「努力すれば幸せになれるのだろうか?」
家が貧乏だから幸せになれない。
見た目が悪いから幸せになれない。
そもそも努力する才能がないから幸せになれない。
確かに私たちには、生まれつきの体格や容姿、生まれた家や国、才能や性格などなど、個人ではどうしようもない差がある。
だけど、だからといって絶対に幸せになれないわけじゃない。
幸せになるため近道はどこにあるのか?
その答えを知るためにも、幸福を構成する4つの条件を考えてみよう。
幸福を構成する4つの条件
生きている幸せ
この世でもっとも不幸なことは何か?
おそらくそれは”死ぬこと”であろう。
そしておそらく、その反対である”生きること”は、この世に存在する最も幸福な状態のひとつだと思う。
ふだん、誰もが気にしていないだろうけど。
健康であることも、突き詰めれば”生存の幸せ”に繋がる
健康であることは”生きることの幸せ”の最も基礎的な部分でありながら、最も重要な部分でもある。
私たちは口の中の口内炎がちょっと痛いだけでも、幸福感を得ることができなくなってしまうだろう。
どれだけ金持ちでも、たくさんの家族や友人に囲まれていても、病気で寝たきりの状態では十分に幸せを感じづらくなる。
中国の昔の皇帝は部下に不老不死の薬を探させたらしいけど、このエピソードも最高の幸せは生きることだと示唆している。
わたしたちが健康で長生きするには、ちゃんと「健康になる努力」を続ける必要がある。
健康になる努力の例
- 軽い運動や筋トレを心がける
- ジャンクフードを控えてバランスの摂れた食事をする
- 飲酒や喫煙をやめる
- 睡眠をしっかりとる
- 体調が悪くなったらすぐに病院で診察してもらう
- 疾患を治療するための正しい努力を続ける
物質的な幸せ
美味いもんが食べたい!
いい車に乗りたい!
ブランドのバックが欲しい!
高級リゾート地に別荘が欲しい!
乾燥機付き洗濯機が欲しい!!
などなど、モノによる満足感を得るのが物質的な幸せだ。
つまり金持ちになることで得られる幸せといっていいだろう。
逆に言えば金持ちになっても「物質的な幸せ」しか満たすことができないということでもある。せっかく金持ちになったのに幸せになれない人がいるのは、その他の幸せの条件を満たしていないからだと考えられる。
物質的な幸せを満たす努力
- 本業以外に副業を始める
- 資格を取得したりしてスキルアップし、収入を上げる
- より給料の良い仕事に転職する
- 株や為替などにに投資する
- 宝くじを買う
- 起業して会社を上場させる
社会的な幸せ
人間は社会的な動物だ。
ライオンのように鋭い牙も爪もなく、熊のように力が強くなく、鳥のように飛べず、魚のように泳げない人間が、この地球上を圧倒的に支配しているのは集団を形成しているから。
恐らく人間は、集団に所属することに幸せを感じたり、安心できるように進化してきている。
これは世界中の人間を憎んでいるような凶悪殺人犯や、家族と10年以上口をきいていない引きこもりも同じ。
そんな”集団”の最低単位は2人。
例えば恋人や夫婦、親友など、誰かと一緒にいることだけでも人は無条件に幸せを感じることができるだろう。
事実、相手と目と目が合うだけで、肌と肌が少し触れ合うだけで、脳内では幸せホルモンのオキシトシンが分泌される。
家族もペットも、宗教団体やブラック企業に所属することも、そして日本という国に所属することでさえ、人間は幸福を感じることができる。
この社会的な幸せによって、他の幸せにはない深い喜びや満足を得ることができるだろう。
社会的な幸せを得るには、大きく2つのアプローチがある。
ひとつは「今所属している集団をより良くする」こと、そしてもうひとつは「新しい集団に所属する」という方法。
社会的な幸せを満たす努力
- 父の日や母の日に「肩たたき券」を贈呈する
- 友達に自分から「メシ食いにいかない?」と誘う
- 気になる異性に自分から積極的にアプローチする
- ネットの匿名掲示板やSNSで他人とコミュニケーションをとる
