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ブックオフで見つけた痕跡本!その古本の中に挟まれた謎の手紙に書かれていた内容とは?

2015年9月4日

痕跡本とは古本の中に落書きやメモなど、前の所有者の痕跡がある古本の事だという。

”痕跡本”なる言葉があると知ったのは、「有吉マツコの怒り新党」の新・3大○○調査会コーナーにおいて、痕跡本の特集が組まれたから。そこでは古本のアンデルセン童謡の中に挟まれてあった手紙の内容が紹介されていた。

私は古本好きでよく買っているが、確かに古本にはメモやアンダーラインなど、前所有者の痕跡が残っている場合がある。しかし手紙が入っているなんてのは、なかなかレアだ。

私自身のささやかな古本歴に置いて、たった一度だけ、番組で紹介されていたように古本の中に手紙が挟まっていたことがある。

私が実際に出会った”痕跡本”と、その手紙の内容を紹介しよう。

痕跡本は前所有者の人生を物語る

有吉マツコの怒り新党でまず痕跡本として紹介されたのは、「週末起業」というビジネス本。その表紙に以前の所有者のメモが書かれていた。

普通の会社員→中小企業診断士の資格に合格→週末と夜だけ経営コンサルタント→メールマガジン発行→出版社から連載の以来あり→講演の以来あり→企業コンサルタントの仕事舞い込む→脱サラ(本業より収入が増え)

ビジネス書はこういった独りよがりの計画を練っているときが一番楽しい。自分も思い当たる節があるので、恥ずかしいったらない。

その後、メインとして紹介されたアンデルセン童謡は全10巻に及び、そこには数枚の手紙が挟まれた状態で古本屋の片隅に置かれていたという。

その手紙の内容は、いわゆる恋文。英雄という男性が差出人で、F子という女性に対してその思いを綴ったものであった。

英雄さんとF子さんは結ばれて、だけど英雄さんの方が先に亡くなり、その後F子さんも亡くなったが、その遺族が恋文の事を知らないでアンデルセン童話を古本屋に売ってしまった…番組の企画会議ではそんなラブ・ストーリーを想像したという。もちろん真相は闇の中だ。テレビの力でもって英雄さんやF子さんを探し出すってのも無粋だろう。

前所有者の痕跡からいろんな想像が膨らむ、それが痕跡本の楽しさのひとつなのだろう。

 

さて、では次に私自身がブックオフの100円コーナーで買った古本に挟まっていた手紙の内容を、赤裸々に全文公開しよう。

ブックオフで出会った痕跡本の内容は?

長い事古本を買っていると、確かに前所有者の痕跡が残された「痕跡本」に出会う事がある。

それはたとえば、2年前のコンビニのレシートであったり、知らない街の、何年も前に期限の切れた居酒屋のサービス券だったりする。

自己啓発や経済に関する本には、メモが書いてあったり、大事なところにアンダーラインが引いてあることもある。

「え、そこ大事なの??」みたいなところにね。

昭和に発刊された古い文庫本の背表紙には、真面目な文字で読了日が書いてあったこともある。きっと眼鏡をかけた堅物のじいさんだったに違いない。

私だったら推理小説の1ページ目に「犯人は○○」なんて落書きをしてみたいものだが。

というわけで、いろんな痕跡本に出会っているのだが、手紙が入っていたのは後にも先にも一度だけだった。

 

私が買ったその本には、出版社の応募はがきと、ディズニーのキャラの書かれた紙が挟まれていた。

まったく気にせずに、それらをしおり代わりにして、さくっと読み終えた。

私がその衝撃の事実に気がついたのは、読んだ後だった。

挟まっていたディズニーの葉書サイズの紙は二つ折りになっていたのだ。

その紙を開くと・・・

 

なんてこった!!

この本はかつて、誰かに贈られた誕生日のプレゼントだったのだ!

オーケー、これは罰だ。

女性のやわらかな文字で書いてあるその手紙の全文をここに公開しよう。

 

 

Happy birthday

元気ですか?これを手にとって贈りたくなったので送ります。

もしとっくに読んでいたら、誰かにプレゼントしてね。

幸せに歩んでる事、祈ってます!!

でわね、お母さんにもどうぞ宜しくネ

2008.10 ○○(名前)

誰かにプレゼントしてね・・・不本意にも私はその「誰か」になってしまったわけだ。

 

こんな心を込めた手紙と一緒に売り飛ばすなんて・・・

てか、プレゼント貰っといてぜってー読んでねーだろ!!

 

そう、出版社の応募はがきが同封されていたことから、この本は一度も開かれていないことが推察される。もし一度でもページを開いていたのなら、古本屋に売り飛ばすときにせめて手紙くらいは抜いていたはずだ。読んでないことは明らか。

推察するにプレゼントをもらったのは10代の女性であろう。そしてそのプレゼントを贈ったのは、その10代女性の母親とも面識のある女性。”元気ですか””幸せに歩んでること祈ってます”との文言から、しばらくは会っていない、あるいは近況を知りえないくらい遠くに住んでいる可能性がある。”でわね”や”宜しくネ”といった表現、とくにネがカタカナのところから、多分60代以上の女性が想像できる。これらを勘案すると、おばあちゃんが孫にプレゼントした本である可能性が高いのではないだろうか。思春期になった女の子が、祖母と少しだけ疎遠になる。そんな祖母の少しのさみしさと包み込むような大きな優しさが文面からにじみ出ている。

勝手な想像をしたものの、もちろん真相は闇の中だ。

ともあれ、そんな手紙を時空を超えて受け取った私は、捨てるに捨てられず途方にくれるのであった…。

 

幸せに歩んでいる事、祈ってます!!

2008年の事だから、きっと送った人も、送られた人も存命しているに違いない。10月誕生日の読書嫌いな誰かさん。いまでも幸せな道を歩んでいるのだろうか?

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