これから、読んだら必ずゾッとする話をお聞かせしたい。
わたしが大学生時代に実際に体験した恐怖の出来事だ。
なぜ”必ず”ゾッとするかというと、この話を思い出すたびに背筋がゾッとしてしまうからだ。
なんか思い出してもゾッとしてしまい、慣れるということがない。
恐怖のゾッと体験は、友人からの一本の電話から始まる…
ぴぴぴぴぴ…!
ワンルームの小さな部屋で、無意味に心をせかされるような電子音が鳴る。
わたしは携帯電話を手に取り、安っぽいパイプベッドの上で電話に出た。
「もしもし、久しぶり…」
友人からの電話だ。
何の話をしていたのか、話ながら部屋の中に目を走らせると、ベッドサイドに無造作に転がっている安全カミソリが目に入った。
髭を剃る、シンプルなプラスチックの柄がついた3枚場のやつ。
話に夢中になりながら、無意識にそれを手に取った。
安全カミソリは安全だから安全カミソリなのだ。
わたしは手の平で安全カミソリを弄びながら、友人との話に集中した。
そして10分後…
唐突に、親指の指先に鋭い痛みを感じた。
親指を見てみると、なんと安全カミソリでズタズタに切り裂かれて血が出ていたのだ。
わたしは無意識に安全カミソリのカミソリ部分に親指を押し当てて動かしていたのだ。
幸い、それほど深い傷ではなかったので事なきを得たが…。
もし気づくのが遅れていたら、親指がちょん切れていたかもしれない!!
…この話を思い出すたびに、わたしは、指先の鈍く鋭い痛みを思い出し、ゾッとしてしまうのです。
安全カミソリだからといって、完全に安全ではない。
当たり前ですが、とても大事なことを学んだのでした。
おしまい。