- ネトゲでキャラを強くして仲間を助ける
- 趣味のサークルやクラブに参加する
人類が「地球にする生物」という集団に幸福と誇りを持てるようになれば、人類もひとつ上のレベルに進化できるし、地球も住みやすくなるかもしれないね。
自己満足的な幸せ
人間というのは面白いもので、たとえ不健康になろうが、貧乏になろうが、誰からも理解されなかろうが、お構いなしに成し遂げたい目標であったり強い欲求を持つことがある。
これはまあ極端な話だとしても、「自分だけの幸せを満たす行為」というものは、人生を幸せに豊かに過ごすためにとても大切だ。
自分の部屋でゆっくりとマンガや小説を読むときの幸せ。
孤独にサーフィンや登山をしているときの喜び。
一人でふらりと知らない国を旅するときに感じる強烈な興奮と満足感。
人それぞれ、多種多様な幸せがそこにはある。
この自己満足的な幸せは、他の幸せと比べてちょっと特殊だ。
他の幸せはある程度の”幸せの雛型”があるけれど、自己満足的な幸せに関しては、ほんとうに一人ひとりまったく違っている。
他の幸せは、それを得るためにある程度の努力をする必要があるけれど、自己満足的な幸せに関しては一切努力をする必要がない。
ただ、それをすれば幸せ。
例えば将棋が趣味の人がいて、他人に勝ったら嬉しい、負けたら悲しいと感じているとしたら、その人にとっての将棋は「社会的な幸せ」を得るための方法になる。
自己満足的に将棋が好きならば、他人に勝とうが負けようが、将棋を指すことそのものに深い喜びを感じることができるだろう。(そして往々にしてそんな人が成功し、「社会的な幸せ」や「物質的な幸せ」をもえることができる)
自己満足的な幸せには他者と比べることも、優越感も劣等感もない。それ自体が価値を持った最高の幸福なのだ。
では、そんな自己満足的な幸せを満たすにはどうすればいいのだろうか?
自己満足的な幸せを満たす努力
自己満足的な幸せは努力で満たすことができない。
それは努力で達成するのではなく、自分の中に見つけるものだからだ。
もっとも効率的に”自分が好きなこと”や”幸福感を感じること”を見つけるのは、とにかくいろんなことを経験してみるのがオススメ。
「え~こんなの面白いの?興味ないよ」というようなことにも、積極的にチャレンジしてみる。
新しい体験は、そのまま新しい自分の発見につながるだろう。
幸せになる方法まとめ
幸せの4つの条件とそれを満たすための努力の例を紹介してみた。
自分に足りない”幸せの条件”を満足させるように努力を重ねれば、総合的な幸せ度が上がるだろう。
これらの幸せの4つの条件はそれぞれに独立したものではなく、互いに密接に関わり合っている。
ワーカーホリックは仕事をすることで「社会的な幸せ」と「物質的な幸せ」と「自己満足的な幸せ」を満たそうとして、健康を害したり家族をないがしろにしてしまう。
ボランティア活動は「社会的な幸せ」と「自己満足的な幸せ」を同時に満たせるかもしれない。
恋人を大事にするあまり、自己満足的な幸せを無視している人もいるだろうし、金儲けのために友達をなくす人もいるだろう。
人はいろんな方法で、4つの幸せの条件を満たそうとして、幸福になったり不幸になったりを繰り返しているわけだ。
だからこそ、しっかりと幸福になるには、正しい道筋の上を、正しく努力する必要がある。
物質的な幸せを満たすのが得意な人、社会的な幸せを満たすのが得意な人、それぞれが得意な分野で努力することが幸せの近道。
自分なりの幸せを見つけて、それに向けて頑張れば、それが「幸福への近道」なのではないだろうか。
この窮屈の資本主義社会を生きていると「金があればすべて解決する!」と思ってしまいがち。そうして金のない自分を不幸と決めつけちゃう。
それはある意味では正しいのかもしれないけれども、その他の3つの幸せに着目することでもっと幸せな人生を歩むことだってできる。
「自己満足的な幸せ」なんて努力を必要としないので、特にオススメだ。