 炭水化物
- たんぱく質
- 脂質
カロリーはこの三種類の栄養素からしか摂取できない。
その下には身体に大切な栄養素として6大栄養素がある。
6大栄養素
- 糖質
- タンパク質
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
糖質は1g=4Kcal
たんぱく質は1g=4Kcal
脂質は1g=9kcal
ビタミン、ミネラル、食物繊維は0kalだ。
食品の中に含まれる炭水化物は、食物繊維と糖質を合計したもの。
たとえばある食品に糖質が10gと食物繊維が10gはいっていたとしたら、「炭水化物が20g含まれている」ということになる。
カロリーは糖質10g分だけの40kcalだ。
それを踏まえたうえで、糖質ってのはさらに細かく分類できる。
糖質
- 単糖類
- 二糖類
- 多糖類
もっともシンプルな構造をした単糖類はブドウ糖やフルーツに含まれる果糖。
単糖類が2つ結合した二糖類は砂糖や乳糖など。
それ以上たくさん結合した複雑な構造を持つ糖類が、オリゴ糖などの多糖類に分類される。
食品表示基準で定義されている”糖類”とは単糖類と二糖類のこと。
そこに多糖類は含まれていない。
ここまで長々と説明してきたが、ここまで理解できていればゼロアイスのからくりがよく理解できる。
砂糖ゼロ・糖類ゼロのアイスにおける”糖類”とは、単糖類と二糖類のことを差す。
だから多糖類の人工甘味料などはしっかりと使われているため、普通のアイスと同じくらいのカロリーになってしまうわけだ。
では、なぜこんなコンセプトのアイスが発売されたのか?
砂糖・糖類ゼロアイスの大きなメリット
単糖類や二糖類はシンプルな構造なので、食べるとスッと分解・消化・吸収される。
つまり食べたらすぐに血糖値が上がってしまい、分泌するインシュリンも多くなる。
インシュリンはカロリーを脂肪細胞にため込む作用があるので太る原因になっちゃう。
また食後の急激な血糖値上昇は血糖値スパイクとも呼ばれ、血管にダメージを与えてしまうこととなる。
多糖類ってのは複雑な構造なので、消化と吸収に時間がかかる。
つまり食後の血糖値上昇が緩やかになる。
すると分泌されるインシュリンの量も減るので、カロリーが脂肪細胞にため込まれづらくなるだろう。
というわけで、砂糖・糖類ゼロのアイスは高カロリーだけど、急激な血糖値上昇を防ぐことが期待できる。
糖尿病の方や、血管がボロボロの方、ダイエット中の方が、ど~してもアイスが食べたいってときにはオススメですね。
ただし、糖類ゼロとはいえ高カロリーなので食べ過ぎたら普通に太る!
(血糖値が上がりづらいから…)なんて心の中で言い訳しても、めちゃくちゃ太る!
そこだけは気を付けて楽しんで欲しい。